■■■■■2008年03月04?日■■■■■

【その他の寫真】

■五輪成功が大きな焦點(diǎn)、「両會(huì)」が開幕　チャン?イーモウは…

中國の政治の最高機(jī)関のひとつ、全國政治協(xié)商會(huì)議が3日開幕し、北京は人民大會(huì)堂付近を中心に厳戒態(tài)勢に入った。各業(yè)界や地方、各民族の代表2000人が北京に集結(jié)する。今年は何と言ってもオリンピックイヤーということで、北京五輪に関する議題になるのは間違いない。新華社の記事も「非凡な1年、非凡な両會(huì)（政治協(xié)商會(huì)議と人民代表大會(huì)のこと）」という記事を掲げて、オリンピックイヤーならではの特別な『政治の舞臺(tái)』となることを予感させている。物価の高騰や地方の農(nóng)民問題など、中國の問題は山積みだが、このブログではこの期間中、とりあえず、五輪関連の話題やエピソード等に絞って、紹介していきたい。

昨日の主役は、何といっても「代表」の一人として、人民大會(huì)堂に現(xiàn)れた映畫監(jiān)督のチャン?イーモウだろう。8月8日の開幕式の総合演出を擔(dān)當(dāng)するチャン?イーモウ氏は車から降り立った瞬間に、何十人もの記者陣に囲まれ、質(zhì)問攻めにあった。焦點(diǎn)は『開幕式の準(zhǔn)備狀況』と『スピルバーグ氏の蕓術(shù)顧問退任』である。

スピルバーグ氏については「少し殘念だ」としつつ、「彼の退任は開幕式に何ら影響はない」と述べた。

また開幕式の準(zhǔn)備狀況については、現(xiàn)在すでに1萬人規(guī)模の予行練習(xí)を行っていることを明かし、式典の成功について「自信はある」と言い殘し、人民大會(huì)堂に入っていった。

■政協(xié)會(huì)議委員に名を連ねる“北京五輪の華”

昨日開幕した全國政治協(xié)商會(huì)議の代表名簿の中に、一際、目を引く名前があった。

陸上110m障害の世界記録保持者である劉翔、そして女子テニスのダブルスで全豪、全英オープンを制した鄭潔の二人である。

全國政治協(xié)商會(huì)議には、政界だけでなく、蕓能界、スポーツ界、そして『出稼ぎ者』などあらゆる“業(yè)界”の代表が名を連ねている。

その中の『スポーツ界』代表として、選出された二人だが、いざ蓋を開けてみると、彼らの姿はなかった。

それもそのはず、まず中國の陸上代表はインドア大會(huì)に出場するため、今月1日、スペインに向けて旅立っており、もちろん劉翔はその中の一人。関係者によると「五輪という大切な大會(huì)を前に（會(huì)議は）欠席せざるを得なくなった。少なくとも大會(huì)が終わる9日までは北京に帰れない」と語っている。

鄭潔も海外のツアーを転戦しており、1日までドバイでの大會(huì)に出場していた。この時(shí)期に北京に2週間張り付くなど、全くありえない日程となっている。

だが、劉翔に関して言えば、すでに1か月以上前に、この予定は明らかとなっており、會(huì)議に出席できないことは分かっていた。つまり、彼らが代表メンバーに名を連ねたことは、あくまでも『お飾り』に過ぎないという指摘も無理からぬところがある。

この代表メンバーの「スター枠」に関して、中國國內(nèi)ではさまざまな論議がなされている。

インターネット掲示板での議論も面白い。ある人は「劉翔が五輪で金メダルを取ることは中國人民の願(yuàn)い。この大切な時(shí)期に大會(huì)を優(yōu)先させるのは仕方ない?！埂浮哎攻咯`”委員がいることで私たちの會(huì)議への注目度も高まる。それだけでも意味があるのでは？」と理解を示す一方、「“栄譽(yù)”だけ得て、責(zé)任を果たさないのはおかしい」「學(xué)生が授業(yè)に出席しなければ叱られる。労働者が働かなければ給料が下がる?！哎攻咯`”委員が會(huì)議に出席しなかったら、どう処理するの？」といった批判的な意見も數(shù)多くある。

これに対し、政治協(xié)商會(huì)議の張梅頴副主席は「政治協(xié)商會(huì)議の委員は各業(yè)界から選ばれるもの。劉翔と鄭潔はスポーツ界で傑出した人物であり、誰もが一致して代表と認(rèn)める存在だ。彼ら自身がメンバーに連なること自體が大切なのであり、彼らが“當(dāng)選”することそのものが政治協(xié)商會(huì)議の価値なのだ」と語る。つまり要は「劉翔、鄭潔が名を連ねること自體に価値がある」ということなのだろう。

“スター”議員というのは、“どこかの國”でもある話。とりあえず議場にいるだけで「価値がある」という考えも分からないではないが、出席さえもできない“代表”というのでは、疑問が生まれてくるのは當(dāng)然だ。別に劉翔や鄭潔らが、進(jìn)んで代表委員になったわけではないだろうから、當(dāng)人には責(zé)任はないのかもしれないが、中國の政治制度ならではの、「獨(dú)特な人選」だと思う。

＜注：この文章は筆者の承諾を得て個(gè)人ブログから転載したものです＞

■筆者プロフィール：朝倉浩之

奈良県出身。同志社大學(xué)卒業(yè)後、民放テレビ局に入社。スポーツをメインにキャスター、ディレクターとしてスポーツ?ニュース?ドキュメンタリー等の制作?取材に関わる?，F(xiàn)在は中國にわたり、中國スポーツの取材、執(zhí)筆を行いつつ、北京の「今」をレポートする中國國際放送などの各種ラジオ番組などにも出演している。