2017年2月18日、中國(guó)の國(guó)會(huì)に當(dāng)たる全國(guó)人民代表大會(huì)（全人代）が3月5日から北京で開(kāi)催される。最大の焦點(diǎn)は17年の成長(zhǎng)率目標(biāo)。16年は「6．5―7．0％」と範(fàn)囲で示されたが、経済の減速傾向が続く中、下方修正されるとの見(jiàn)方もある。人民元安の進(jìn)行を背景に國(guó)外への「資金流失」が止まらないのも懸念材料だ。

中國(guó)國(guó)家統(tǒng)計(jì)局が1月20日発表した16年の國(guó)內(nèi)総生産（GDP）は、物価変動(dòng)の影響を除いた実質(zhì)ベースで前年比6．7％増。政府目標(biāo)は達(dá)成したものの、成長(zhǎng)率は15年の6．9％を下回り、1989年の天安門(mén)事件の影響で経済が冷え込んだ90年以來(lái)、26年ぶりの低い伸びにとどまった。

それでも16年の政府目標(biāo)をクリアしたのは、公共投資拡大と減稅で景気下支えを図ったことが奏功した形だが、減速に歯止めをかけることはできないまま。10年には2桁成長(zhǎng)を確保していた中國(guó)も6年連続の成長(zhǎng)鈍化を余儀なくされた。

17年の成長(zhǎng)率目標(biāo)を設(shè)定する上でカギになりそうなのは、習(xí)近平指導(dǎo)部が目標(biāo)に掲げる「小康社會(huì)」（衣食住が満たされ、比較的余裕のある生活を送れる経済社會(huì)水準(zhǔn)）の実現(xiàn)。15年10月の中國(guó)共産黨第18期中央委員會(huì)第5回全體會(huì)議（5中全會(huì)）で採(cǎi)択された第13次5カ年計(jì)畫(huà)（16?20年）では、20年までにGDPと國(guó)民1人當(dāng)たり所得を10年の2倍に引き上げるとしており、そのためには「計(jì)畫(huà)期間中の年平均成長(zhǎng)率は6．5％以上が最低ライン」とされる。

こうした中、中國(guó)當(dāng)局が神経をとがらせているのは、「資金流失」。最近の人民元安の進(jìn)行を嫌気した企業(yè)や個(gè)人が海外に資金を逃避させる動(dòng)きが目立ち、成長(zhǎng)の足を引っ張りかねないためだ。

國(guó)際金融協(xié)會(huì)（IIF）の推計(jì)によると、16年の中國(guó)からの資金流失は過(guò)去最大の7250億ドル（約82兆円）で、15年から500億ドル増えた。14年の1600億ドルに比べ5倍近い規(guī)模に膨らんだ。IIFは「米國(guó)に本拠を置く多國(guó)籍企業(yè)が収益を中國(guó)から本國(guó)に移し始めれば、17年は流出がさらに進(jìn)む可能性がある」と指摘している。

さらに、人民元急落を阻止するため、外貨準(zhǔn)備を取り崩しドル売り?元買(mǎi)いの介入を続けた結(jié)果、中國(guó)人民銀行（中央銀行）によると、1月末の外貨準(zhǔn)備高が前月比123億ドル減の2兆9982億ドル（約336兆円）となった。減少は7カ月連続で3兆ドルの大臺(tái)を割り込んだのは11年2月以來(lái)、約6年ぶり。

世界一を誇る中國(guó)の外貨準(zhǔn)備は旺盛な輸出に支えられ14年6月には3兆9932億ドルと、4兆ドルに肉薄していたが、その後は景気減速などを背景に資金を國(guó)外に移す動(dòng)きが拡大。それに伴う元安圧力が強(qiáng)く、為替差損を嫌って資金の持ち出しを一層急ぐという悪循環(huán)に陥っている。（編集/日向）