人民網(wǎng)日本語版 2017年3月26日(日) 0時20分
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北京市にある「潘家園」という骨董市場をご存じだろうか? おそらく、北京で學ぶ留學生たちはそれぞれお気に入りの場所があると思うが、私にとっては「潘家園」がまさにそれだ。昨年12月は週末になるとそこへ足を運んだ。
北京市にある「潘家園」という骨董市場をご存じだろうか? おそらく、北京で學ぶ留學生たちはそれぞれお気に入りの場所があると思うが、私にとっては「潘家園」がまさにそれだ。昨年12月は週末になるとそこへ足を運んだ。私がこれほど「潘家園」に惹かれる理由は、いままで見たこともない物がそこにあるからではなく、以前に見たことがある物があるからだ。つまり、そこで売られている物に対して、多少なりとも知識を持っているからとも言えるだろう。こういう言い方をするとちょっとした自慢のようだが、その訳を是非ここで紹介したいと思う。(文:池田洋子?北京師範大學 國際在線掲載)
ある日、私は潘家園骨董市場で面白い「錠」を見つけた。普通の錠は、數(shù)字の暗証番號によって施錠?開錠ができる。だが、その錠の暗証番號は漢字7文字だった。しかも、その漢字7文字は、ある詩歌の一部分だった。私は思わずニヤニヤしてしまった。「この詩は高校時代に勉強したことがある!」?そう、李白の「白帝城」に出てくる「朝辭白帝彩雲(yún)間(早朝、朝焼け雲(yún)の下、白帝城を出発する)」の7文字だったのだ。私は錠を手にして、得意げに開錠した。その時、とても驚いた表情を見せた店主の顔を見て、私は內(nèi)心「してやったり」と感じたのと同時に「もし中國人でも日本人でも、誰でも開錠できるなら、一體この錠の存在意義はあるのだろうか?」という疑問を持った。
中國での暮らしが長くなるにつれて、私は、中國人と日本人には、共通認識がとても多いと感じるようになった。たとえば私は、「論語」のなかのいくつかのフレーズを知っており、項羽と劉邦の物語を知っており、隋(581-618年)の次には唐(618-907年)の時代という歴史についても知っている。私はごく普通の看護師で、中國文化や歴史は専門ではないが、これらの基本的な知識は備えている。
なぜなら、日本人なら誰もが、小學校から高校までの間にこのような知識を?qū)Wぶからだ。これらの知識のおかげで、私は潘家園にある骨董品について理解できた。だが、日本以外の國からやって來た留學生の多くは、そのような知識を?qū)W習した経験がない。中國関係の専攻分野でない限り、彼らが中國の文化や歴史を?qū)Wぶ機會はほぼ皆無だ。あるクラスメートは、「ヨーロッパの學生が學ぶ內(nèi)容の多くは、ローマ帝國など、ヨーロッパ史とヨーロッパ文化が中心だ」と教えてくれた。私もローマ帝國について學校で學んだことはあるが、ヨーロッパに関して私が持っている知識は、ヨーロッパ人の知識には全く及ばない。
このようにみると、ある國の歴史や文化を?qū)Wんでいるかどうかは、一般的に、國家間の交流の多少に左右される場合が多い。ローマ帝國がヨーロッパ全體に極めて大きな影響をもたらしたのと同様、日本人にとって、古代中國が日本に及ぼした影響は極めて大きい。つまり、日本文化について語る際には、中國文化に觸れない訳にはいかないのだ。
表面だけを見れば、今の日本文化は、米國からの影響がやや大きいように見える。だが、実際のところ、米國文化が日本に入ってきたのはほんの100年前のことだ。中國との交流の歴史と比べ、米國と日本の交流の歴史はごく淺い。20世紀以降、日中関係は苦難の道が続き、今もなお、両國関係は好転したとは言えない。これは極めて殘念なことだ。私は、古代から長く続いてきた日中交流は、我々が意識するしないにかかわらず、非常に底深いものだと認識している。私は、両國の國民がお互いに仲睦まじい関係を保ってほしいと心から望んでいる。私たちは一衣帯水の隣國なのだから、付き合わない訳にはいかない。この道理を「李白の錠」が私たちに教えてくれていると実感している。(提供/人民網(wǎng)日本語版?編集KM)
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