中國(guó)がミャンマーとの関係強(qiáng)化に力を入れている。究極の目的はインド洋への道の確保だ。両國(guó)関係の障害になっていたミャンマー國(guó)內(nèi)の華人系反政府組織については、中國(guó)の金融機(jī)関を通じての寄付ができないようにした。一方、ミャンマーのティンチョー大統(tǒng)領(lǐng)は6日、習(xí)近平國(guó)家主席の招待による中國(guó)への公式訪問を11日までの日程で開始した。

習(xí)近平政権が打ち出している世界戦略「一帯一路」の一環(huán)として、中國(guó)はインド洋を経て中近東やアフリカ東部にいたるまでの経済圏の建設(shè)を目指している。その不安定要素となるのが南シナ海情勢(shì)だ。

中國(guó)が南シナ海のほぼ全域について権利を主張していることに、東南アジアの沿岸國(guó)はもとより日米やオーストラリアも警戒と不信を強(qiáng)めている。中國(guó)としては、対立が激化した場(chǎng)合の最悪のシナリオとして自國(guó)船に対するマラッカ海峽通過阻止も想定しておかねばならない。インド洋への道は遠(yuǎn)のく。

ここで重要になるのがミャンマーだ。ミャンマーは雲(yún)南省で中國(guó)と國(guó)境を接しておりインド洋にも面している。中國(guó)はミャンマーとゆるぎない親密な関係を構(gòu)築しておけば、ミャンマーを経由してのインド洋への進(jìn)出を確保できることになる。マラッカ海峽封鎖という極端な事態(tài)にならなくても、「最悪の場(chǎng)合でもインド洋への道は確?！工趣いη疤幛?、中國(guó)にとってさまざまな駆け引きで有利に働く。

中國(guó)は古くからミャンマーとの関係を重視してきた。ミャンマーの軍事政権に西側(cè)諸國(guó)が経済制裁を?qū)g施していた時(shí)期にも「內(nèi)政不干渉」を理由に、密接な関係を維持した。「インド洋への道の確?！工酥证筏郡韦庠绀?、2009年にはミャンマー西部の港、チャウピュ港のミャンマー側(cè)との共同開発にも著手している。

ミャンマー側(cè)は軍政脫卻後も自國(guó)の経済建設(shè)にとって中國(guó)との関係強(qiáng)化が重要と判斷。外相を兼任するアウンサンスーチー國(guó)家顧問は、民主化後の東南アジア諸國(guó)連合（ASEAN）以外の初の訪問先として中國(guó)を選んだ。

ミャンマーと中國(guó)には対立點(diǎn)もあった。ミャンマー當(dāng)局がもっとも憂慮していたと見られるのは、中國(guó)とミャンマー北部の反政府勢(shì)力のミャンマー民族民主同盟軍（MNDAA）の関係だ。MNDAAはコーカン族による武裝集団で、2015年には政府軍と大規(guī)模な戦闘を展開。今年（2017年）3月にも戦闘が再び激化した。國(guó)境地帯の戦闘であり、中國(guó)領(lǐng)內(nèi)に砲弾が落下したりミャンマー政府軍機(jī)が中國(guó)領(lǐng)內(nèi)を誤爆して民間人に死傷者が出たこともある。

コーカン族は17世紀(jì)ごろに中國(guó)から移住した漢人の子孫で、話す言語も中國(guó)語だ。そのため、中國(guó)ではMNDAAを「同胞」と受け止め支持する人がいる。MNDAAは中國(guó)農(nóng)業(yè)銀行などに口座を設(shè)け、寄付金を集めた。特に2015年の戦闘激化時(shí)には中國(guó)の金融機(jī)関を通じて集まる資金が急増したとされる。

ところが中國(guó)の金融機(jī)関は戦闘が激化した直後の3月中旬、MNDAAの口座を凍結(jié)した。MNDAAは國(guó)際的にテロ組織などに指定されてはいないが、現(xiàn)在もアヘン密売に関係している可能性がある。ロイター電によると事情通の専門家は、金融機(jī)関としてリスクがある以上、取り引きを停止してもおかしくないと説明したという。

しかし、ここで問題になるのは中國(guó)の金融機(jī)関が「なぜ今になって口座凍結(jié)か」ということだ。中國(guó)當(dāng)局による「ミャンマーの反政府勢(shì)力への肩入れは許さない」との意思表明だったと解釈するのが自然だろう。