トランプ米政権が中朝を威嚇、にわかにキナ臭くなった東アジア―武力対決による最大の被害者は日本、「対話」追求しかない

八牧浩行    2017年4月11日(火) 5時20分

拡大

4月上旬の米中首脳會談と同じタイミングで米軍がシリアをミサイル攻撃、習(xí)近平國家主席は冷や水を浴びた格好だ。中國政府は「北朝鮮の核武裝解除に協(xié)力しなければ、次の攻撃目標(biāo)は北朝鮮だ」という米國側(cè)の強(qiáng)いシグナルと受け取った。寫真は平壌。

4月上旬の米中首脳會談の主役は「北朝鮮」だった。習(xí)近平國家主席はトランプ大統(tǒng)領(lǐng)と「北朝鮮の核は深刻な段階」であるとの認(rèn)識で一致。北朝鮮の核?ミサイル開発停止へ、國連の対北朝鮮制裁を完全履行する意向を強(qiáng)調(diào)した。一方で米國による韓國との合同軍事演習(xí)など「軍事的圧力」を停止すべきだと主張。6カ國協(xié)議の復(fù)活による「対話」を進(jìn)めるようトランプ大統(tǒng)領(lǐng)に求めた。

ところが6日、米中首脳晩餐會と同じタイミングで米軍がシリアをミサイル攻撃、習(xí)氏は冷や水を浴びた格好。中國政府は「北朝鮮の核武裝解除に協(xié)力しなければ、次の攻撃目標(biāo)は北朝鮮だ」という米國側(cè)の強(qiáng)いシグナルと受け取った。

ティラーソン國務(wù)長官は9日、米テレビ番組で、シリアへのミサイル攻撃と絡(luò)めて北朝鮮問題に言及、「國際合意に違反し他國への脅威になるなら、いずれかの時點(diǎn)で対抗措置をとる」と明言、國際合意に反してミサイル発射を繰り返す北朝鮮を強(qiáng)くけん制した。

同長官は米中首脳會談での協(xié)議にも觸れ、「我々の目的は朝鮮半島の非核化だ」と強(qiáng)調(diào)、「(中國側(cè)は)なんらかの対応をせざるを得ない狀況だとはっきり理解したはずだ」と北朝鮮問題での中國の対応を強(qiáng)く促した。

トランプ氏は首脳會談に先立ち、國家安全保障會議(NSC)に韓國への核配備を提言させるなど対中圧力を強(qiáng)めた。中國が北に対して行動を起こすかどうかを見守り、起こさなければ、矢継ぎ早に対策を打つ方針だ。既に下院が可決した北のテロ支援國家再指定の実行や、北と取引する第3國の企業(yè)?個人への制裁、同盟國のミサイル防衛(wèi)網(wǎng)の整備などを打ち出すとみられる。米國の原子力空母「カール?ビンソン」艦隊も急きょ朝鮮半島近海に配備された。

NSCは、北朝鮮のミサイル打ち上げと核開発で、極東が「核危機(jī)」の狀況になりつつあると見ており、韓國への核配備は戦略上も欠かせなくなってきたと判斷したようだ。韓國では5月9日の大統(tǒng)領(lǐng)選挙での爭點(diǎn)に浮上。保革伯仲の戦いが展開されている?!负宋溲b」をも主張する與黨保守勢力は歓迎しているが、文在寅氏など野黨候補(bǔ)は反対している。

東アジア情勢の急変により、日本にとってリスクが増大するのは避けられない。安倍首相は、トランプ氏との2度にわたる電話會談で「米國の対シリア?ミサイル攻撃への決意支持」や「北朝鮮に関するすべての選択肢支持」などを伝えたが、北朝鮮問題でも対話より武力行使の道を容認(rèn)したと捉えられる恐れがある。

日本の死活的な國益は、東アジアで戦火を交える事態(tài)を回避することだが、北朝鮮が攻撃された場合、米軍基地のある日本が甚大なとばっちりを受けるリスクがあるのは否めない。日本として地域での戦亂回避へ、外交的な手立てを盡くす必要があろう。北朝鮮と近接し、同國內(nèi)に拉致被害者を抱える日本としては「対話路線」を追求するしかない。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務(wù)取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會見。東京都日中友好協(xié)會特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China?記事へのご意見?お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業(yè)務(wù)提攜

Record Chinaへの業(yè)務(wù)提攜に関するお問い合わせはこちら

業(yè)務(wù)提攜