日本人にとって「理想的な就職」とは何か?―在日中國人

人民網(wǎng)日本語版    2017年4月11日(火) 18時50分

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この20年あまりの間、日本にはずっと「就職難」問題が存在し、毎年、「就職氷河期」とか「超氷河期」といった言葉が聞こえてくる。だが「氷河期」とは一體どういうことなのか。

この20年あまりの間、日本にはずっと「就職難」問題が存在し、毎年、「就職氷河期」とか「超氷河期」といった言葉が聞こえてくる。だが「氷河期」とは一體どういうことなのか。新華網(wǎng)が伝えた。(文:兪天任?日本在住の研究者)

データをみると、20世紀(jì)から21世紀(jì)へ移り変わる前後の數(shù)年間を除いて、本當(dāng)に「就職」しようと思うなら、日本の大卒者が仕事を見つけられないということはなかった?!笟旰悠凇工趣いρ预し饯稀⒋笞湔撙耸陇蛞姢膜堡椁欷胜い趣いΔ长趣扦悉胜?、「理想の仕事」をなかなか見つけられないことを指している。

それでは日本の學(xué)生たちの「理想の仕事」とはどのようなものだろうか。まず當(dāng)然のことながら給料の高い仕事だ。とはいえ、日本の學(xué)生にとって「給料の高さ」は1番大事な要因ではない。日本では同クラスの職場であれば給料にそれほど差はなく、職場のさまざまなポストは出身校のランクによって給料が基本的に固定化しているからだ。どのランクの學(xué)校を卒業(yè)すれば、どれくらいの給料がもらえるかが基本的に決まっている。

次に日本人が求めるのは「安定」だ。安定とはもちろん「終身雇用」のことだ。一般的にいって、何か特別の理由がない限り、日本のサラリーマンは1つの企業(yè)で職業(yè)生活を終えるのであり、給料や報酬や昇進は一般的に先に來た者が先、後に來た者が後だ。日本人がよく口にする「人生設(shè)計」はこのような年功序列の企業(yè)文化の上に構(gòu)築される。

日本文化における「人生設(shè)計」は非常に具體的だ。どのような會社に入り、「年功序列」のペースに従って進み、どれくらいの年齢でどれくらいの給料がもらえ、いつ頃結(jié)婚し、いつ頃家を買い、いつ頃子供をもてるか、子供はどのランクの學(xué)校に行くか、退職後にいくら年金をもらえるか、どれくらいの頻度でどの國に旅行するかなど、內(nèi)容は非常に細かい。

中國人は日本人のこうした「1カ所で終わる」職業(yè)傾向を理解できないことが多い。日本人には開拓の精神がないのだろうか。確かに、他の文化の人生観で日本人の「人生設(shè)計」をながめると、無味乾燥のつまらない人生のようにみえる?!搁_拓」ではなく「安定」を奨勵する考え方は、現(xiàn)在の日本社會では主流を占める。メディアで時々創(chuàng)造開拓を奨勵するとの文言をみかけるが、多くの人々は安定と安全の追求を生活信條としている。

だが日本人に開拓を志す遺伝子が全くないとは言えない。トヨタ、パナソニック、ソニーを代表とする日本企業(yè)は創(chuàng)業(yè)?成長の過程でリスクを恐れず、自ら打って出て、新たな境地を開拓した。とはいえ、こうした企業(yè)の創(chuàng)業(yè)當(dāng)時は日本社會が不安定だったり混亂していたりする時期で、日本社會は均質(zhì)化のレベルが低かった。人々が冒険を恐れなかったのは、冒険しなくとも、身の回りにリスクが転がっていたからだ。

第二次世界大戦後の混亂期を乗り越ると、経済建設(shè)の成功によって、日本社會は均衡レベルが非常に高い安定した社會になり、均質(zhì)化レベルも上昇した。これと同時に醫(yī)療水準(zhǔn)が向上し、平均壽命がどんどん延び、社會構(gòu)成員の平均年齢も上昇を続け、社會の高齢化が進んだ。このような社會では主流の共通認(rèn)識が絶えず保守化に向かう。

社會の均質(zhì)化レベルが上昇を続ける時期に大學(xué)を卒業(yè)する學(xué)生たちは、職業(yè)選択にあたって冒険の少ない道を選ぶのが正解だ。1980年までは確かにそうだった。當(dāng)時、企業(yè)間の開きは今より小さく、大學(xué)教育の普及レベルも現(xiàn)在より低かった。大卒者は希望の職業(yè)やポストを比較的容易に手に入れることができた。

だがその後、バブル経済が発生し、崩壊し、高等教育も普及し、こうした要因が日本の學(xué)生の職業(yè)観に影響を與えた。こうした時期に學(xué)生たちはたくさんの事例をみてきた。経営不振により市場から淘汰された多くの企業(yè)、経営不振やその他の原因によって企業(yè)から淘汰されたさらに多くの従業(yè)員をみてきた。

これと同時に、20年前に比べて、今や私立大學(xué)も國立大學(xué)も學(xué)費が2倍以上値上がりし、教育資金の準(zhǔn)備や返済が世帯支出に占める割合は以前よりも大きくなった。このような狀況の中、日本の學(xué)生たちは職業(yè)選択にあたってより注意深く慎重であることを迫られるようになった。

自分が冒険しないだけでなく、冒険しようとする企業(yè)も選択の対象からはずれる。

バブル時代に痛手を負(fù)った日本企業(yè)には1つの共通點がある。不動産業(yè)や金融産業(yè)など、自分たちの不慣れな分野に足を踏み入れたという點だ。本業(yè)に真面目にコツコツと取り組んだ企業(yè)は、バブル當(dāng)時は資産を増やすことができなかったが、バブル崩壊後に困ることもなかった。

人も同じだ。若いときに選べたかもしれないチャンスよりも、老後の安定の方が大事だ。これは高齢者が自分の一生を振り返った時に到達しやすい結(jié)論であり、社會構(gòu)成員の平均年齢が上昇を続ける中、こうした見方が幅広く社會の共通認(rèn)識になっている。

毎年、情勢の変化にともない、大卒者の希望する就職先にも変化が生じているが、トヨタは永遠にトップクラスに居続ける。経営狀態(tài)が順調(diào)で社員が十分な給料や報酬をもらえるということだけではなく、トヨタが「終身雇用」と「年功序列」を尊ぶため、社員が極めて強い安心感を抱いているということが背景にある。

昔からいる社員に安定した環(huán)境を與えることができなければ、若い人ががんばってもその意義が失われる。若い人たちの努力は自分たちのよりよい福祉を勝ち取るためであり、企業(yè)の発展に貢獻することばかり考えていてはいけない。同じように若くはない社員に安心できる環(huán)境を提供できない企業(yè)は、健全な企業(yè)とはいえない。

企業(yè)の効率と社會の安定に矛盾が生じた場合、社會の構(gòu)成員にとって社會の安定がより重要になる。(提供/人民網(wǎng)日本語版?編集KS)

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