中國経済はサービスと消費が主導(dǎo)、6%臺後半の成長を維持=潛在成長率は7%か―アジア開銀総會橫浜會議

八牧浩行    2017年5月4日(木) 5時20分

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アジア開発銀行研究所(ADBI)は、米ペンシルバニア大學との共催で5月2日、3日、世界50カ國の主要な政策研究シンクタンクのトップや専門家130人による「グローバル?シンクタンク?サミット(GTTS)2017」を橫浜市で開催した。寫真は3日の會議。

アジア開発銀行研究所(ADBI、吉野直行所長)は、米ペンシルバニア大學との共催で5月2日、3日、世界50カ國の主要な政策研究シンクタンクのトップや専門家130人による「グローバル?シンクタンク?サミット(GTTS)2017」を橫浜市のパシフィコ橫浜の會議センターで開催した。中國経済について、サービスと消費が主導(dǎo)し、6%臺後半を維持するとの見方が示された。

今回のGTTSは、4日から7日まで同じ會場で開催される第50回アジア開発銀行(ADB)年次総會にリンクしたもの。同サミット會合の共通テーマは、「アジアおよび世界の持続的発展に向けたバランスのとれた成長の実現(xiàn)――シンクタンクの役割は何か」。このテーマに沿って、いま世界的に問われるグローバリゼーション下の格差問題への対応、人口の高齢化が今後進む中での経済成長の実現(xiàn)?維持策など多岐にわたる課題について、議論を行った。

同サミット初日の2日午前には日本銀行の黒田東彥総裁が基調(diào)講演。「ADBの設(shè)立から50年経ち、多くのメンバー國が低所得國から中所得國となり、絶対的貧困は劇的に改善された」と指摘した上で、教育や健康の水準を勘案した「多面的貧困」という定義に基づくと、世界で15億人が該當し、その6割程度は南アジアを中心としたアジア地域に居住していると懸念した。

2日目の3日午前には中尾武彥アジア開発銀行総裁、中國社會科學院シニアフェローの余永定氏らによる「アジアにおける持続的成長の障害を克服する課題は何か」をめぐってパネルディスカッションが行われた。

中尾総裁はアジア開銀創(chuàng)設(shè)以來の50年間でアジアの開発途上國は全體として堅調(diào)な成長を達成したと強調(diào)。中國経済はやや減速するものの6%臺後半を維持。サービスと消費が主導(dǎo)する経済に移行しつつあり、都市化が進行する中で、構(gòu)造改革が進展中との見方を示した。

アジアの成長の要因として中野総裁は、インフラへの投資、教育や保健など人的資本への投資、マクロ経済の安定、開放的な貿(mào)易?投資體制、民間セクターの促進、政府のガバナンス(統(tǒng)治)、將來ビジョン?戦略、政治や治安の安定など8つの條件が満たされた點を列挙した。中南米など他の開発途上地域に比べ、これらの長所が際立っているとも指摘した。

余永定中國社會科學院シニアフェローは、中國経済について「過剰?fù)顿Y、不動産バブル、格差拡大、シャドーバンキング(影の銀行)など課題は多い」と懸念しながらも、「高速経済成長から質(zhì)を重視した経済成長への移行の踴り場にある」と強調(diào)。潛在成長率は7%程度あり、この水準の実質(zhì)成長率達成は可能との見方を示した。また、経済成長の條件として「社會全體の進歩?安定や世界の平和」を挙げた。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務(wù)取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會見。東京都日中友好協(xié)會特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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