中國(guó)ではこのところ、自國(guó)が開(kāi)発したステルス戦闘機(jī)「J?20（殲?20）」のエンジン國(guó)産化に対する注目が高まっている。J?20にはこれまで、ロシア製ターボファンエンジンのAL?31シリーズが搭載されてきた。

大きく注目を集めた報(bào)道の一つが、中國(guó)中央電視臺(tái)（CCTV）が25日に放送したターボファンエンジン「WS?15（渦扇）」の開(kāi)発過(guò)程を紹介する番組だ。番組內(nèi)で「WS?15はJ?20用のエンジン」と明言されたためだ。

中國(guó)の軍関連情報(bào)は秘密主義の傾向が強(qiáng)い。武器開(kāi)発についても公式な発表が少なく、「出所不明」の情報(bào)が広まることが多い。後になり「事実を反映」または「ほぼ事実だった」と分かり、何らかの意図で軍が情報(bào)を漏らしていたと考えられるケースも多いが、軍事ウオッチャーやマニアはインターネットなどで広まった各種情報(bào)の信憑性についても議論を繰り広げることになる。

國(guó)営メディアである中國(guó)中央テレビなどは「官方媒體（當(dāng)局メディア）」と呼ばれており、報(bào)道內(nèi)容は公式発表に等しい意義があるとみなされている。これまでもWS?15はJ?20用のエンジンとされていたが、中國(guó)中央テレビの報(bào)道で改めて確実になったと注目された。

中國(guó)メディアの捜狐は27日、最近になりロシアでも「中國(guó)のWS?15は基本的に完成した」との報(bào)道があったと紹介する記事を発表した。同記事は中國(guó)中央テレビの番組も踏襲した上で、WS?15の最大推力は161．8キロニュートンで、米ステルス戦闘機(jī)のF?22が搭載するプラット?アンド?ホイットニーF?119の156キロニュートンより大きいと紹介?！竁S?15に換裝したJ?20は速度と航続距離の面で現(xiàn)在より相當(dāng)に向上する。もはや超音速巡航は米ロの主導(dǎo)ではない」などと論じた。

しかしWS?15については楽観的な見(jiàn)方ばかりが報(bào)じられているわけではない。同じく中國(guó)メディアの新浪網(wǎng)は29日、航空エンジンの開(kāi)発パターンなどを踏まえ「WS?15がJ-20の動(dòng)力となる大任を果たすのはまだ難しい?，F(xiàn)段階でロシア製エンジンを用いるのはやむを得ない必然」と題する記事を発表した。

同記事は、中國(guó)中央テレビの25日放送の番組について、WS?15製作の現(xiàn)場(chǎng)風(fēng)景や、J?20の飛行する姿は紹介されたが、「厳密に言えばJ?20にWS?15がすでに用いられているかどうかは示さなかった」と指摘。現(xiàn)在もJ?20に搭載されているエンジンはロシアのAL?31シリーズの中で比較的新しい改良型のAL?31F?M1との見(jiàn)方があると紹介した。

航空エンジンの開(kāi)発で欠かせないのが、上空を飛行中のさまざまな條件を地上の設(shè)備で作り出して運(yùn)転試験を行う高空性能試験だ。新浪網(wǎng)によると、WS?15の高空性能試験は2009年に完了する予定だったが、08年の四川大地震の影響もあり大幅な遅れが出たという。

同記事はさらに、新たな航空エンジンを開(kāi)発するためには、原型エンジンと量産型エンジンを製作し、地上実験や高空性能試験、さらに実際の機(jī)體に搭載しての試験を繰り返さねばならないので、開(kāi)発には短くても10年、長(zhǎng)ければ20年以上の時(shí)間が必要になると指摘した。

中國(guó)における過(guò)去の事例としては、1980年代に計(jì)畫(huà)が立てられたWS?10の開(kāi)発には約20年もの時(shí)間がかかったと指摘。同エンジンは中國(guó)がロシアのSu?27をベースにして開(kāi)発したJ?11B戦闘機(jī)に搭載されることになったが、使用開(kāi)始後にも信頼性の問(wèn)題を起こしたのでエンジンを搭載できないJ?11Bが大量に発生する事態(tài)が発生した。記事は、航空エンジンの開(kāi)発が困難を伴うのは中國(guó)に限ったことではなく、米國(guó)でも新型エンジンの投入が當(dāng)初予定より遅れたことがあると紹介した。

中國(guó)では3月9日、「J?20が空軍部隊(duì)に配備された」との報(bào)道があった。記事はJ?20の配備について、全面的なものでなく空軍部隊(duì)が試験運(yùn)用している段階との見(jiàn)方を示し、米軍や米國(guó)の同盟國(guó)が米ステルス戦闘機(jī)のF?22やF?35の配備を進(jìn)めている現(xiàn)狀を考えれば、中國(guó)はJ?20の「実戦力化」を早急に進(jìn)めねばならず、現(xiàn)狀では成熟して信頼できるロシア製のエンジンを使用するのが極めて現(xiàn)実的な選択だと主張した。（翻訳?編集/入越）