Record China 2008年4月30日(水) 10時42分
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オリンピックになくてはならない存在がある。大會の運(yùn)営の主要な部分を擔(dān)うボランティアだ。北京五輪におけるボランティアの重要度は、日本のそれとは比べ物にならないほどだ。寫真は3月開かれた「夏季パラリンピック」の市民ボランティア養(yǎng)成講座。
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■■■■■2008年04月25日■■■■■
【その他の寫真】
文句のハケ口…深夜の殘業(yè)、それでも頑張るボランティア達(dá)
オリンピックになくてはならない存在がある。
大會の運(yùn)営の主要な部分を擔(dān)うボランティアだ。各種の大型スポーツ大會で、ボランティアが運(yùn)営の一翼を擔(dān)うスタイルは、日本でも、今や一般的になりつつあるが、北京五輪におけるボランティアの重要度は、日本のそれとは比べ物にならないほどだ。
會場の観客誘導(dǎo)、メディア対応、保安業(yè)務(wù)、交通整理、試合進(jìn)行、通訳などは元より、表彰式のコンパニオン、試合の合間のチアーダンス、そして醫(yī)療スタッフの補(bǔ)助なども全てボランティア。體のいい経費(fèi)削減策という見方もあるが、特に技術(shù)を持たない學(xué)生ボランティアなどは、10倍?20倍の競爭率を勝ち抜いてきたある意味のエリートだし、コンパニオンは北京中の“美女”を集めて、郊外の養(yǎng)成學(xué)校で研修を続けているという徹底ぶりである。
バスケットボールのテスト大會4日目の23日、會場では一風(fēng)変わった記者會見が開かれた。いつもの『何とか連盟』の偉いさんが並ぶものではなく、『ボランティア』に関する記者會見で、主役は大學(xué)生ボランティアたちだ。
最初に擔(dān)當(dāng)者が今大會のボランティアの狀況を説明した後は、ボランティアの代表者が各自の今の思いを語るというもので、私が久々に“一生懸命”耳を傾けた記者會見となった。
現(xiàn)在、北京で行われているバスケットボールの五輪テスト大會では876名のボランティアが働いている。市內(nèi)16大學(xué)から集まった學(xué)生が主となって、中國一の人気種目のテスト大會を支えている。
メディア擔(dān)當(dāng)の劉梅麗さんは中國伝媒(メディア)大學(xué)の2年生?!簩恧嫌浾撙摔胜辘郡ぁ护饶郡蜉xかせる彼女は、大會期間中、全世界からやってくる新聞?テレビの記者やカメラマンの対応をする。ただ「メディア対応」といえば聞こえはいいが、決して楽ではない。
「メディアの人が保安チェックの後に出會うのが私たち。今はチェックがかなり厳しくなっていて、気分を悪くするらしく、いつも愚癡を言われるんですよ」
中國の警備員というのは評判があまりよろしくない。態(tài)度は偉そうでぶっきらぼう。體を弄られて金屬探知機(jī)を當(dāng)てられたり、カバンをゴソゴソとやられるだけでも気分悪いのに、そんな態(tài)度で接されれば當(dāng)然、気分を害している。ところが、理不盡なことに、そのとばっちりが最初に出會う彼女達(dá)にくるというのだ。
「けれども、笑顔で“ごめんなさい”って言うんです。これも安全のためだから、って。それも私たちの仕事だから」
くったくない笑顔でそう語る彼女。
彼らがここで體験することは「ただで試合が見られる」といった楽しいことばかりではない。いやむしろ、観客やメディアから苦情を受けたり、文句を言われたり、まるでサンドバックのようになっている光景もよく見かける。もちろん、その中には癇癪を起こしてしまう學(xué)生もいるが、「不好意思(すみません)」と何度も頭を下げながら、理解を求めようと頑張っている學(xué)生が多い。
これも研修の賜物かもしれないが、一人っ子世代で、「小皇帝」として育てられた彼らがオリンピックという大舞臺でちょっとした試練を受けることは、彼らに人生に大きな意味合いがあるだろう。
この北京五輪に向けたテスト大會が始まってから、僕が一貫して感じているのは、ここのボランティアを経験した大學(xué)生たちがこれまでの中國人像を一変させるのではないか、ということだ。これまでの中國人像とは、とかく先ほどの警備員のよう…つまりぶっきらぼうで笑顔がないというイメージだった。
けれども、このテスト大會では、「ボランティアの笑顔は北京の“名刺”」をキャッチフレーズにして、『笑顔』と『挨拶』で接するよう努力している。もちろん、性格の問題もあるので、個人差もあるが、少なくとも、これまで北京でほとんど受けたことのなかった『笑顔のサービス』があり、私自身が最初は逆にとまどいを覚えるくらいだった。
日本のスポーツ界でも「オリンピック世代」という言葉があるが、北京の彼らの年代はまさに五輪を経験した貴重な世代として、これからの新しい中國人のイメージを作っていくのではないかと思う。
昨日も夜中の2時ごろまで“殘業(yè)”していたという彼ら。報(bào)酬は、毎日のお弁當(dāng)と交通費(fèi)の數(shù)百円だけ。真夏の北京五輪では、外で活動する交通整理や道案內(nèi)のボランティアなど、本當(dāng)に大変だろう。それで得られるのは「祖國に貢獻(xiàn)したという達(dá)成感と栄譽(yù)(ボランティアの一人)」というが、そんな教科書どおりの結(jié)論を出さなくても、彼らには十分、得られるものがあると思う。
チベット問題、大気汚染、食品安全などから、ただ否定的に北京五輪を見る風(fēng)潮が日本では一般的のようだが、その視點(diǎn)には何かが欠けているような気がする。
もっともっと“人間”に目を向けて欲しい、五輪に攜わる一人一人の思いに耳を傾けて欲しい、と心から思うのだが…。やはり難しいのだろうか。
<注:この文章は筆者の承諾を得て個人ブログから転載したものです>
■筆者プロフィール:朝倉浩之
奈良県出身。同志社大學(xué)卒業(yè)後、民放テレビ局に入社。スポーツをメインにキャスター、ディレクターとしてスポーツ?ニュース?ドキュメンタリー等の制作?取材に関わる?,F(xiàn)在は中國にわたり、中國スポーツの取材、執(zhí)筆を行いつつ、北京の「今」をレポートする中國國際放送などの各種ラジオ番組などにも出演している。
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