“新零售”（ニューリテール）という概念は、2016年に登場(chǎng)した。提唱したのはアリババ創(chuàng)業(yè)者のジャック?マー前會(huì)長(zhǎng)である。京東の創(chuàng)業(yè)者?劉強(qiáng)東CEOも“無(wú)界零售”を提唱したが、定著したのは新零售の方だった。両者の影響力の差が如実に現(xiàn)れた。それはともかく、新零售の実態(tài)とは何だろうか。中商産業(yè)研究院の最新報(bào)告から、現(xiàn)狀と將來(lái)について探ってみよう。

■新零售とは何か

?新零售は、すでにネット辭書(shū)に掲載されている。

新零售とは、ビッグデータ、AI等の先進(jìn)技術(shù)手段を用い、商品の生産、流通過(guò)程をアップグレードし、業(yè)態(tài)とエコシステムの刷新を重ね、オンラインサービスとオフライン店での購(gòu)買(mǎi)體験、及び現(xiàn)代物流を高度に融合させた新しい小売モデル、とある。わかりにくいが、最終的にオンラインとオフラインを融合させ、どこにいても同レベルのサービス提供を目指すことである。

これをサプライチェーンから見(jiàn)ると、“データ駆動(dòng)型”小売形態(tài)といえる。大量のデータが、人、モノ、場(chǎng)所、3者の関係を、否応なく再構(gòu)築していくのだ。

■コロナ禍が後押し？

?コロナ禍は、販売チャンネルに大きな変化をもたらした。

中國(guó)は2013年以來(lái)、世界最大のネット通販?zhǔn)袌?chǎng)となった。2020年の上半期、ネット通販売上は5兆1501億元、前年比7．3％増加し、小売総額に占める比率は25．2％となった。ちなみに日本は6．76％（2019年）に過(guò)ぎない。中國(guó)のネット通販ユーザー規(guī)模は2020年6月現(xiàn)在、7億4900萬(wàn)人、3月に比べ3912萬(wàn)人も増加した。防疫體制がユーザーを大きく底上げしたのは、間違いない。（1元＝15.82円）

防疫期間中の生鮮食品のケースを見(jiàn)てみよう。（複數(shù)選択）

?伝統(tǒng)的農(nóng)貿(mào)市場(chǎng)（小出店者の集合）58．5％→30．6％

?食品スーパー　48．4％→45．7％

?総合スーパー　49．1％→53．2％

?生鮮ネット通販　15．5％→33．1％

?社區(qū)コミュニティ生鮮店　21．8％→41．0％

?社區(qū)共同購(gòu)入　2．0％→11．9％

生鮮ネット通販と社區(qū)団購(gòu)が最も伸びている。いずれも新零售に大きく関わる販売チャンネルだ。以下、この2つを分析していこう。

■生鮮電商（ネット通販）の分析

生鮮電商は、意欲的な事業(yè)者の登場(chǎng)が相次ぐ、成長(zhǎng)市場(chǎng)。

若者層の消費(fèi)習(xí)慣変化、低溫物流技術(shù)の進(jìn)化により、生鮮食品の新零售は新しい局面を迎えている。2019年の生鮮ネット通販売上は3225億元、前年比49．4％の大幅増だった。2020年は4600億元を見(jiàn)込まれている。近年、オンラインで生鮮を販売する特色ある業(yè)態(tài)が、次々に登場(chǎng)している。

アリババ系…盒馬生鮮、安鮮達(dá)、天貓生鮮、易果生鮮、大潤(rùn)発優(yōu)鮮

京東系…京東到家、7fresh、永輝超市、ウォルマート中國(guó)

テンセント系…毎日優(yōu)鮮、永輝超市、超級(jí)物種、愛(ài)鮮峰鮮

美団系…小象生鮮、掌魚(yú)生鮮、愛(ài)鮮峰鮮

百度系…百優(yōu)品、中糧我買(mǎi)網(wǎng)

店舗を持つ持たないなど、形態(tài)は千差萬(wàn)別で非常に興味深い。ただし主要プレイヤーは、上記の通り、大手の系列下にある。ネットインフラとビッグデータが不可欠なのだ。

■社區(qū)団購(gòu)（Community group buying）の分析

?社區(qū)団購(gòu)は、無(wú)數(shù)に存在可能な業(yè)態(tài)。

2020年の上半期は、直播電商（ライブコマース）の大ブームが起こった。その影に隠れていたが、社區(qū)団購(gòu)も進(jìn)化を遂げていた。社區(qū)団購(gòu)とは、コミュニティ居住者グループによる共同消費(fèi)行動(dòng)を指す。そしてショップ側(cè)はコミュニティに対し、共同購(gòu)入への優(yōu)待活動(dòng)を行う。これを大規(guī)模に行う形態(tài)を社交電商といい「拼多多」「聚美優(yōu)品」などが全國(guó)大手である。社區(qū)団購(gòu)はもっと小型で、最有力の「十薈団」は全國(guó)100都市の展開(kāi)だ。一方、地元商品だけでOKなら、SNS（WeChat）と有力な団長(zhǎng)（リーダー）さえそろえば、即開(kāi)業(yè)可能な業(yè)態(tài)でもある。全國(guó)にいくつあるか、正確なデータはとても把握できないだろう。

防疫期間中は、その社區(qū)団購(gòu)が　2．0％から11．9％へと大幅に増加した。都市封鎖された武漢の湖北省だけでなく、江蘇省、山東省、黒竜江省などで大きく伸びている。武漢市でのシェアは41％にも及んだ。野菜5．9萬(wàn)トン、鮮魚(yú)4000トン、たまご4000トンを供給、一時(shí)的ながら、ライフラインと化し、有用性を証明した。

■新物流と連攜

ジャック?マーは、新零售の他に、新制造、新金融、新技術(shù)、新資源の計(jì)5つの概念を提唱した。この中で新零售と最も親和性の高いのは、新物流だろう。その要は、“物流前置”つまり注文前の商品を、予測(cè)に基づき最も近い倉(cāng)庫(kù)へ前もって配置することにある。そして豊富、正確、新鮮、敏捷の各テーマの下、ラストワンマイルの配送効率を高める。

天貓超市、毎日優(yōu)鮮は、展開(kāi)都市全域で1時(shí)間以內(nèi)配送、盒馬生鮮は、店舗周辺3キロ以內(nèi)の範(fàn)囲に5000SKUの商品を即時(shí)配送する。超級(jí)物種、7freshも3キロ以內(nèi)である。どの企業(yè)も、より正確に配達(dá)可能な範(fàn)囲設(shè)定による、即時(shí)性の向上を目指している。これらのデータ蓄積が、消費(fèi)者體験の向上、ひいては新零售の魔法の杖となるという。

■まとめ

実質(zhì)新零售元年の2017年、新零售の市場(chǎng)規(guī)模は389億元だった。それが2022年には、1兆8000億元を突破すると見(jiàn)られている。新零售は、ネット通販の再構(gòu)築や、社區(qū)団購(gòu)などにより、新たな発展の原動(dòng)力を獲得し続けている。直近では“新制造”の一種といえるC2M（Customer-to-Manufacturer）モデルとの連攜が、もう1つの焦點(diǎn)だ。中國(guó)の新零售は上半期、次々に新機(jī)軸を打ち出していた。どこまで変化するのか、しっかり見(jiàn)極めたい。

■筆者プロフィール：高野悠介

1956年生まれ、早稲田大學(xué)教育學(xué)部卒。ユニー株（現(xiàn)パンパシフィック）青島事務(wù)所長(zhǎng)、上海事務(wù)所長(zhǎng)を歴任、中國(guó)貿(mào)易の経験は四半世紀(jì)以上?，F(xiàn)在は中國(guó)人妻と愛(ài)知県駐在。最先端のOMO、共同購(gòu)入、ライブEコマースなど、中國(guó)最新のB2Cビジネスと中國(guó)人家族について、ディ－プな情報(bào)を提供。著書(shū)：2001年「繊維王國(guó)上?！箹|京図書(shū)出版會(huì)、2004年「新?繊維王國(guó)青島」東京図書(shū)出版會(huì)、2007年「中國(guó)の人々の中で」新風(fēng)舎、2014年「中國(guó)の一族の中で」Amazon Kindle。