「房奴」（住宅ローンを抱えている人）、「車奴」（自動車ローンを抱えている人）に続いて、近年、「孩奴」（子どもの生活や教育費(fèi)用に苦しむ人）という言葉が新しく生まれた。この言葉は、中國での子育てがすでに高コストになった現(xiàn)実を示している。

このような高コストの問題は中國だけではなく、他國の保護(hù)者も同様に直面している問題だ。最近、HSBCが世界15カ國?地域で行ったアンケートによると、小學(xué)校から大學(xué)まで、子ども一人當(dāng)たりにかかった費(fèi)用は4．4萬ドル（約500萬円）に達(dá)したという。アラブ首長國連邦と米國を除けば、ランキングトップのほとんどは華人を主とする國と地域だ。香港の保護(hù)者は13．2萬ドルの教育支出で世界第1位に立ち、シンガポール、臺灣と中國大陸はそれぞれ7萬、5．6萬、4．3萬ドルで第3位、第5位と第6位だった。

グローバル化が進(jìn)んでいる現(xiàn)在、子どもに國際的な教育を受けさせたいと思う保護(hù)者が増えている。保護(hù)者のうち、子どもを海外の大學(xué)に通わせたいという人は4割。中國大陸と香港の保護(hù)者では、その割合が54％、53％とさらに高くなった。

子どもを留學(xué)させるなら、どの國が良いのだろう？アンケートを受けた保護(hù)者の中では、米國、オーストラリア、英國などが留學(xué)先としての主要な目的地で、その割合はそれぞれ47％、40％と39％だった。周知のとおり、これらの國の教育レベルは世界でも右に出る國がないほど優(yōu)れている。どのような種類の世界大學(xué)ランキングを見ても、トップ200に英國、米國とオーストラリアの大學(xué)は頻繁に見られるのだ。

資金投入と海外留學(xué)のほかに、子どもの將來の成功のために、82％の保護(hù)者はさらに自己を犠牲にする準(zhǔn)備をしている。HSBCのアンケートによると、子どものためにすでに自分の時(shí)間を失ってしまったと示した保護(hù)者は31％で、また個(gè)人的な娯楽活動や休日を放棄した、または大量に減らした保護(hù)者は25％だった。さらに、香港と中國大陸では、その割合は37％と33％に上ったのだ。

「家庭教師大國」と呼ばれるシンガポールには「kiasui」という言葉がある。中國福建省の方言から生まれたこの言葉の意味は「負(fù)けるのが怖い」だ。この恐怖意識は競爭圧力の増加につれてシンガポールでさらに強(qiáng)いものとなっている。保護(hù)者は子どもの成績を見つめながら、他人に遅れないよう子どもに幾つもの塾に行かせている。

成績と塾を重要視するほかに、得意分野を育てることで子どもの競爭力を向上させることにも熱心だ。趣味への投資は家庭支出増大の主な原因となった。また、北京や上海、広州の大都市では、大量なお金を使って「學(xué)區(qū)房」（學(xué)校付近の住宅）を買う保護(hù)者も大勢いる。子どもをスタートラインで負(fù)けさせたくないとの考えからだ。

このアンケートに參加した中國の保護(hù)者はほとんどが珠江デルタを代表とする大中都市からの人であり、経済狀態(tài)の良い中間層および上流階級だと言える。子どもの教育に対する焦りと重視は彼らの不安を表している。保護(hù)者は自分より経済に余裕のある家庭に負(fù)けたくない。同時(shí)に、昇進(jìn)ルートが少ない家庭背景にあっても、教育の投資で子どもに自分と同じ階層を保持させ、下流にならないと考えている。

人気ドラマ「小別離」（小さな別れ）にこのようなせりふがある?！袱ⅳ胜郡膝去氓?00位に入れないと、名門高校に入れない。名門高校に入れないと、名門大學(xué)に入れない。名門大學(xué)に入れないと、あなたの人生は終わりだ」。極端な考え方かもしれないが、中國の保護(hù)者の聲を生々しく表現(xiàn)している。

特に貧しい家庭の子どもにとって、教育への投資は彼らの運(yùn)命を変える最も可能性のある手段であり、ひいては唯一の手段と言えよう。しかし、社會階層が固まりつつある現(xiàn)在では、教育階層もさらに固まるようになっている。大都市では、子どもを英國か米國かに留學(xué)させることに悩んでいるのに対し、貧しい農(nóng)村では、子どもが學(xué)校をやめて出稼ぎに行くかもしれない。（提供/環(huán)球網(wǎng)?編集/インナ、黃テイ）