新華社は24日、中國共産黨中央が同黨重慶市委員會トップだった孫政才前書記を重大な黨紀(jì)違反の疑いで取り調(diào)べることを決定したと発表した。同発表が孫氏に「同志」の敬稱をつけていたことに注目が集まると、新華社はさらに「取り調(diào)べを受ける者に対しての黨による教育の過程」などとする共産黨の見解を報じた。

「同志」とは「志を同じくする黨員」を意味する敬稱であり、身分の上下に関係なく用いられる。例えば、習(xí)近平國家主席（共産黨総書記）に対して「習(xí)近平同志」との言い方が用いられることも珍しくない。逆に要職にあった黨員の呼稱から「同志」が外されることは、「共産黨の敵」とみなされ政治生命を斷たれたことを意味する。

孫前書記は胡錦濤前國家主席に近い立場であり、一時は2022年に発足するはずの「ポスト習(xí)近平」政権の擔(dān)い手の有力候補(bǔ)とされていた。しかし習(xí)主席は人事において自らの腹心を重用する作業(yè)を続けてきた。共産黨の重慶市委員會で孫前書記の後任になった陳敏爾氏は、習(xí)主席の腹心中の腹心とされている。そのため、重慶市委員會トップである書記の交代劇の本質(zhì)は権力闘爭だとの見方が強(qiáng)い。

孫前書記についてはさらに、取り調(diào)べの発表時に「同志」の敬稱が付けられたことに注目が集まった。孫前書記を擁護(hù)する勢力の働きかけの結(jié)果とも解釈できるからだ。だとすれば、孫前書記をめぐって、「権力闘爭の際どい綱引き」が続いている可能性が出てくる。

新華社が孫前書記の「取り調(diào)べ」を報じたのは24日午後6時（日本時間同日午後7時）だった。新華社は続けて同日午後8時ごろ、孫前書記に「同志」の敬稱をつけたことについて、共産黨紀(jì)律検査委員會第二紀(jì)検監(jiān)察室の発表として、取り調(diào)べ期間中は依然として共産黨員の身分を持っており、同志の呼稱をつけるべきと報じた。

紀(jì)律検査委員會第二紀(jì)検監(jiān)察室はさらに、規(guī)律をめぐる黨內(nèi)の取り調(diào)べは「深く詳細(xì)な思想政治工作を通じて、取り調(diào)べを受ける者を深く反省させ、罪を認(rèn)識させ、問題を供述させる黨による教育過程」などと説明した。

新華社の同記事は、共産黨紀(jì)律検査委員會が22日に、孫政才前書記の件には絡(luò)めずに黨による取り調(diào)べの期間中には「同志」の呼稱を殘すと発表した文章の再録。しかし最近の例として、共産黨紀(jì)律検査委員會が吉林省糧食有限公司共産黨委員會の孟祥久元書記に対する取り調(diào)べを発表した時（21日）、內(nèi)モンゴル自治區(qū)ホロンボイル職業(yè)技術(shù)學(xué)院共産黨委員會の金星元書記に対する取り調(diào)べを発表した時（24日）には、いずれも「同志」の敬稱を用いていない。（翻訳?編集/如月隼人）