フィリピンメディア「フィリピン?スター」は7月31日、同國(guó)のセイ労働副大臣が自國(guó)民の家事労働者の受け入れについて、中國(guó)側(cè)と協(xié)議していることを明らかにしたと報(bào)じた。最低賃金は月額10萬(wàn)フィリピンペソ（約22萬(wàn)円）程度の方向だという。

セイ労働副大臣によると、中國(guó)大使館スタッフが同國(guó)労働省を訪れてこの問(wèn)題について協(xié)議した。中國(guó)側(cè)は北京、上海、福建省?廈門(mén)（アモイ）など大都市5カ所に限ってフィリピン人家事労働者を受け入れる考えで、賃金については月額10萬(wàn)フィリピンペソを想定しているという。

記事は詳しく報(bào)じていないが、各國(guó)が外國(guó)人労働者を受け入れる際には自國(guó)民労働者とは別に自國(guó)通貨建ての最低賃金を設(shè)定する場(chǎng)合があり、中國(guó)側(cè)も人民元建てで10萬(wàn)フィリピンペソに相當(dāng)する額の最低賃金を検討していると考えられる。

セイ労働副大臣は、中國(guó)の代表団が9月にフィリピンを訪れてさらに進(jìn)んだ協(xié)議を行うと説明。中國(guó)側(cè)はフィリピン人の英語(yǔ)能力にも注目し、フィリピン人が中國(guó)人家庭で仕事をすれば中國(guó)人の子どもの英語(yǔ)力の向上にも効果があると考えているという。

香港メディアの蘋(píng)果日?qǐng)?bào)（アップル?デイリー）は、大陸でのフィリピン人家事労働者の賃金が香港での外國(guó)人労働者の法定最低賃金の月額4310香港ドル（約6萬(wàn)円）よりもはるかに高いことに注目。実際の受け入れ人數(shù)にもよるが、中國(guó)が高額報(bào)酬で家事労働者としてフィリピン人を受け入れることになれば、周辺國(guó)の家事労働の賃金相場(chǎng)が影響を受ける可能性も否定できない。

中國(guó)の周辺で東南アジアからの家事労働者を多く受け入れていると地域としては、香港以外に臺(tái)灣を挙げることができる。ただし蘋(píng)果日?qǐng)?bào)によると、臺(tái)灣政府?労働力発展署の関係者は中國(guó)によるフィリピン人家事労働者の受け入れは、臺(tái)灣には影響を及ぼさないとの見(jiàn)方を示した。

臺(tái)灣における外國(guó)人家事労働者に対する最低賃金は、手當(dāng)を含めて月額2萬(wàn)臺(tái)灣ドル（約7萬(wàn)3000円）で、中國(guó)のフィリピン人家事労働者受け入れで想定されている賃金よりもかなり低い。ただ、臺(tái)灣で働く外國(guó)籍労働者は41萬(wàn)人でうちフィリピン人は11萬(wàn)3000人だが、家事労働者は數(shù)百人と極めて少ないので影響はないという。なお、臺(tái)灣の外國(guó)人家事労働者のうち、最も一般的に見(jiàn)られるのはインドネシア人だ。

2016年に就任したフィリピンのドゥテルテ大統(tǒng)領(lǐng)は発言に「ブレ」があるものの、基本的にはアキノ前政権時(shí)に南シナ海における領(lǐng)有権問(wèn)題などにより極めて険悪化した中國(guó)との関係を修復(fù)し、中國(guó)に歩み寄ることで経済的利益などを引き出す方針を取っている。

家事労働を含む労働力の輸出はフィリピンにとって重要な外貨獲得手段で、海外からの送金額は金融市場(chǎng)などの動(dòng)向を判斷するための経済指標(biāo)にもされている。中國(guó)によるフィリピン人家事労働者の受け入れが実現(xiàn)すれば、ドゥテルテ大統(tǒng)領(lǐng)は中國(guó)との協(xié)調(diào)路線により、経済面における成果を一つ引き出したことになる。（翻訳?編集/如月隼人）