馬英九（マー?インジウ）政権下で中華民國（臺灣）総督府副秘書長などを務めた羅智強（ルオ?ジーチアン）氏は9日、フェイスブックに「中國大陸が臺灣を武力統(tǒng)一する可能性が皆無でなくなってきた」と書き込んだ。臺灣ではこのところ、「武力統(tǒng)一」に対する懸念が高まっている。

羅氏は1970年生まれで、國民黨の將來を擔う人物の一人とみなされている。フェイスブックに「私は以前、臺灣が法的な獨立宣言さえしなければ（中國大陸側(cè)による）武力統(tǒng)一はありえないと斷言していた。しかし、現(xiàn)在は予想可能な將來の範囲內(nèi)ではあるが、武力統(tǒng)一の可能性は『高くない』との認識だ」「武力統(tǒng)一はありえないと信じることはできない」などと書き込んだ。

羅氏は危険な兆候として、大陸側(cè)で臺灣を敵視する世論が高まっていると指摘?！该裰鞯恼误w制であろうと非民主的體制であろうと、政府は人民の感情を映し出す鏡だ」「大陸當局も（民衆(zhòng)の聲）に連帯して、衝突の度合いを高める可能性がある」と論じた。

羅氏は、臺灣獨立を強く主張する勢力を「口先の戦士」と批判。大陸側(cè)が武力統(tǒng)一をする具體的動きが出れば「開戦前に米國に逃げて亡命政府を樹立し、臺灣獨立の口先攻撃を続けることを保障する」などと書き込んだ。

羅氏のこの書き込みは、中時電子報などの臺灣メディアや環(huán)球網(wǎng)、新浪網(wǎng)などの中國メディアが紹介している。

2016年に蔡英文（ツァイ?インウェン）政権が発足して以來、中國は同政権が「一つの中國」の原則を認めていないとして、臺灣側(cè)との対話の停止や、政治面の各種圧力、軍事分野における威嚇などを繰り返している。そのため、臺灣では大陸による武力統(tǒng)一の可能性に対する懸念が発生した。

10月になってからは、武力統(tǒng)一についての懸念や関心がさらに高まった。第19回中國共産黨全國代表大會（黨大會）が18日に始まることが影響していると考えられる。中國共産黨は5年に一度の黨大會の前には、表立った動きを示さないことが通例で、大會後に思い切った動きを示すことが多いからだ。ただし中臺の専門家の多くは現(xiàn)在のところ、全面的な武力衝突の可能性は高くないとの見方を示している。

中時電子報は9日、大陸側(cè)の臺灣研究會の王在希（ワン?ザイシー）副會長が、臺灣問題について「最終的に『和』か『戦』か。鍵を握るのは臺灣當局」と述べたと報じた。王副會長は武力統(tǒng)一の可能性を完全には否定しなかったが、「臺灣側(cè)が遠慮なく『脫中國化』と稱して『臺灣獨立』の分裂活動を進める」場合を想定した上で「（臺灣回教の）両岸関係が緊張していくことは避けられない。面倒な事も増えるだろう。ただし、大局はコントロール可能だろう」との考えを示したという。

自由時報は9日、臺灣側(cè)の対大陸窓口組織である海峽交流基金會の洪奇昌（ホン?チーチャン）元董事長（理事長）が、中國共産黨が第19回黨大會の後に、臺灣の武力統(tǒng)一に向かうことはないとの見方を示したと伝えた。

洪元董事長は、中國の習近平（シー?ジンピン）國家主席が優(yōu)先する戦略目標は「大國としての勃興」や軍事、経済、法治であり、臺灣統(tǒng)一も含まれるが武力統(tǒng)一を優(yōu)先しているわけではないと説明。臺灣で1947年に発生した2．28事件を挙げ、「発生後70年も経過しているが今もなお臺灣社會の問題になっている」として、中國側(cè)が臺灣を武力統(tǒng)一する道を選んだ場合「この社會がどれだけ長く、問題を殘し続けることか」と論じたという。

洪元董事長は、中國が臺灣を武力統(tǒng)一した場合、臺灣が極めて長期にわたり中國の重荷になると指摘したことになる。

2．28事件は、國民黨政権の強引な臺灣統(tǒng)治に対する不満が爆発し、1947年2月28日に臺北で民衆(zhòng)が蜂起し臺灣全土に広がった事件。國民黨はだまし討ちの形で軍を投入し、多くの臺灣人を虐殺した。犠牲者數(shù)については諸説があるが、臺灣政府は1萬8000人?2萬8000人としている。同事件に伴う戒厳令は87年まで続き、恐怖政治により多くの人が投獄?処刑された。（翻訳?編集/如月隼人）