<コラム>北朝鮮人の意外な発言「韓國が発展したことはよいこと」「戦爭(zhēng)は絶対にだめだ」

如月隼人    2017年10月18日(水) 23時(shí)30分

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北朝鮮留學(xué)生のZ君は、「これだけは言っておきたい。それは、どんな原因があっても戦爭(zhēng)は絶対によくないということだ。たくさんの人が死ぬ。あなたたちは同意するか?」と言った。寫真は北朝鮮関連の書籍。

前回に続いて、古い話題になってしまいます。1990年前後の話と思ってください。私が中國に留學(xué)していた時(shí)のことです。留學(xué)當(dāng)初は北京語言學(xué)院(現(xiàn):北京語言大學(xué))という大學(xué)で、中國語を?qū)Wぶことになりました。この大學(xué)では外國人留學(xué)生が確か3000人ほど、中國語を?qū)Wんでいました。語學(xué)教師育成などで中國人學(xué)生もいましたが、外國人が圧倒的に多い大學(xué)です。

世界中から學(xué)生が來ていました。中國語を?qū)Wぶかたわら、日本での生活では出會(huì)うことの少ない國の人と交流できたことは貴重な経験です。エジプトからの留學(xué)生、シエラレオネからの留學(xué)生、ユーゴスラビアからの留學(xué)生、モンゴルからの留學(xué)生、パキスタンからの留學(xué)生など、思い出すことは數(shù)限りないのですが、ここでは北朝鮮の留學(xué)生とのエピソードをご紹介します。

私が今なぜ、突然こんなことを書き始めたかというと、最近の北朝鮮情勢(shì)について心配しているからです。もっと正確に言えば、日本人の北朝鮮人に対する「視線」が、警戒心や敵愾心(てきがいしん)で、かなり凝り固まってしまったように思うからです。

體制や體制側(cè)の行った/行いつつある行為に対する批判は當(dāng)然としても、北朝鮮の一般庶民に対して違和感だけが先行するのは、問題が大きいと考えます。彼らの考え方に、一般的な日本人と異質(zhì)な點(diǎn)は多いでしょうが、普通の人としての気持ちの基盤には共通點(diǎn)がとても多いと理解せねばならないと思います。

もちろん、テレビで繰り返し放送される北朝鮮における「あまりにも人工的な政治イベント」や、一般人の米國に対する憎しみにあふれた非難に接すれば違和感を覚え、「洗脳されてしまった救いがたい人々」と思えてしまうのも無理はない。ただ、彼らの本音はどうなのか。本當(dāng)のところの人柄や考え方はどうなのか。報(bào)道ではなかなか、伝わってきません。

中國には北朝鮮から大量の留學(xué)生がやってきます。中國側(cè)の負(fù)擔(dān)による公費(fèi)留學(xué)生で、事実上の北朝鮮支援で、両國の関係強(qiáng)化のためですから、今後どうなっていくかは不明ですが。とにかく私が北京にいた時(shí)には、北朝鮮からの留學(xué)生がとにかく多かった。

ということで、北朝鮮人留學(xué)生絡(luò)みのエピソードだけでもいっぱいあるのですが、今回はまず1つをご紹介しましょう。同じクラスで學(xué)んだZ君のことです。

ある日のこと、授業(yè)が終わってから教室でZ君と話していました。私ともう1人の日本人の計(jì)3人での會(huì)話です。當(dāng)時(shí)すでに、日本人には「北朝鮮は特殊な國」との認(rèn)識(shí)がありましたから、日ごろから政治的な話題は避けるようにしていましたが、その時(shí)はなぜか、北朝鮮と韓國の関係の話になった。Z君に「北朝鮮の経済は苦しい。韓國は発展した。どう思う?」と尋ねてみました。

Z君は「私は韓國が発展したことはよいことだと思っている」と言いました。これは意外でした。もちろん「どうして?」と聞いてみました。

Z君は「まず第一に、南朝鮮(韓國)が発展したのは米國が全力で援助し、優(yōu)遇したからだ。しかし共和國(北朝鮮)は、すべてを自力でやっている。だから困難は多い」と主張。そしてZ君は続けて「米國が援助してもどうにもならない國は、世界中にいっぱいある。しかし南朝鮮は発展した。これはわが民族の能力を証明したことだ。だから、よいことなのだ」と言いました。

なるほどと思いましたね。Z君の考えが北朝鮮で一般的であるかどうかはともかく、少なくともそのように考える北朝鮮人が存在することは分かりました。

會(huì)話はさらに「危ない」方向に進(jìn)みました。朝鮮戦爭(zhēng)の話題です。Z君はさすがに、怒りをあらわにしました。そして、「南朝鮮が突然、攻めてきた。大勢(shì)の人が殺された」と主張しました。これは困った。彼らはそう教育されているのでしょうが、日本人として「その通り」とは言えない?!袱い洹⒆畛酩斯イ幛皮郡韦媳眰?cè)だ」と反論しました。

Z君も譲りません。しばし反論の応酬となりました。そして、気まずい沈黙。するとZ君が「まあ、この話はやめにしよう」と言い出しました。よかった。するとZ君、「これだけは言っておきたい。それは、どんな原因があっても戦爭(zhēng)は絶対によくないということだ。たくさんの人が死ぬ。あなたたちは同意するか?」と言う。

もちろん「全面的に同意する。全く正しい」と答えました。日本人とZ君はなんとなく握手をして、その會(huì)話を終えたのでした。

現(xiàn)在の緊張した情勢(shì)では、中國にいたとしても日本人と北朝鮮人の留學(xué)生の間で、こんな會(huì)話ができるかどうかは分かりません。ただ私は、あの時(shí)のZ君の「戦爭(zhēng)はだめだ」との主張は彼の本音だったと信じています。だとしたら、多くの日本人の感じ方と同じはずです。

そして、當(dāng)時(shí)のZ君のように考える北朝鮮人は今どれだけいるのか。これも不明です。ただ、當(dāng)時(shí)の彼がそのように考えていたとするなら、とても知的で良心的だったと言えるはずです?,F(xiàn)在のトランプ大統(tǒng)領(lǐng)をはじめとする一部の西側(cè)の重要人物より、Z君の「頭の回路」の方がよほどまとも、と思えてなりません。

■筆者プロフィール:如月隼人

日本では數(shù)學(xué)とその他の科學(xué)分野を勉強(qiáng)したが、何を考えたか北京に留學(xué)して民族音楽理論を?qū)煿?。日本に戻ってからは食べるために編集記者を稼業(yè)とするようになり、ついのめりこむ?!钢袊慰諝荨工蛘i者の皆様に感じていただきたいとの想いで、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執(zhí)筆。

■筆者プロフィール:如月隼人

1958年生まれ、東京出身。東京大學(xué)教養(yǎng)學(xué)部基礎(chǔ)科學(xué)科卒。日本では數(shù)學(xué)とその他の科學(xué)分野を勉強(qiáng)し、その後は北京に留學(xué)して民族音楽理論を?qū)煿?。日本に戻ってからは食べるために編集記者を稼業(yè)とするようになり、ついのめりこむ。毎日せっせとインターネットで記事を発表する?!钢袊慰諝荨工蛘i者の皆様に感じていただきたいとの想いで、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執(zhí)筆。中國については嫌悪でも惑溺でもなく、「言いたいことを言っておくのが自分にとっても相手にとっても結(jié)局は得」が信條。硬軟取り混ぜて幅広く情報(bào)を発信。

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