黃 文葦 2017年10月20日(金) 15時50分
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「茶館」という言葉は、日本人にはあまり耳慣れないかもしれない。中國では「茶館」は伝統(tǒng)文化の一つだと認(rèn)識されている。寫真は筆者提供。
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「茶館」という言葉は、日本人にはあまり耳慣れないかもしれない。中國では「茶館」は伝統(tǒng)文化の一つだと認(rèn)識されている。宋代、飲茶の習(xí)慣の普及とともに都市部に多くつくられ、庶民の交流?娯楽の場となった。
【その他の寫真】
私の故郷福建省は中國有數(shù)のお茶どころである。福州市の中心部では、お茶の店が林立している。それらの店がほとんど「茶館」の役割も果たしている。その名は茶室、茶社、茶蕓居、茶坊などである。
以前はお茶の店はお茶の販売を営むのが一般的だったが、この十?dāng)?shù)年で段々と社交的な場所に様変わりしている。いろんな人が茶室を利用するようになった。ちなみに、個室一時間の料金はおよそ日本円で1600円になる。
茶室の店主は人付き合いが上手な社交的な人が多い。夜になると、友達(dá)を呼んで、一緒にお茶を飲みながら、空のように果てしなく話題を広げ、自由奔放な會話を遅くまでずーと続ける。その中から、いろんなアイデアが生まれているのかもしれない。中國語で「面対面」という言葉がある。意味は「face to face」。ネット時代、面と向かって話すことが大事だという。茶室は「面対面」にはとてもふさわしい場所である。
ビジネスマンや公務(wù)員などの男性は、夜に外で食事し、お酒も飲んだ後、酔いを醒ますために茶室に寄る。お茶の二次會が行われる。奧さんに怒られないように息を爽やかにしてから家に帰るのだ。
夜、茶室での女子會も増えてくる。中國の知的な女性はほぼ仕事をしている。男性より自らの事業(yè)を大きく展開する女性も少なくない。夜の茶室では、晝間のカッコよくしたたかな姿と違って、純粋に女性としてお茶を飲みながら、女性同士で秘密を語りあっている。
故郷に滯在中に、「日本留學(xué)のことを聞きたいから、茶室で話しましょうか」とある友人から誘われて、一度茶室を訪れた。その時に聞いたエピソードを紹介したい。
友人の息子は今年中國の名門大學(xué)を卒業(yè)したばかり。そして、日本留學(xué)を希望している。先般、観光ビザで日本に行き、東京大學(xué)大學(xué)院の入學(xué)試験を受けたが、失敗した。その息子さんは英語が得意で、受験する前の數(shù)カ月間、英語で東大の先生とメールでやり取りをしていたらしい。合格できれば、その先生が指導(dǎo)教授になってくださるはずだったが、現(xiàn)実は厳しかった。そして、友人は「これからどうしよう。東京大學(xué)はやはり無理でしょうか。息子の東大受験をやめさせるべきなのか」と聞かれた。
「言うまでもなく東大は難しい。しかし、直接日本の名門大學(xué)の受験に挑戦した息子さんはえらいですよ。普通の日本留學(xué)は日本語學(xué)校を経由して進(jìn)學(xué)します。もう一度挑戦する価値があると思います」。留學(xué)生教育に攜わる者として、アドバイスをする以上に私はその若者の勇気に感服せずにはいられなかった。というわけで、中國の茶室で、友人と日本留學(xué)の話題で盛り上がった。なんとなく奇妙な感覚を覚えた。
それぞれの茶店はこだわりがある。その日訪れた店は福建省武夷山の、「武夷巖茶」と呼ばれるお茶を販売している。中國十大銘茶に數(shù)えられ、上等な烏龍茶として知られているお茶だ。懐かしく奧深い味で、昔からずっと好きなお茶である。
茶室の店主である常さんは知的な女性で、彼女は「品茶師」の資格を持っている、いわゆるお茶のプロで、どんなお茶でも一口で味を読み解けるという?!溉毡兢撬饯郡沥尾桊^を開いたら、売れるでしょうか」と常さんが真剣に聞き出した?!袱丹ⅰⅳ嗓Δ扦筏绀?。私はお茶のビジネスはあまり詳しくないもので」。真っ當(dāng)なアドバイスができないが、日本では福建省のウーロン茶が愛されていることが事実であると伝えた。
現(xiàn)在の中國ではハイスピードでビルが建っているが、文化を「建てる」、つまり、中國文化を世界に広げていくことに関してはまだまだ見通しがついていない。
今回、故郷の茶室でお茶を通して、人々とコミュニケーションすることで、新しい「茶館文化」の香りを肌で體験した。その香りをさらに世界中に広げてほしい。
■筆者プロフィール:黃 文葦
在日中國人作家。日中の大學(xué)でマスコミを?qū)煿イ?、両國のマスコミに従事。十?dāng)?shù)年間マスコミの現(xiàn)場を経験した後、2009年から留學(xué)生教育に攜わる仕事に従事。2015年日本のある學(xué)校法人の理事に就任?,F(xiàn)在、教育?社會?文化領(lǐng)域の課題を中心に、関連のコラムを執(zhí)筆中。2000年の來日以降、中國語と日本語の言語で執(zhí)筆すること及び両國の「真実」を相手國に伝えることを模索している。
在日中國人作家。日中の大學(xué)でマスコミを?qū)煿イ?、両國のマスコミに従事。十?dāng)?shù)年間マスコミの現(xiàn)場を経験した後、2009年から留學(xué)生教育に攜わる仕事に従事。2015年日本のある學(xué)校法人の理事に就任?,F(xiàn)在、教育?社會?文化領(lǐng)域の課題を中心に、関連のコラムを執(zhí)筆中。2000年の來日以降、中國語と日本語の言語で執(zhí)筆すること及び両國の「真実」を相手國に伝えることを模索している。Facebookはこちら「黃文葦の日中楽話」の登録はこちらから
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