むらさわりこ 2017年10月22日(日) 16時40分
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中國人夫と生活し始めたばかりのころ、風(fēng)邪を引いた私に夫がお粥を作ってくれた。しかしそのお粥は私が頭の中で描いていたものとは大きく違ったのだ。今回は日本と中國のお粥について比べてみたいと思う。資料寫真。
中國人夫と生活し始めたばかりのころ、風(fēng)邪を引いた私に夫がお粥を作ってくれた。しかしそのお粥は私が頭の中で描いていたものとは大きく違った。今回は日本と中國のお粥について比べてみたいと思う。
まず、日本人の私にとってお粥というのは體調(diào)の悪い時に食べるものである。普段の食事でお粥が登場することはあまりない。さらに私がイメージするお粥というのは、薄いお醤油味で野菜や溶き卵の入ったものである(これは同じ日本人でも地域によって違うかもしれない)。
しかし、夫が私に作ってくれたお粥は、米を沸騰したお湯で煮た病院食のような白粥だった。それをキュウリのお新香や、たくあんと一緒に食べるのだ。私はお醤油をちょろっと垂らした方が良いのでは?と思ったが、夫は「おいしい?」と恍惚の表情を浮かべていた。私からすると、まだ20代なのに80代のような食の嗜好を持つ夫なのだ。私も「まあ私も風(fēng)邪だし消化の良いものの方が良いか」と思い直し、その時は夫と一緒に味のないお粥と漬物というシンプルの極みのような食事をした。
しかし、夫のお粥への思いを、私はまだまだ理解していなかった。夫はその後も誰も風(fēng)邪など引いていなくても、朝ごはんに、夕ご飯に、ひたすらお粥を作り続けた。胃腸が元?dú)荬蕰rは豚のヒレ肉を醤油で炒めたものや、チンゲン菜をニンニクと塩で炒めたもの、卵とトマトの炒め物などをお粥と一緒に食べる。お粥に味がないので、炒め物は濃い目の味でもちょうど良い。中國人夫にとってお粥は白米のような位置づけで、ヒレ肉の炒め物などと一緒に食べるお粥は大変なごちそうなのだ。
さらに私が驚いたことがある。それは夫が「バタピー」をご飯やお粥のおかずとして食べることだ。バタピーといえば、日本ではお菓子やおつまみといったイメージだが、夫にとってはご飯にのせるおかずなのだ。
一般的には中華粥といえば、生米を鶏がらスープで炊いたほんのり塩味のするお粥だと思われているが、夫の地元の福建省の村ではお粥は味なしのものを食べるそうだ。中國の北の地域は辛いものや味の濃いものが食べられていて、南の地域では薄味のものが食べられる、という話も聞くが、夫のお粥の場合は味が薄いというかない。それでも夫は「ご飯の味がする」と言って味のないお粥を頬張っている。
今では私も味のないお粥を美味しく感じるようになった。生米から煮るので作るのに時間はかかるが、しょっぱいものと一緒に食べるとなんとも言えずおいしい。もしかしたら今日の夕ご飯もお粥かもしれない。
■筆者プロフィール:むらさわりこ
1989年日本生まれ。22歳の時に2歳年上の福建省出身の中國人男性と結(jié)婚。英語を獨(dú)學(xué)で習(xí)得後、英會話講師として働く傍ら中國のテレビなどを通し中國語も獨(dú)學(xué)で習(xí)得。趣味は語學(xué)と読書。図書館があまりに好きで毎週通っている。結(jié)婚前はベトナム、ニュージーランド、モンゴル、カナダ、ラオス、フランスなど様々な國を一人で渡り歩く。自分のやりたい事や面白い事に國境や言葉の壁は関係ないと考えている。
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