2018年6月1日、東南アジア諸國連合（ASEAN）加盟國で中國離れの動きが相次いでいる。マレーシアは中國が受注を目指していた高速鉄道の建設(shè)計畫を中止。フィリピンのカエタノ外相は領(lǐng)有権を爭う南シナ海で「中國がレッドラインを越えれば宣戦布告する」と警告し、インドネシアもインドとの防衛(wèi)協(xié)力で合意した。

5月の総選挙で1957年の英國からの獨立後、初の政権交代が実現(xiàn)したマレーシアでは返り咲いたマハティール首相が5月28日、シンガポールとの間、約350キロを90分で結(jié)ぶ高速鉄道建設(shè)計畫の白紙撤回を表明した。その理由として、同首相は「巨額の費用がかかり、有益ではない」と説明した。

高速鉄道計畫は中國が提唱するシルクロード経済圏構(gòu)想「一帯一路」の主要事業(yè)とされ、事業(yè)者を選定するための入札手続きを昨年12月に開始。総工費は170億米ドル（約1兆8600億円）で、18年著工、26年完成の計畫だった。日本の企業(yè)連合も新幹線方式での受注を狙い、中國と激しく受注を競っていた。

高速鉄道計畫の駅予定地や沿線では、中國主導(dǎo)のインフラ事業(yè)案件が並ぶ。首相の決斷の背景にはマレーシアに進(jìn)出する中國への警戒感も強(qiáng)く働いていたとみられ、中國メディアは「巨額の違約金が発生する可能性がある」と早速けん制している。

一方、米CNNなどによると、フィリピンのカエタノ外相は5月28日に外務(wù)省で行われた國旗掲揚(yáng)式典で、南シナ海の軍事拠點化を進(jìn)める中國に対してフィリピンは溫厚な政策を取っているとする見方に反論?！福ㄖ袊摔希━欹氓丧楗ぅ螭ⅳ?、我々にもレッドラインがある。それはドゥテルテ大統(tǒng)領(lǐng)も明言している。もし南シナ海のフィリピン海西部で天然資源を採掘する者があれば、大統(tǒng)領(lǐng)は戦爭を始めるだろう」と語った。

南シナ海をめぐり、アキノ前大統(tǒng)領(lǐng)は中國の広範(fàn)な領(lǐng)有権主張や人工島建設(shè)などは不當(dāng)として、常設(shè)仲裁裁判所（オランダ?ハーグ）に提訴。同裁判所は16年7月、フィリピン側(cè)の主張を全面的に認(rèn)める判斷を下したが、中國は拒否していた。ドゥテルテ大統(tǒng)領(lǐng)は南シナ海問題に関して対中姿勢をアキノ前大統(tǒng)領(lǐng)とは対照的に軟化。今年4月には中國の習(xí)近平國家主席のことを「大好き」とまで発言していた。

さらに人口2億人超のASEANの大國インドネシアのジョコ大統(tǒng)領(lǐng)は5月30日、インドのモディ首相と會談し、共同訓(xùn)練の実施などインド洋での防衛(wèi)協(xié)力で合意した。モディ首相は「一帯一路」に対抗し、ASEANとの関係を強(qiáng)化するアクト?イースト政策を進(jìn)めており、南シナ海の海洋権益をめぐって中國と対立するインドネシアと思惑が一致したとみられる。（編集/日向）