<直言!日本と世界の未來>急がれる取締役の意識改革―神戸製鋼問題に思う―立石信雄オムロン元會長

立石信雄    2017年10月22日(日) 9時5分

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神戸製鋼所など名門企業(yè)で不祥事が相次いでおり、世界に冠たる「日本の製造業(yè)はどこに行った」と海外で報道されているのは悲しい限りである。

神戸製鋼所で検査データ改ざん問題が発生、アルミ?銅製品だけでなく、同社主力事業(yè)の鉄鋼製品に広がった。鉄鋼製品の不正は取締役會に報告されていたものの、対外公表をしていなかったという。會社側は「隠していたわけではない。取締役會や社內のコンプライアンス委員會に報告した。法令違反かどうかという判斷で公表しなかった」と説明。データ改ざんは法律違反にはあたらず、納入先との話し合いで問題は解決した、だから公表しなかったというわけである。同社に限らず、他の名門企業(yè)でもこの種の不祥事が相次いでおり、世界に冠たる「日本の製造業(yè)はどこに行った」と海外で報道されているのは悲しい限りである。

このような不祥事をいわゆる組織のガバナンスの問題ととらえると、企業(yè)経営者には決して他人事ではない。20年以上前の話で恐縮だが、大和銀行の巨額損失事件に対する株主代表訴訟の判決が産業(yè)界にショックを與えた。大阪地裁は被告人である11人の取締役らに7億7500萬ドル(當時のレートで約830億円)の支払いを命じた。これは取締役とはいえ、個人では到底支払える金額ではない。

しかし、それよりも問題は、過去から今日に至るまで企業(yè)の不祥事が後を絶たず、そこに経営者や取締役に責任意識が欠如しているのではないかという點である。コーポレート?ガバナンスが日本でも言われ始めて相當の年數が経過するが、その中心課題は取締役の機能と責務にある。取締役は本來、株主の負託に基づいて企業(yè)の経営を監(jiān)視?監(jiān)督する責務があるが、従來日本では取締役も監(jiān)査役も、その実態(tài)は企業(yè)経営に絶対的な権限を有する社長によって指名され、株主総會で選任されるとはいえ、自らを抜擢してくれた社長を監(jiān)視?監(jiān)督する機能が十分果たせていないからだ。

米國ではこの弊害をなくすために、獨立性の強い社外取締役を任命することを義務付け、CEOをはじめ執(zhí)行役員を監(jiān)視?監(jiān)査し、不適任と評価した場合は、CEOの首のすげ替えの権限まで與えられている。

日本でも東証のコーポレートガバナンスコードによって社外取締役設置を義務付けており、それ以來多くの企業(yè)が優(yōu)秀な社外役員を任命し牽制、監(jiān)査機能の強化に努めている。そして神戸製鋼のみならず不祥事を起こしている企業(yè)にはほぼすべて強力な社外取締役が存在するにもかかわらず、不祥事が起こっている。適切な人を社外役員に選任し、その人たちに事業(yè)の現(xiàn)狀をくまなく報告し、取締役會等で発言する機會を多く持ってもらうことであろう。

注意を喚起したいのは、企業(yè)は社會の公器として、株主のみならず企業(yè)を取り巻くステークホルダー(利害関係者)に対し、誠実な使命遂行が求められていることである。経営トップも取締役も、現(xiàn)在の計畫や戦略が企業(yè)の収益だけでなく社會的にも容認される行動かどうかを正しく評価?判斷する良識と機能を果たすことが求められる。経営者や取締役が、株主や従業(yè)員あるいは社會に対する責任を改めて再認識し、その達成のための高いプロフェッショナル性を持つ意識改革こそが今求められているのである。

<直言篇25>

立石信雄(たていし?のぶお)

1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現(xiàn)オムロン株式會社)取締役。1995年代表取締役會長。2003年相談役。 日本経団連?國際労働委員長、海外事業(yè)活動関連協(xié)議會(CBCC=企業(yè)市民協(xié)議會)會長など歴任?!弗蕙庭弗幞螗趣?a target='_blank' href='http://www.wenhuatang.com/search.php?filter=ノーベル賞'>ノーベル賞」といわれるSAM(Society for Advancement of Management)『The Taylor Key Award』受賞。同志社大名譽文化博士。中國?北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協(xié)會)名譽會長。公益財団法人?藤原歌劇団?日本オペラ振興會常務理事。エッセイスト。

■筆者プロフィール:立石信雄

1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現(xiàn)オムロン株式會社)取締役。1995年代表取締役會長。2003年相談役。 日本経団連?國際労働委員長、海外事業(yè)活動関連協(xié)議會(CBCC)會長など歴任?!弗蕙庭弗幞螗趣违惟`ベル賞」といわれるSAM(Society for Advancement of Management)『The Taylor Key Award』受賞。同志社大名譽文化博士。中國?北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協(xié)會)名譽會長。エッセイスト。

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