中國(guó)共産黨大會(huì)で一強(qiáng)體制を名実とともに確立した習(xí)近平総書記（國(guó)家主席）。習(xí)政権を象徴するキーワードの一つは「中華民族の復(fù)興」だ。米國(guó)のトランプ大統(tǒng)領(lǐng)のスローガンは「アメリカ?ファースト（米國(guó)第一）」。世界の盟主の座を爭(zhēng)う2人は、政権の求心力にナショナリズムを前面に打ち出している。

18日から北京で始まった共産黨大會(huì)は最終日の24日、黨規(guī)約の「行動(dòng)指針」に「習(xí)近平の新時(shí)代の中國(guó)の特色ある社會(huì)主義思想」を盛り込んだ。黨規(guī)約で「行動(dòng)指針」として、個(gè)人名が記されているのは建國(guó)の父の「毛沢東思想」と改革開放路線に導(dǎo)いた「トウ小平理論」だけ。江沢民?元主席や胡錦濤?前國(guó)家主席の理念も「行動(dòng)指針」とされているが、いずれも名前は記載されていない。

習(xí)総書記は2012年の就任後、「反腐敗」を旗印として、不正を犯した高官を次々と摘発し、反対勢(shì)力を抑え込んできた。大衆(zhòng)の支持も得た習(xí)氏は昨年10月に毛、トウ両氏や江?元國(guó)家主席と同様に「黨中央の核心」の地位を得た。行動(dòng)指針に自らの政治理念を名前付きで明記したことで、毛?トウ両氏に続く権威付けも試みた。

「中華民族の復(fù)興」は習(xí)政権1期目に登場(chǎng)した?！阜锤瘮　工葋Kぶ二大看板で、今回の黨大會(huì)冒頭の中央委員會(huì)報(bào)告（政治報(bào)告）でも、習(xí)氏は「中華民族の偉大な復(fù)興という中國(guó)の夢(mèng)の実現(xiàn)に向けてたゆまず奮闘しよう」と強(qiáng)調(diào)した。そこには経済発展を背景に中國(guó)國(guó)內(nèi)で芽生える「大國(guó)意識(shí)」に訴えて共産黨政権の求心力につなげようとの思惑が見え隠れする。南シナ海などへの海洋進(jìn)出や現(xiàn)代版シルクロード経済圏構(gòu)想「一帯一路」は、その延長(zhǎng)線上にある。

一方、トランプ大統(tǒng)領(lǐng)の「アメリカ?ファースト」は早くも色あせてきた。大統(tǒng)領(lǐng)選の公約だったイスラム諸國(guó)からの入國(guó)制限は自由を尊ぶ司法の壁に阻まれて頓挫した。米國(guó)內(nèi)の雇用を守るとして環(huán)太平洋連攜協(xié)定（TPP）交渉から離脫したものの、経済のグローバル化が進(jìn)む中で、TPPに代わる新たな道は見いだせないままだ。

米國(guó)メディアはトランプ政権発足後、「世界で米國(guó)の役割が減少し、オバマ政権時(shí)と比べて米國(guó)に対する外國(guó)の見方が好意的でなくなっている」と指摘。日本やドイツなど37カ國(guó)で行われた世論調(diào)査結(jié)果でも「國(guó)際問題についてトランプが正しいことをすると信頼しているのは平均22％にすぎない。これはオバマ政権の終盤には平均64％が大統(tǒng)領(lǐng)は世界の中で米國(guó)を正しい方向に導(dǎo)くと信頼を表明していたのと対照的だ」と報(bào)じている。

その上で「トランプ大統(tǒng)領(lǐng)は自らの『アメリカ?ファースト』政策によって米國(guó)がより強(qiáng)くなり、世界中でいっそう尊敬されると信じている。しかし、調(diào)査結(jié)果は全く逆の結(jié)果を示している」と説明。「米國(guó)の世界における凋落（ちょうらく）」を憂慮している。（編集/日向）