<コラム>韓國でも広がるセクハラ告発運(yùn)動(dòng)、娘を持つ親としてはそれほど冷靜ではいられない

木口 政樹    2018年2月10日(土) 14時(shí)20分

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ソ?ジヒョンという女性検事のセクハラ被害の告白からすべてははじまった。寫真は韓國?ソウル。

ソ?ジヒョンという女性検事のセクハラ被害の告白からすべてははじまった。1月29日にJTBCという韓國では最も有名な夜8時(shí)臺(tái)のニュースの時(shí)間に、直接スタジオに來てソン?ソッキというこれもまた有名なMCのインタビューを受けた。

ソ?ジヒョン検事は、2001年に司法試験43期合格で45歳。內(nèi)容は、2010年(8年前)のセクハラ事件を暴露するものであった。検事たちをはじめ法務(wù)大臣までが參席するようなけっこう大掛かりなお葬式の場(chǎng)で、法務(wù)大臣がいるからそのそばに座るようにと肘突きされて法務(wù)大臣のそばに座った。別の側(cè)に上司である安某検事が座った。

その安なんとか検事が、酒に酔いながらかなりの時(shí)間に渡ってソ?ジヒョン検事の腰に手をまわしてなでたり體のあちこちをさわるような行為を続けた。検察體質(zhì)の陰の部分も承知していたためか、その場(chǎng)ですぐに大聲を張り上げてやめさせるような行動(dòng)は取らなかった(取れなかった)。

その後すぐ、検察の中のセクハラ擔(dān)當(dāng)の係に報(bào)告し対策を立てようとしたが、もみ消されてなにもできずに終わった。7年の歳月が過ぎた去年2017年の5月に、くだんの安某検事が、賄賂問題が発覚し検察をやめることになった。ソ?ジヒョン検事は、テレビでその事件は見て知っていた。それだけだったら、「ああ、やっぱり」くらいで終わっていたかもしれない。しかし安某検事の、キリスト教の教會(huì)での「懺悔(ざんげ)」する場(chǎng)面がテレビに映し出されたとき、ソ?ジヒョン検事は決心したという。「本當(dāng)の意味で悔い改めるのなら、まずはあのときのことを悔い改めることからはじめるべきではないのか。自分の前に來て直接申し訳なかったと言うべきではないのか」。

テレビに映し出された安某検事の懺悔の內(nèi)容の中に、ソ?ジヒョン検事に対するセクハラ問題は當(dāng)然ながらはいってはいなかった。神の前に懺悔すると格好をつけながら內(nèi)容もなく噓と欺瞞に満ちた安某検事の懺悔の様子。いろんな思いが剎那のうちに身の內(nèi)に湧き上がり、居てもたっても居られなくなったという。これは自分の顔も名前もだして、世間様に訴えるしかないと思い、JTBCという韓國では一番信頼されているテレビ局のメイン番組(ニュースルーム)に出ることを決意したのである。筆者は、そのときのライブ放送を直接見ていた。

いくら検事とはいえ、女性だ。インタビューを通して始終涙聲で話していた。身も心もぼろぼろといった感じを受けた。検察官の中でも何度も賞をもらうほど辣腕の検事のようだ。検察官の制服を脫ぐことも決意してのライブ登場(chǎng)だった。

検事なら、ばしっと手をひっぱたいて「何すんのよ。すけべ野郎!」ぐらい言えないのかとも考えるが、男社會(huì)に蔓延するそうした闇の部分があまりにも強(qiáng)いのであろう。検事でさえ、ばしっ!とはできないのだ。普通の女の子だったら、もっと難しいだろうことは容易に想像できる。

これを書いている筆者も男なのだが、女性らの性的迫害のダメージをあまりにも簡(jiǎn)単に考えてしまう傾向があるのではないだろうか。酒の場(chǎng)で、腰をなでるぐらいどうってことないんじゃないの、というような思い。でも、これは女性にしてみれば、命を左右するくらい深刻な出來事なのである。病気になってしまうくらい許せない行為なのである。ここの部分を男(社會(huì))ははっきりと実感するところから始まるんだろうな、って思う。

ソ?ジヒョン検事のライブインタビューが流れて10日。SNSなどを通してソ?ジヒョン検事を応援するコメントが數(shù)多く寄せられており、韓國版「#Me Too」運(yùn)動(dòng)の嵐が韓國に巻き起こっている。

たとえば、イム?ウンジョン女性検事(44歳)が15年前の検察內(nèi)部の上司によるセクハラを暴露したかと思えば、「共に民主黨」の李在禎(イ?ジェジョン)議員は、ラジオのインタビューを通して「13年前に弁護(hù)士として働くために準(zhǔn)備していたころ、検事長(zhǎng)出身の法律事務(wù)所の代表からセクハラを受けた」と明らかにし、さらに同黨のイ?ヒョギョン京畿道議員も、自分のフェイスブックに「6年前、常任委員會(huì)所屬の男性議員がカラオケで踴りながらわたしの目の前でズボンを脫いだ」と公開するなど、韓國版#Me Tooの動(dòng)きがとどまるところを知らない勢(shì)いだ。

2月6日には、ソ?ジヒョン検事が登場(chǎng)したJTBCに今度は文壇のチェ?ヨンミという詩人が登場(chǎng)し、約18年前の90年代初めのころに本人あるいは複數(shù)の女性文人らが文壇の大御所といった人々によってセクハラを受けていたことを暴露した。若い女性が文壇にデビューするためには、そうした「洗禮」もただただ黙認(rèn)されてしまう狀態(tài)だったようで、文壇の構(gòu)造的な問題と指摘した。

一方、財(cái)界のほうでは、樸三求(パク?サムグ)錦湖アシアナグループ會(huì)長(zhǎng)の行動(dòng)が問題視されている。同會(huì)長(zhǎng)は毎月第一週の木曜日の朝に本社を訪れ、當(dāng)日の飛行を控えた女性乗務(wù)員たちが両側(cè)に列をつくって並ぶ中、大きな拍手で迎えられ乗務(wù)員と握手したり肩を叩いたりハグするなど身體的接觸をしたというもの。アシアナ航空のほうでは、女性CAらを激勵(lì)するための古くからの行事だとしているものの、會(huì)長(zhǎng)本人は「気」をもらいに行っていたと語るなど、女性らにとってはキモイの聲があがってもしかたのないような行動(dòng)をしていたようである。

ソ?ジヒョン検事は現(xiàn)在一児の母でありながら現(xiàn)役の検事だ。決意するまでに8年かかったと言っているが、たしかにセクハラを受けた女性本人が、世の中という大向こうを相手に自分の名前も顔も公開して事実を訴えるというのは、真剣勝負(fù)に挑む武士の気持ちと同じようなものだろうと思う。命をかけるほどの決意と覚悟なくしてはできない行為であろう。その勇気が、男性中心社會(huì)に蔓延する陰の部分の一つを取り除くことに繋がっていくであろうか。

検察の內(nèi)部でも特別捜査班が設(shè)けられ、深度ある捜査が始まったところだ。泥棒を捕まえるのに泥棒に任せるといった図式みたいで、どこまで捜査が進(jìn)められるか怪しいところでもあるけれど、ここは一旦検察を信用して今後の流れを注意深く見守っていくしかないだろう。娘を持つ親としてはそれほど冷靜ではいられない日々が続く。

■筆者プロフィール:木口政樹

イザベラ?バードが理想郷と呼んだ山形県米沢市出身。1988年渡韓し慶州の女性と結(jié)婚。三星(サムスン)人力開発院日本語科教授を経て白石大學(xué)校教授(2002年?現(xiàn)在)。趣味はサッカーボールのリフティング、クラシックギター、山歩きなど。

■筆者プロフィール:木口 政樹

イザベラ?バードが理想郷と呼んだ山形県?米沢市出身。1988年渡韓し慶州の女性と結(jié)婚。元三星(サムスン)人力開発院日本語科教授、元白石大學(xué)校教授。趣味はサッカーボールのリフティング、クラシックギター、山歩きなど。著書に『おしょうしな韓國』、『アンニョンお隣さん』など。まぐまぐ大賞2016でコラム部門4位に選ばれた。

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