かつての高度経済成長時代、日本の多くの若者が海外留學(xué)し、米國はじめ多くの世界の大學(xué)キャンパスが日本人學(xué)生で溢れた。私も海外出張や財界ミッション訪問などの合間に、多くの日本人留學(xué)生と度々懇談したのは、楽しく有意義なひと時であった。

昨今は日本から海外に雄飛する學(xué)生が激減しており、往時を想起すると寂しい限りである。文科省、米國教育省、日本學(xué)生支援機構(gòu)、留學(xué)あっせん団體などの統(tǒng)計によると、1990年代に米國における外國人留學(xué)生中で最多であった日本人學(xué)生は、21世紀(jì)に入り、毎年減少を続け、今やピーク時の4割程度に激減。全留學(xué)生中の比率もわずか2%へと縮小した。一時日本人に替わってインド人がトップを占めていたが、2010年に中國人が抜き、今や全體の30%以上を占めるほどに増えた。

米國の外國人留學(xué)生のうち中國本土出身者は約33萬人で出身國では斷トツに多い。以下インド、サウジアラビア、韓國の順。日本は1萬9060人で9位。日本はベトナム、臺灣の後塵をも拝している。

中國で特に優(yōu)秀な學(xué)生が學(xué)ぶ清華大學(xué)、北京大學(xué)では學(xué)部卒業(yè)者3000余人中、毎年25?30%が海外へ留學(xué)、その70%が米國の大學(xué)である。日本へは2?3%なので、中國のエリートとされる両大學(xué)出身の留學(xué)生には、米國と日本とでは実に25倍もの開きがある。

米國以外を見ても、英國での留學(xué)生中、中國人學(xué)生は7萬7000人、18%でトップを占め、日本人3100人の25倍に達(dá)している。フランスでも16倍、ドイツ11倍、カナダ20倍、イタリア24倍、オーストラリア47倍、韓國40倍、タイ24倍となっている。留學(xué)生は、將來その國とのパイプ役になるので、日本にとって由々しき事態(tài)であると考える。

一方、世界各國から中國への留學(xué)生が激増、最近15年間で8倍に増えた。かつて30%を占めていた日本人學(xué)生は頭打ちで、今や全留學(xué)生の4%を占めるにすぎない。アジアに関心を持つ諸外國の學(xué)生たちが、強力に中國へ吸引されているようだ。

この15年間に日本で學(xué)ぶ米國人留學(xué)生は増えているが、中國への米國人留學(xué)生は、それをはるかに上回る勢いで増加。今や日本への留學(xué)生の11．2倍にもなっているという。日本へ留學(xué)した學(xué)生が知日派になるのと同様、中國へ留學(xué)した學(xué)生たちは知中派となるであろう。米國において將來、知日派と知中派の數(shù)が10倍以上の開きになる可能性が、ここには示されている。米國だけでなく、フランス、ドイツの歐州諸國においても同様の動きが顕著である。日本と中國へのフランス人留學(xué)生は12．2倍、ドイツ人留學(xué)生は11．8倍の開きになっており、歐州諸國においても將來、知日派と知中派の差が10倍以上になることが懸念される。

こうした狀況を打開するためには、日本の學(xué)生に米國、中國をはじめ世界各國に留學(xué)することへのインセンティブを與えられるかどうか。企業(yè)や官庁への就職に際し、外國の大學(xué)?大學(xué)院卒を優(yōu)遇することも一案であろう。また日本の教育文化の魅力を世界にもっとアピールし、各國の青年たちに日本留學(xué)の意義を訴えられるかどうか。大きな課題であろう。國力は異文化交流を積極的に押し進(jìn)めて、初めて生まれるものである。

以前から気になっていたことだが、多くの日本企業(yè)において、大學(xué)卒と大學(xué)院卒や博士號所得者との間の初任給があまり変わらないことは再考を要すると思う。企業(yè)の人材は入社してから育てるというのが日本の伝統(tǒng)的な企業(yè)風(fēng)土であるが、大學(xué)院や博士號所得への勉學(xué)意欲を削いでしまうのではと危懼する。企業(yè)に貢獻(xiàn)してくれる人材を優(yōu)遇するのは當(dāng)たり前のことだが、もう少し広く世界を見據(jù)えた人材活用策を検討すべきであろう。

（直言篇30）

■立石信雄（たていし?しのぶお）

1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機（現(xiàn)オムロン株式會社）取締役。1995年代表取締役會長。2003年相談役。 日本経団連?國際労働委員長、海外事業(yè)活動関連協(xié)議會（CBCC＝企業(yè)市民協(xié)議會）會長など歴任?！弗蕙庭弗幞螗趣?a target='_blank' href='http://www.wenhuatang.com/search.php?filter=ノーベル賞'>ノーベル賞」といわれるSAM（Society for Advancement of Management）『The Taylor Key Award』受賞。同志社大名譽文化博士。中國?北京大、南開大、上海交通大、復(fù)旦大などの顧問教授や顧問を務(wù)めている。SAM（日本経営近代化協(xié)會）名譽會長。公益財団法人?藤原歌劇団?日本オペラ振興會常務(wù)理事。エッセイスト。

■筆者プロフィール：立石信雄

1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機（現(xiàn)オムロン株式會社）取締役。1995年代表取締役會長。2003年相談役。 日本経団連?國際労働委員長、海外事業(yè)活動関連協(xié)議會(CBCC)會長など歴任?！弗蕙庭弗幞螗趣违惟`ベル賞」といわれるSAM（Society for Advancement of Management）『The Taylor Key Award』受賞。同志社大名譽文化博士。中國?北京大、南開大、上海交通大、復(fù)旦大などの顧問教授や顧問を務(wù)めている。SAM（日本経営近代化協(xié)會）名譽會長。エッセイスト。