米紙ニューヨーク?タイムズは12日付で、スリランカ政府が9日、同國南部のハンバントタ港の経営権を中國國有系企業(yè)に譲渡する手続きを完了させたと報じた。インドは中國のスリランカ進(jìn)出を強く警戒しており、日本とともにスリランカへの投資に注力するなどの動きを示している。

中國がスリランカへの進(jìn)出を本格的に始めたのは、2005年11月から15年1月まで続いたラジャパクサ前大統(tǒng)領(lǐng)の時代だ。西側(cè)諸國がラジャパクサ政権には深刻な人権侵害の問題があるとして距離を置いた時期に、中國は同政権と急接近してインフラ整備などの投資事業(yè)を進(jìn)めた。

スリランカではラジャパクサ大統(tǒng)領(lǐng)に対して、中國資本絡(luò)みで進(jìn)めた港灣や空港などのインフラ整備計畫などで不正な利益を得ているとの批判が出た。ラジャパクサ大統(tǒng)領(lǐng)は大統(tǒng)領(lǐng)三選を禁止する憲法を修正して2015年1月の大統(tǒng)領(lǐng)選挙に出馬したが、汚職や獨裁、極端な親中政策が批判され落選。対立候補のシリセナ氏が大統(tǒng)領(lǐng)に就任した。

シリセナ大統(tǒng)領(lǐng)は當(dāng)初、中國企業(yè)絡(luò)みのインフラ整備を凍結(jié)する意向を示したが、2016年になると建設(shè)の再開を認(rèn)めるようになった。ハンバントタ港については、17年7月に同行の株式70％を中國國有系企業(yè)の招商局港口に11億ドル（約1240億円）で売卻する契約を結(jié)んだ。

ニューヨーク?タイムズによると、スリランカ國會は12月8日に同契約を認(rèn)めることを採決し、政府は9日に関連手続きを完了させた。招商局港口が今後99年間にわたるハンバントタ港の経営権を取得することが最終的に確定した。

スリランカ政府は深刻な財政難を抱えており、インフラ整備などでは中國企業(yè)に対して80億ドル（約9020億円）以上の債務(wù)がある。ハンバントタ港の経営権譲渡は中國企業(yè)への債務(wù)返済に充てられる。構(gòu)図としては、インド洋進(jìn)出を強化する中國の思惑に乗った結(jié)果として返済に苦しむことになり、「借金のカタ」として自國にとって重要なインフラ施設(shè)である港灣の経営権を譲り渡したことになる。

スリランカ國內(nèi)でも批判の聲や抗議活動が発生していたが、ウィクラマシンハ首相は國會に対して、港灣地區(qū)に造られる経済ゾーンや産業(yè)施設(shè)は経済発展と観光客誘致をもたらすと説明した。

スリランカにはかつて、インドの衛(wèi)星國のような側(cè)面があった。インドは領(lǐng)土問題などで中國とは対立関係にあり、中國のスリランカへの本格進(jìn)出を警戒している。ニューヨーク?タイムズによると、インドは日本と共同でスリランカ東部の港灣を開発する動きを進(jìn)めており、ハンバントタ港の近隣地區(qū)での空港建設(shè)に対する投資でもスリランカ側(cè)と交渉を始めた。

日本側(cè)の最近の動きとしては、河野太郎外相が1月上旬にパキスタンとスリランカを訪問する方向で調(diào)整しているとされる。さらにミャンマーとインドも訪れ、「質(zhì)の高いインフラ」の整備について各國外相らと會談する方針だ。河野外相の南アジア歴訪には、中國の進(jìn)出をけん制する狙いがある。（翻訳?編集/如月隼人）