木口 政樹 2018年1月3日(水) 16時10分
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クールジャパンという言葉が日本ではちょっとはやっているらしい。例えば日本のトイレ文化が結(jié)構(gòu)クールであるとか。お祭りや溫泉文化も必ず選ばれる定番だろう。韓國はどうか。寫真は韓國?ソウル。
クールジャパンという言葉が日本ではちょっとはやっているらしい。例えば日本のトイレ文化が結(jié)構(gòu)クールであるとか。お祭りや溫泉文化も必ず選ばれる定番だろう。韓國はどうか。
クールコリアという言葉はこちらでは今のところは使われていないが、もしクールコリアは何と聞かれたら、私としては「オンドルの家」を挙げたい。
昔ながらの“本物”のオンドルの家は今はほとんどなくなってしまい、人々が住むマンションの部屋は、床暖房は床暖房だが、これは本物のオンドルではない。床板の下にパイプを巡らして、その中にボイラーからの溫水を循環(huán)させ床全體を暖める仕組みだ。
本當(dāng)のオンドルというのは、アグンギといわれる「土かまど」で木をくべてその熱と煙が通っていく時のぬくみを利用して、床全體、家全體を暖めるステムだ。火気がかまどから床下の通路を通って煙突に抜けていくわけだ。
アパート?マンション全盛となる以前は、韓國の住宅はすべてこの昔ながらのオンドル式だった。故にほとんどは1階建ての家であった。家の基礎(chǔ)を造る段階からこの火気の通っていく通路つまり「オンドル」の工事を進行することになる。家ができた後でちょこちょことやるのではない。できた後では、ほぼ不可能に近い。
現(xiàn)代のマンションの床暖房は、ボイラーで沸かしたお湯を床板のすぐ下に張り巡らせた直徑2センチほどのチューブを循環(huán)させる方式である。見た目にはオンドルと似ているから、普通はこのマンションの部屋を「オンドル」の部屋と言ったりはする。でも本物ではない。本物ではないが、ボイラーとチューブの接続、そしてそれをコントロールするスイッチ系統(tǒng)などのシステムは見事というしかない。すごくよくできている。感心することしきりだ。
ちなみにオンドルは「溫突」という漢字となる。モンゴルや中國あたりでも同じようなものがあったようだ。ここ朝鮮半島では、記録に殘っているものは古くは5世紀ごろからあるようで、8、9世紀ごろ主に渤海(ぼっかい)という朝鮮半島の北部地域の國で広く使われていたようだ。朝鮮半島全體に広まるのは10世紀の統(tǒng)一新羅の頃からとみられる。
ところで最近、こちら韓國で本物のオンドルの家がそこはかとない流行になっているらしい。本格的なものはもちろん高価だが、昔ながらの本物のオンドル方式で作った注文式の小ぶりな家がはやりだ。
注文してから2週間くらいでトラックで運ばれてくる。締めて2000萬ウォンから4000萬ウォンくらいで買える。日本円で200萬円から400萬円くらい。もちろんそれほど安い買い物ではないが、完全な家であることを考えるとかなりお買い得ではないだろうか。
しかも部屋の壁は黃土(ファント)塗り。環(huán)境に優(yōu)しく體にも優(yōu)しい。あの土色の中にいれば、心も穏やかになること間違いない。特に雪の多い北海道や東北地方の人々にはお薦めだ。今住んでいる家があって、周りに畑などの空間があれば、そこにトラックで運んできて設(shè)置してくれる仕組みだ。生活用品は母屋に置いておき、離れ的な存在としてこのオンドルの家を設(shè)置する。ちょうど日本の茶道でよくみられる茶室といった感覚と言えば理解が早いかもしれない。韓國からコンテナに積んで運べるかどうかは分からない。
日本で新たな事業(yè)として始めれば結(jié)構(gòu)行けるのではないかと筆者は考えている。友達にアドバイスしているが、「おっ、それやろう」という人間はまだ名乗りを上げていない。早い者勝ちだと思うのだけれど。
■筆者プロフィール:木口政樹
イザベラ?バードが理想郷と呼んだ山形県米沢市出身。1988年渡韓し慶州の女性と結(jié)婚。三星(サムスン)人力開発院日本語科教授を経て白石大學(xué)校教授(2002年?現(xiàn)在)。趣味はサッカーボールのリフティング、クラシックギター、山歩きなど。
■筆者プロフィール:木口 政樹
イザベラ?バードが理想郷と呼んだ山形県?米沢市出身。1988年渡韓し慶州の女性と結(jié)婚。元三星(サムスン)人力開発院日本語科教授、元白石大學(xué)校教授。趣味はサッカーボールのリフティング、クラシックギター、山歩きなど。著書に『おしょうしな韓國』、『アンニョンお隣さん』など。まぐまぐ大賞2016でコラム部門4位に選ばれた。 著書はこちら(amazon)Twitterはこちら※フォローの際はメッセージ付きでお願いいたします。
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