【週末美術(shù)館】故宮百年

Record China    2008年8月31日(日) 14時(shí)54分

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偉大なる中國(guó)の繁栄の象徴?故宮にただよう寂寥やはかなさ、抑圧感を見事に捉えた作品で一躍、その名を世に知らしめた寫真家?侯元超。なかば偏執(zhí)的とまでいえる熱情と厳しさをもって被寫體を見つめ、その本質(zhì)を描き続けている。

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中國(guó)の栄華を象徴する「故宮(紫禁城)」を真正面から捉えた大スケールの作品群で一躍、その名を世に知らしめた寫真家?侯元超(ホウ?ユエンチャオ)。揺らぎない権力と繁栄を誇った宮殿を力強(qiáng)く描き出しながら、どこか陰鬱さや寂寞、はかなさ、鬱屈を漂わせる同作は、多くの人々に鮮烈な印象を與えた。

その他の寫真

優(yōu)秀な寫真家には、洞察力に優(yōu)れていることが何よりも求められる、とは多くの評(píng)論家が考えるところだが、事物に存在する本質(zhì)を見出し、畫面に焼き付けることは寫真家の使命である。すなわち、被寫體をつぶさに観察し、平凡な事物から新しい発見や美感を引き出し、光と構(gòu)図のみで構(gòu)成される簡(jiǎn)潔な畫面に感動(dòng)のストーリーを描き出すことである。侯もなかば偏執(zhí)的とまでいえる熱情と厳しさをもって被寫體をえぐる。侯がレンズを向ければ、たとえば市井に生きる名もなき人々が、饒舌にその人生のストーリーを滲ませるのである。つまり、多くの優(yōu)秀な寫真家と同じく、侯にとって寫真とは、萬(wàn)物の「內(nèi)なるもの」を追求することにほかならない。

たとえば、冒頭に挙げた作品群「故宮百年」も然りだ。世界の5大宮殿とも言われ、中國(guó)に現(xiàn)存する最大規(guī)模にして民族の誇りともいえる故宮に、侯は正面きって挑んだ。連日故宮へ足を運(yùn)び、故宮を感じ、読み取り、親しみ、理想のアングルを探し求め、最良の光線を値踏みした。時(shí)に故宮の懐の深さに呑みこまれ、圧倒され、創(chuàng)作の方向性を見失った。そして、故宮の本質(zhì)に「靜謐」というテーマを與えるに至る。威圧感に支配された空間に流れる靜謐。それに目を凝らせば、かつてここに暮らした人々の歓喜や失意が浮き上がった。

それは単なる歴史遺産の記録ではない。鮮やかな真紅の外壁も、陽(yáng)光に煌く緑の瓦も、侯の作品の中ではすべてが灰色のグラデーションに沈み、かつて栄華を誇った王宮がそこはかとない寂寥感に包まれている。また、被寫體を畫面下方に押しやった大膽な構(gòu)図が、封建的な宮廷史に流れる抑圧感を捉えている。無(wú)機(jī)質(zhì)な被寫體を描いた冷淡な作品から湧き上がるさまざまな情感。しかし、それらを感じとる自由は、あくまで鑑賞者にゆだねられている。(文/愛玉)

●候元超(ホウ?ユエンチャオ)

1966年、天津の蕓術(shù)一家に生まれる。2004年、故宮博物院設(shè)立80周年を記念して制作された大型寫真集『故宮百年』の撮影を任され、1年半かけて故宮博物院の様々な姿をカメラに収める。2006年に個(gè)人寫真事務(wù)所を設(shè)立。寫真以外に映像作品も手がける。作品は個(gè)展などのほか、國(guó)內(nèi)の主要メディアでも発表されている。

※週末美術(shù)館では、中華圏のアーティストを中心に日本や世界各地の寫真作品、美術(shù)作品、書道作品など様々なジャンルの作品をご紹介していきます。

寫真提供:匯泰國(guó)際文化発展有限公司(中國(guó)?天津)

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