「冷たいですね」=心が引きちぎられるほどの大聲で泣いた日本人の先生―中國人學生

日本僑報社    2017年12月24日(日) 12時40分

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東華大學の謝林さんは、日本人の教師の姿を見て、自分の両親に対する接し方を反省したそうだ。寫真は教室。

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日本では「親の心子知らず」とよく言われるが、中國でも同じようだ。東華大學の謝林さんは、日本人の教師の姿を見て、自分の両親に対する接し方を反省したそうだ。以下は、謝さんの作文。

その他の寫真

ベッドの下に、ダンボールが一つ置いてある。中には今まで使ってきた日本語の本がびっしり詰まっている。埃っぽくて、ボロボロになっているが、捨てるに捨てられない。『みんなの日本語』という一冊を取り出すと、挾まれていた一枚の寫真が床に落ちた。寫真に寫っているのは、最初の日本人の先生、山口先生だ。

大學に行くには、志望大學を選ばなければならない。私は南方の小さな町に住んでいる。家から遠く離れた北方の大學に行きたかったが、「いかん!そんなに遠い所に行って誰がお前の世話をする?絶対行かせない」と父親に猛反対された?!缸苑证亲苑证蚊娴工蛞姢毪椤⒂嘤嫟市呐浃工毪?!」と、家の隅に置いてあったミシンを押し倒し、家から出ていった。

このミシンは、祖母から伝わる寶物だと、小さい時よく母親から聞いた。家を出た私は、街中で石造のベンチに座り、「自分が選んだ大學に行きたい、自分が好きな専門を勉強したい、何が悪いんだ」と心の中で、このような聲を響かせていた。後方から、「家に帰りましょう」と迎えに來てくれたのは母親だった。私のお気に入りの場所を知っている母はここまで探しに來てくれたが、やはり帰りたくなかった。

「おばあちゃんのミシン、まだ片付けてないのよ。壊れたみたい」。母親の言葉を聞いた瞬間、まるでガラスの花瓶がいきなり地面に落ちたかのように不安が迫ってきた。しかし、その時、何も知らなかった私は、ただおとなしく母親とともに家に帰って壊れたミシンの破片を片付けた。

結(jié)局、父親は妥協(xié)して、私の望む大學に行かせてくれた。大學で初めて出會ったのは、山口先生だった。ある日、先生は何も言わずに突然帰國したことがあった。再び先生に會った時、好奇心に駆られた私は、「どうして急に日本に戻りましたか」とうかがった。先生は無表情で「母が亡くなったんです」と答えた。しかし、數(shù)秒後、心が引きちぎられるほどの大聲で泣き始めた。60代の先生が私の前で泣いたことにショックを受けた。先生は「謝くんは、いつも家に電話をかけますか」と、泣き聲で聞いた。「いいえ、全然」と何も考えずに返事をした?!咐浃郡い扦工?、謝くんは」。こう一言殘し、先生は泣きやんでその場を後にした。

寮に戻ったのは夜だった。先生の言葉を考えながら、ベッドに橫わたっていた。目を閉じて、またあの時の先生の言葉を思い出した??激à欷锌激à毪郅?、先生が先生のお母さんと別れる場面が頭から離れなくなった。中國にいる先生は、きっと日本に殘してきたお母さんのことを思っているだろう。とその時、自分の親のことが急に頭に浮かんだ。田んぼで労作している父親、祖母のミシンを使って服を作ってくれる母親。私はいつも両親からもらってばかりだと初めて気づいた。両親は自分のために何でもしてくれるのに、私は「ありがとう」という言葉を返すどころか、文句を言うばかりだ。本當に先生が言った通り、冷たい人間だ。

翌日、再び先生に會った時、「ごめんなさい、本當にありがとうございます」「今朝、両親に電話をかけて、大學での近況を報告しました」と先生に感謝の気持ちを込めて報告した。先生は「よかったですね」と微笑んでくれた。

先生のおかげで、毎週、両親に電話を掛けるのが習慣になった。食事をする時も食べ殘さないようにする。これは稲を植えてくれた人に対する感謝。教室を使った後、きちんとゴミや椅子などを片付ける。これは教室を提供してくれた人に対する感謝。周りの人に感謝しながら生きている。全て山口先生が教えてくれたことだ。大學生でありながら、子どもでも分かることが分からなかった私を変えてくれたのは、山口先生だった。寫真を再び本の中に挾み、そして、「ありがとう」と小さな聲でつぶやいた。(編集/北田

※本文は、第十二回中國人の日本語作文コンクール受賞作品集「訪日中國人『爆買い』以外にできること」(段躍中編、日本僑報社、2016年)より、謝林さん(東華大學)の作品「『ありがとう』を探す旅へ導(dǎo)いてくれた先生」を編集したものです。文中の表現(xiàn)は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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