<連載コラム?東アジアの光と影(4)>北朝鮮、南北融和へ動(dòng)く=「連絡(luò)チャンネル」再開、平昌五輪に參加へ

八牧浩行    2018年1月4日(木) 4時(shí)40分

拡大

核?ミサイル開発を続ける北朝鮮と、強(qiáng)硬な圧力姿勢(shì)を崩さない米國が鋭く対立、一觸即発の危機(jī)に直面している。一方で平昌冬季五輪を機(jī)に、「南北連絡(luò)チャンネル」再開など南北融和が進(jìn)行。寫真は南北國境の板門店。

世界の成長(zhǎng)センター東アジアにとって最大のリスク要因は、軍事衝突である。核?ミサイル開発を続ける北朝鮮と、強(qiáng)硬な圧力姿勢(shì)を崩さない米國が鋭く対立、一觸即発の危機(jī)に直面している。一方で平昌冬季五輪を機(jī)に、南北融和が進(jìn)行。韓國と北朝鮮が交信する板門店の「南北連絡(luò)チャンネル」が再開されるなど緊張緩和につながる動(dòng)きが出始めている。南北連絡(luò)チャンネルの再開は韓國と北朝鮮がそれぞれ1月3日に発表した。再開は約2年ぶりで、平昌冬季五輪への參加問題を協(xié)議するという。

◆米朝トップが非常識(shí)発言

米朝トップ同士の非難合戦は新年に入ってもエスカレート。北朝鮮の金正恩委員長(zhǎng)が1日の「新年の辭」で、「核のボタンは私の機(jī)の上にいつも置かれている」と威嚇すれば、トランプ米大統(tǒng)領(lǐng)は2日にツイート。「痩せて飢えている政権の誰か、どうか彼に伝えてやってくれ。私も核のボタンを持っているが、彼のよりはるかに大きくて強(qiáng)力だ」と応酬した。ともに世界の緊張を高める非常識(shí)な発言である。

金正恩氏は新年の辭の中で、17年に打ち上げた大陸間弾道ミサイル(ICBM)に言及、「米國が冒険的な火遊びをしないようにする強(qiáng)力な抑止力ができた」として「國家核戦力の完成」を宣言。その上で「米國本土全域が我々の核攻撃の射程圏內(nèi)にあり、米國は決して我が國に戦爭(zhēng)をしかけられない」とけん制した。

一方で、同氏は平昌五輪に言及し、「選手団を派遣する用意がある。南北當(dāng)局が至急に會(huì)うこともできる」と五輪參加に前向きな姿勢(shì)をみせた。18年を「民族史に特筆すべき年として輝かせるべきだ」とも発言、南北関係改善に意欲を示した。北朝鮮が國際社會(huì)と対話に乗り出す意思を示したとも受け取れる。

韓國の文在寅大統(tǒng)領(lǐng)は早速、金正恩氏の発言を歓迎し、南北対話を速やかに実施するよう指示。趙明均統(tǒng)一相は「板門店で高官級(jí)の會(huì)談を1月9日に開くことを(北朝鮮に)提案する」と表明。北朝鮮が望む五輪參加の環(huán)境や條件などの協(xié)議を呼びかけた。北朝鮮が提案と異なる日時(shí)や場(chǎng)所を希望しても前向きに応じるというから期待の大きさがうかがえる。

◆トランプ氏「良いニュースかも?」

注目されたのが米國の反応。國務(wù)省のナウアート報(bào)道官は2日、「雙方が対話を望むと決定するならば、それは彼らの選択」と述べ、原則的に反対はしない姿勢(shì)を明らかにした。肝心のトランプ大統(tǒng)領(lǐng)はツイッターで、「制裁や他の圧力が大きな影響を與え始めている」とし、北朝鮮軍の兵士が韓國に相次いで亡命していることにも言及。その上で、「ロケットマンが初めて韓國と対話をしたがっている」と投稿した。一方で、一連の動(dòng)きについて「良いニュースかもしれないし、そうでないかもしれない。いずれ分かる」と一定の期待感も表明した。米國務(wù)省は「北朝鮮への一致した対応について韓國と密に連攜している」として、米韓の足並みをそろえる姿勢(shì)を示している。

中國外交部の耿爽副報(bào)道局長(zhǎng)は2日の記者會(huì)見で、「朝鮮半島の核問題の核心は北朝鮮と米國の対立だ。両國が対話による解決の道に戻る努力をするよう奨勵(lì)する」と改めて米朝間の対話の必要性を訴えた。北朝鮮が平昌冬季五輪への代表団派遣に言及したことについて、「前向きなメッセージを出したことに留意している。北朝鮮と韓國が関係を改善することを歓迎する」と評(píng)価した。

新年に飛び出した金正恩氏発言について、韓國や米國の専門家やメディアなどは、米韓関係にくさびを打ち込んで距離を置かせつつ、最終的には米國との直接対話で體制保証を取り付けるための手段との見方が出ている。

◆「挑発」と「制裁」の繰り返し

2011年末に金正恩氏が最高指導(dǎo)者に就いて以降、北朝鮮の核?ミサイル開発のペースが上がった。16年以降は潛水艦発射弾道ミサイル(SLBM)やIRBMの「ムスダン」や「火星12」、長(zhǎng)距離弾道ミサイル「テポドン2派生型」、ICBM級(jí)の「火星14」など、さまざまな射程の発射実験を繰り返した。17年11月には新型ミサイル「火星15」を発射、米本土にも到達(dá)可能な性能を誇示、「核戦力の完成」を主張するに至ったのである。

國際社會(huì)は、北朝鮮の度重なる挑発に対抗するため、國連安全保障理事會(huì)による制裁を段階的に強(qiáng)化。17年8、9月に採択した2つの制裁決議では、開発資金の源を斷つため、北朝鮮の輸出額の多くを占める石炭や鉄、海産物、繊維製品などの輸出を禁止。新たな合弁企業(yè)の設(shè)立なども禁止した。17年12月22日、新たな制裁決議を採決。18年以降のガソリンや燈油など石油精製品の北朝鮮への輸出を、年間50萬バレル(制裁発動(dòng)前の16年は推定450萬バレル)に制限。中國やロシアなど約40カ國に北朝鮮からの出稼ぎ労働者約10萬人を2年以內(nèi)に送還するよう國連加盟國に求めた。

◆韓國との対話、対米メッセージか

核?ミサイル開発に対する國際社會(huì)の経済制裁が北朝鮮にとっても無視できない水準(zhǔn)になっているのは確かである。米國との直接対話が困難なため韓國との対話を通して、米國に対するメッセージを送ろうとしていると見られる。

北朝鮮との対話も志向する韓國の文在寅大統(tǒng)領(lǐng)と、圧力強(qiáng)化を図るトランプ米大統(tǒng)領(lǐng)との間にあつれきが生じており、米國による北朝鮮攻撃に対する拒否権を韓國が持つとの文大統(tǒng)領(lǐng)の姿勢(shì)が米國を怒らせたと分析する事情通もいる。

東アジアの將來シナリオとしては、ベストな平和安定と経済成長(zhǎng)を促す「アジアの世紀(jì)」、ワーストな戦亂に巻き込まれる「アジアの破局」という2つのシナリオが考えられる。日本?中國?韓國?米國?ロシアは、最悪のシナリオを避け、「アジアの世紀(jì)」を?qū)g現(xiàn)させることがすべての関係諸國に最大の利益をもたらすという確固たる認(rèn)識(shí)と信念を持つべきであろう。(八牧浩行

<続く>

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長(zhǎng)、常務(wù)取締役編集局長(zhǎng)等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China?記事へのご意見?お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業(yè)務(wù)提攜

Record Chinaへの業(yè)務(wù)提攜に関するお問い合わせはこちら

業(yè)務(wù)提攜