2009年7月、「企業(yè)買(mǎi)収をテーマにした壯絶なマネーゲームを描いて大反響を呼んだ」（シネマトゥデイ）というNHKテレビのドラマ「ハゲタカ」の劇場(chǎng)版。

【その他の寫(xiě)真】

日本のバブル経済崩壊に伴う混亂を舞臺(tái)にしていたドラマから數(shù)年後、「閉鎖的な日本のマーケット」に絶望して、海外のリゾートホテルで優(yōu)雅な隠遁生活を送っていた「天才ファンドマネージャー」鷲津のもとへ、日本有數(shù)の大手自動(dòng)車(chē)會(huì)社を買(mǎi)収の危機(jī)から救ってほしいとの依頼が舞い込む。対抗する相手は中國(guó)大陸系の巨大ファンドだ。

いまでこそ「もしかするとあるかも」という設(shè)定だが、20年以上前の中國(guó)を知る者にとっては隔世の感がある。

東南アジアにおける華僑資本というのは昔から存在するが、まさか共産主義の中國(guó)が企業(yè)買(mǎi)収という資本主義経済の最前線(xiàn)で活躍するまでに変身するなんて。

それも、日本の基幹産業(yè)である大手自動(dòng)車(chē)メーカーに大陸系ファンドが買(mǎi)収を仕掛け、日本人ファンドマネージャーが対抗する。中國(guó)はすでに2005年、アメリカを代表するハイテク企業(yè)?IBMのパソコン部門(mén)を買(mǎi)収して世界に衝撃を與えたが、それでも、より以上に巨大な資本を必要とする自動(dòng)車(chē)産業(yè)の買(mǎi)収という設(shè)定は、歐米が相対的に地盤(pán)沈下した最近だからこそ初めてリアル感が増している。

さらに、映畫(huà)に登場(chǎng)するアメリカの証券會(huì)社が逆に強(qiáng)大な資金力を誇る中國(guó)資本に支援をあおぐ辺りは、昨年來(lái)の金融危機(jī)あってこその現(xiàn)実感だろう。その意味では経済分野で日中が戦う現(xiàn)代世界という舞臺(tái)設(shè)定はとてもおもしろく、テレビドラマの時(shí)のキャストに加え、変な迫力がある自動(dòng)車(chē)會(huì)社の社長(zhǎng)役?遠(yuǎn)藤憲一など役者さんはそれぞれ雰囲気があって良かった。

少し殘念だったのが、ファンドの中心人物だった野心的な中國(guó)人?劉一華の扱い。中國(guó)語(yǔ)も英語(yǔ)もさまになる玉山鉄二という魅力的な俳優(yōu)を起用し殘留孤児、戸籍の盜用、派遣切りといった大向こう受けしそうなキーワードを絡(luò)ませているが、どうも薄っぺらい。天才?鷲津にかかって最後には…、というシナリオはいいとして、詳しくは書(shū)かないが、最後の成れの果ては一體なんだろう。

スラム街でもあるまいに、首都?東京のビジネス街にある公園で刺された人間をだれも助けようとせず、居合わせたホームレスたちは飛び散った財(cái)布から金を奪って逃げるだけ…。これがかつて治安の良さを誇った日本の近未來(lái)ということなのだろうか。そういえば中國(guó)資本が一方の主役なのに、主要キャストには中國(guó)人は使っていない。

日本の中國(guó)人観がこの程度と言ってしまえばそれまでだが、中國(guó)には輸出しにくいであろうドメスティックな映畫(huà)に仕上がっている。

蛇足だが、「現(xiàn)代日本の未曾有の金融危機(jī)を反映したリアルな腳本は見(jiàn)逃せない」という紹介がネット上にある。しかし、本筋ではないが、テレビドラマの段階で描かれていた人間味が、映畫(huà)では「天才」が強(qiáng)調(diào)されすぎる辺りは、「サラリーマン」からいつの間にか「スーパー社長(zhǎng)」に出世したコミックの島耕作を彷彿とさせる。

＜映畫(huà)の中のチャイナ01＞（文章：kinta）