2009年8月、09年度の「第31回ぴあフィルムフェスティバル」における自主制作映畫のコンペティション「PFFアワード2009」で企畫賞（TBS賞）、技術(shù)賞（IMAGICA賞）の両賞を受賞した『私の敘情的な時(shí)代』（任書剣監(jiān)督）。

【その他の寫真】

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中國(guó)から日本に留學(xué)している主人公?趙明の出身地は南京。

映畫の冒頭、趙明と近所の中年女性とがゴミ置き場(chǎng)で

交わす何気ない會(huì)話が印象的。南京大虐殺の話題に立ちすくむ日本人への配慮から、彼は出身地の話題を避けようとし、それでも聞かれて「南京」と答える。すると、相手は彼との會(huì)話から身を引く。これは、30代前半と若い任書剣監(jiān)督の心象風(fēng)景を象徴する場(chǎng)面かもしれない。

中國(guó)人と日中戦爭(zhēng)に関連して真面目に語り合ったことがある日本人なら、そのほとんどが、相手のふだんの友好的な様子とは不釣り合いな、激しい反日感情の噴出に驚いた経験を持っているはずだ。だから相手が南京出身かどうかは日本人にとってはあまり意味を持たないのだが、趙明の若さゆえにみられる日本人に対する気配り、優(yōu)しさが本作の基調(diào)を形作っている。

■■キャラが立つ登場(chǎng)人物たち■■

本作で一番気に入ったのは、どの登場(chǎng)人物も、麻生太郎首相が言うところの「キャラが立っている」ところだ。

つまり、それぞれのキャラクターが良きにつき悪しきにつけ強(qiáng)烈な個(gè)性を主張している。

「超シビアで現(xiàn)実主義者」と評(píng)される主人公役のアンソン?ラムはメリハリの利いた演技で、金稼ぎに懸命だが決してそれだけではない多様性を好演。彼に絡(luò)む臺(tái)灣からの留學(xué)生の女性はプロの演劇人ではない良さがある。最初は「私は中國(guó)が大嫌いです」と言っていたが、つかみどころのない品のいいお嬢さんらしさで彼を引きつける。「パンダの夢(mèng)は何？」という謎なぞが二人をつなぐキーワードになっているのも、中臺(tái)の急接近で中國(guó)から臺(tái)灣へのいわゆる「贈(zèng)呈パンダ」が昨年実現(xiàn)したばかりのタイミングで実に面白い。

後味が強(qiáng)烈なのはマイペースで生きる熟年日本人発明家の「平井さん」だ。実際に日中ビジネスに関わっている現(xiàn)役ビジネスマンのとつとつとした話し方、そして周囲のことに頓著せずあくまで自分のこだわりに固執(zhí)するオタク的な行動(dòng)パターンには「ああ、日本人にいるよ、こういうタイプ」と妙に納得させられる。そして韓流ブームに乗って日本人ガールフレンドをゲットしたお調(diào)子者韓國(guó)人留學(xué)生。

でも、だれもが一方的に欠點(diǎn)だらけというのではなくそれをカバーしてあまりある良さを見せてくれる。

また、インドネシアの華僑排斥運(yùn)動(dòng)を逃れて來日した中國(guó)系男性も、登場(chǎng)シーンはごく少ないものの、映畫の奧行きを深めている。不法滯在中に結(jié)婚して息子が生まれたものの、不法滯在が発覚し一人だけ強(qiáng)制送還されるが、祖國(guó)で再起を誓う。その彼には悲劇的な結(jié)末が與えられ一瞬言葉を失うが、人間の関係だけでなく自然現(xiàn)象の厳しさとの対比、日中関係だけでなく臺(tái)灣、韓國(guó)、インドネシアという國(guó)際的な舞臺(tái)の奧行きが本作の視野の広さを示している。

■■優(yōu)しさに包まれた「東アジアの縮図」■■

子役ではなく実際に中國(guó)人経営の保育園に通う可愛い子供たちの出演者たちやバイオリン教室の様子、そこに登場(chǎng)する中國(guó)女性らの會(huì)話も興味深い。

このごろは日本でも時(shí)に物騒な事件も報(bào)じられるが、戦爭(zhēng)狀態(tài)が続くパレスチナなどに比べれば「やはり平和な日本」では、こうした外國(guó)人コミュニティにおける穏やかな空気の流れが一つの現(xiàn)実ではないかという気にさせられる。先日公開されたジャッキー?チェンの「新宿インシデント」、新宿?歌舞伎町を舞臺(tái)として銃を使った抗?fàn)帳?dāng)たり前で、いとも簡(jiǎn)単に腕が切り落とされるような「中國(guó)人＝バイオレンス」というかつての時(shí)代のイメージとは好対照な、日本における「東アジアの縮図」である。

中國(guó)人を含め日本に住む外國(guó)人はいまも増え続けており、日本人も接觸?交流する機(jī)會(huì)が否応なく拡大している。留學(xué)生コミュニティだけではなく、そうした機(jī)會(huì)がある多くの関係者に見てもらいたい作品だ。

＜映畫の中のチャイナ02＞（文章：kinta）