北朝鮮國境に作られた鉄條網(wǎng)と、地域の急変―遼寧省丹東市

2006年11月1日、北朝鮮との國境に位置する遼寧（りょうねい）省丹東（たんとう）市から、港に向かって新しく作られた高速道路が走っている。その高速道路の左側(cè)に沿って、新しい鉄條網(wǎng)が延々と張り巡らされているのが見られる。鉄條網(wǎng)の向こうには鴨緑江（おうりょっこう）が流れ、さらに向こうは北朝鮮の領(lǐng)土だ。一體この不可解な鉄條網(wǎng)は何なのか。レコードチャイナのカメラマンはタクシーを拾い、高速道路に沿って見學(xué)することにした。

【その他の寫真】

市中心部から車で20分程走った郊外のこの場所では、高さ約1．8mのコンクリートの支柱が河沿いの約3kmにわたって立てられ、鉄條網(wǎng)が張られていることが判明した。この區(qū)間は川幅が數(shù)十mから數(shù)mと、非常に狹まっている場所だ。タクシーの運(yùn)転手によると、鉄條網(wǎng)は北朝鮮による核実験宣言の直後、中國側(cè)が突貫工事で設(shè)置したものだという。その後中國の外交部は、この有刺鉄線が北朝鮮の核実験と何の関係もないと明言し、1990年代から建設(shè)が始められていると主張した。しかしコンクリートの支柱付近の新しい土は、これが最近工事されたばかりであることを物語っており、核実験と全く関係がないとは考えにくい。

鴨緑江対岸の北朝鮮側(cè)には、一面に農(nóng)地が広がっているのが見える。時(shí)々人の姿や民家も見えることもある。タクシーの運(yùn)転手はハンドルを切りながら、つぶやくようにこう話した?！肝糁袊寺眯姓撙ǚ为Mいこの場所を訪れると、北朝鮮の兵士たちは手が屆く程近くまでやって來て、対岸から金やたばこを要求したものだった。中國人と北朝鮮人の関係は良かったが、これまでと同じく地元住民が向こう側(cè)の人に聲をかけても、今は返事が返ってこない。北朝鮮の兵士たちが、中國人旅行者に近づかなくなったんだ。」

北朝鮮と中國の間に、一體何が起きているのだろう。プライドの高い北朝鮮人は、もはや中國側(cè)からの呼びかけに答えてはくれない。この鉄條網(wǎng)の出現(xiàn)により、最近まで存在した和やかな雰囲気は消え、鉄條網(wǎng)と共に心の壁にも隔てられた人々の悲しみが、この國境に漂っているように感じられる。