2009年11月2日、湖南省長沙市。夜のとばりに包まれた深夜の病院に、長蛇の列ができあがっている。何も珍しい光景ではない。ここで連夜のごとく繰り広げられているのは、翌日の外來診察を待つ人々の過酷な戦いだ。瀟湘晨報の報道。

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中國で醫(yī)療機関の診察を受けるのは一般的に一苦労だ。また、醫(yī)療費の高さも大きな負擔となっている。その背景になっているのは、醫(yī)療制度の改正によって、醫(yī)療費が全額國家負擔から個人負擔へと切り替えられたこと。一般庶民は病気になってもよほどの癥狀でない限り、民間療法や薬局での薬購入で済ませたいと考えている。そして病院へ出向くのは、癥狀がよほど重篤化してからとなる。すると、街の診療所レベルではもう歯が立たない。都會の大病院へ行くことになる。そうした大型醫(yī)療機関は、似たような事情を抱えた患者であふれかえっている。こうして、冒頭のような深夜の大行列ができあがる。たった1回の外來診察、たった1枚の受診整理券のために、そもそも不調(diào)を抱える病人が、吹きっさらしの屋外で夜通し待ち続けることになる。

湖南省岳陽市在住の楊燕(ヤン?イエン)さんは、病に伏せる夫と母を連れて同省省都の長沙市へやってきた?！副丐氦洹⒍紩韦いいt(yī)者さんに診てもらおう」と、某病院の玄関口に到著したのは深夜2時のこと。幸い、彼女の前に並んでいるのはまだ2?3人。翌日の診察を受けられるのは確実だと思った。

しかし、ひんやりと冷え込む地べたに座り、冷たい夜風(fēng)に吹かれる時間は、思いのほかつらかった。背後にはどんどんと行列ができあがり、おしくらまんじゅうのように楊さんの體を押してくる。楊さんも負けじと、彼らを押し返す。

早朝5時半。外來診察の整理券配布が始まった。一斉に窓口に殺到する群衆(zhòng)。楊さんはそのすさまじい爭奪戦の中、何と肩を圧迫骨折してしまう。かくして、ようやく手に入れた整理券は、楊さん自身の診察のために使われることとなってしまった。受診をめぐるこうした攻防は、中國各地で起こっている。(翻訳?編集/愛玉)