【週末美術(shù)館】四川はなおも美しい

四川省出身のプロカメラマン?[革斤]衛(wèi)（ジン?ウェイ）は個(gè)人的創(chuàng)作活動(dòng)において、一貫してふるさとの風(fēng)景を撮り続けている。豊かな自然風(fēng)土に囲まれた四川省は、九寨溝、青城山、都江堰などの世界遺産も有し、「天府の國」と呼ばれるほど豊富な農(nóng)作物を産する。その四季折々の美しさを何のてらいもなく、ストレートに表現(xiàn)した彼の作品は、純真無垢な故郷への愛で溢れている。

【その他の寫真】

その空は一點(diǎn)の曇りもなく、水や空気は少しの淀みもなく、その緑はあくまで明るく健康的。彼の描く四川の自然は、まるで桃源郷にしか存在しないかのような美しさだ。自然の持つ厳しさへの畏怖、あるいは環(huán)境問題に侵食され続ける自然への憐憫の視線などみじんもない。ただ天真爛漫に、無邪気にその美しさを愛し、讃えている。

その「かくも美しき故郷」は昨年、大震災(zāi)という大きな悲劇に見舞われた。しかし彼は、「震災(zāi)の傷は一過性のもの」とし、どんなにむごい天災(zāi)すらも、ふるさとの永遠(yuǎn)の美しさを壊すことはできないと固く信じている。（文/山上仁奈）

●[革斤]衛(wèi)（ジン?ウェイ）

四川省出身のプロカメラマン?！讣兩炜铡工蚊扦饣顒?dòng)している。寫真を始めたのは1992年。四川省の美しい風(fēng)景を撮り続け、これまでに「四姑娘山」「世界遺産在中國」「走進(jìn)四川」など數(shù)多くの寫真集に作品を提供している。2008年には自身の作品集「都江堰 青城山」を出版した。代表作に「四川はなおも美しい」「私の目に映るシャングリラ」など。

※週末美術(shù)館では、中華圏のアーティストを中心に日本や世界各地の寫真作品、美術(shù)作品、書道作品など様々なジャンルの作品をご紹介していきます。