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<中國(guó)で働く>「希望?野望?展望なし」、それでも彼女が上海にいる理由

Record China    2010年3月5日(金) 11時(shí)28分

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「キャリアアップには向かない」「自分探しはできない」―中國(guó)で働くことを、こう冷靜に分析する日系企業(yè)コンサルタントの佐々木清美さん。急成長(zhǎng)の中國(guó)で必死に上昇を試みる人たちのエネルギーに揉まれ、その激動(dòng)の10年を見つめてきた彼女の夢(mèng)は?

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■日系コンサルティング會(huì)社コンサルタント?佐々木清美さん

その他の寫真

2010年現(xiàn)在、上海の日本人人口は一説には10萬(wàn)とも言われるが、その中で上海在住10年という人は、一體どのくらいいるのだろうか。駐在員や現(xiàn)地採(cǎi)用で働く人たちでもほぼ數(shù)年で帰國(guó)する中、華東師範(fàn)大學(xué)の博士課程入學(xué)から日系コンサルティング會(huì)社で働く現(xiàn)在まで、佐々木清美さんの上海歴は10年を數(shù)える。數(shù)年前「下流社會(huì)」という言葉が日本で流行したが、佐々木さんの學(xué)生時(shí)代からの研究テーマは「中國(guó)の下層社會(huì)」?!鸽A層」がないはずのここ中國(guó)で、近現(xiàn)代史における中國(guó)の社會(huì)階層について、そして日本人も含めた現(xiàn)代上海の社會(huì)階層を佐々木さんは毎日働きながら眺めている。

■“中華のラーメン模様じゃない上?!堡索攘摔丹欷?0年目

「最初に來(lái)たのは學(xué)生のころで1990年。日本もろくに旅行したことないのに、一人旅がいきなり海外、上海で。見る建物もいわゆる中華のラーメン模様ではなく、西洋建築でびっくり(笑)」。その後上海に惹かれ、北海道大學(xué)の文學(xué)部を卒業(yè)後、経済學(xué)部に再度入學(xué)。修士課程を修めた後、一度は就職したものの、研究を諦めきれずに上海へ。本場(chǎng)で觸れる資料や文書は面白くて仕方がなかったが、博士論文をまとめきれず「ドロップアウト」。

「そもそも公費(fèi)で留學(xué)させてもらえたのもラッキーで。學(xué)校のあと、人生どうしようかと思っていた32歳のときに、知り合いが社長(zhǎng)をやっている會(huì)社に誘われて4年勤めました」。事務(wù)職として勤めた最後の1年は「はったりをかまし」て、翻訳の仕事と二足のわらじ生活。その後、現(xiàn)在のコンサルティング會(huì)社に転職した。

上海での就職は2度とも現(xiàn)地採(cǎi)用。景気の悪い日本を脫出して“上海ドリーム”を目指し、飛び込んでくる人は後を絶たないが、昨年、自らの體験も交えた現(xiàn)地採(cǎi)用のリスクを雑誌「エコノミスト」に寄稿した。

「現(xiàn)地採(cǎi)用は福利厚生もないし、健康保険もないし、給料は駐在員にはるかに及ばない。中國(guó)語(yǔ)がうまくなるといっても『スキルアップ』でしかなく、それさえ、今の経済環(huán)境では『キャリアアップ』の武器にもならない。こちらに來(lái)ると、日本にいたら箸にも棒にもひっかからない企業(yè)に、日本人だからということで入れたりするけれど、それは『キャリアアップ』でもないし、むしろ『キャリアロンダリング』ですよね。帰國(guó)した時(shí)に、そもそも中國(guó)での経験をキャリアとして認(rèn)める企業(yè)がどれほどあるのか。日本に戻って、中國(guó)経験を活かして『キャリアアップ』できたという人はあまり聞かない」。

ではそんな狀況を見切って、日本に帰ろうとは思わないのか?

「帰りたい気持ちはあるけれど、日本で働くよりストレスがないから、と割り切っています。というか、年齢も年齢だけに帰って仕事があるのかどうか(笑)。今の中國(guó)で働いて『キャリアアップ』と考えている人は向かない。流行に振り回されるような人や、スイーツ系、愛され系(笑)もやめたほうがいい。こういう人はすぐに帰國(guó)することになる。長(zhǎng)く上海に殘っている人は、ちょっと変というか、ひとくせある女性である気もしますね?!工饯ρ预盲皮长沥椁蛳颏い菩Δψ簟┠兢丹螭?、もちろんその1人だ。

■上海で水商売デビュー!日本人ナンバーワンホステスに?

「人と話すときにネタがないと面白くないじゃないですか。他人がつかんでないネタを売れるかもしれないし(笑)。ネタ人生ですから」。

誰(shuí)に言われるわけでもなく、自分からネタを探す。中國(guó)人女性の體型が「幼児體型電柱型だ」という評(píng)判を確認(rèn)するため、不衛(wèi)生だと言われ現(xiàn)地の中國(guó)人でも入浴をためらう公衆(zhòng)浴場(chǎng)にめがねをかけて入りに行ったり、學(xué)生時(shí)代の夏休みには“研究”という名目で己の好奇心を満たすために上海にある日本人向けクラブで水商売の現(xiàn)場(chǎng)を體験してみたという。

「一度覗いてみたかったので。健全なお店で、日本人ナンバーワンホステスになりました!もっとも日本人は私1人だったけれど(笑)」。

そこでは、駐在員という肩書きはあるものの、食事も1人、週末も1人という日本人中年男性の悲哀を見たり、そこで働く中國(guó)人女性たちを見たりしていろいろと考え方が変わったという。

「おじさんたちをたぶらかしてお金まきあげて…と思っていたけれど、とくに地方出身の女性たちは仕事や日本語(yǔ)を?qū)Wぶことに真摯で、これをきっかけに自分の將來(lái)をもっといいものにしたいと思っている子が多くて。実のところ、実家が貧しくて水商売の世界に足を踏み入れたという人は少なくて、日系企業(yè)への就職、さらには日本人との結(jié)婚によって『階層上昇』を狙っているんです。実際に日系企業(yè)に就職した子もいましたし、まさに『キャリアアップ』ですよね」

そんな女性たちの実情やバックグラウンドなどを観察したレポートは過(guò)去に雑誌で発表されている。華やかな成長(zhǎng)を続ける中國(guó)で必死に上昇を試みる人たちの、その満足することない上昇志向のエネルギーに、佐々木さんは魅了されているのかもしれない。

■いつかは、中國(guó)の素顔を正確に書いてみたい

これから來(lái)てみようとする人に上海を勧めるか?と聞くと、冷靜な答えが返ってきた。

「2?3年ちょっと來(lái)るだけのつもりであれば、キャリアダウンを考えて遊びにおいで、という感じ。まあまあ食いつないではいけるけれど、安定と天秤にかけるとどうなんだろう。健康ひとつとっても、日本の健康保険には入れないので、自分はいつまでも健康だ、と信じるしかない。安定した日本の生活を投げ捨てられるのなら、上海は自分のメンタルな健康を求めてくるのにいい場(chǎng)所だと思うんですよね。でも自分探しはできません。探し物はみつかりません(笑)」。

200平米の豪華マンションに住み、お手伝いさんに家の一切を任せる生活を享受している駐在員でも、日本に帰れば狹い2LDKの社宅住まいだってありえるのだ。いわんや現(xiàn)地採(cǎi)用をや、である。1社目は、4年間勤めても給料は100元(約1300円)しか上がらなかったそうで、景気のいいといわれる上海でキャリアアップ、というのは現(xiàn)実味が薄い話だ。

「40代に入って変わったことは、希望?野望?展望なし!捨てました。結(jié)婚したいとか、夢(mèng)があるから捨てられないとか、こうなりたいとか、もうないです。それでも何とか私は生きている、みたいな。食べていければ最高!ですよ」と冗談めかして笑うが、ただ漫然とここにいるわけではないヒントが、現(xiàn)在の仕事について語(yǔ)った言葉に隠されていた。

「今は仕事が忙しく、調(diào)べ物に時(shí)間が割けなくてコラム程度なのですが、正確に書くことをしたい。會(huì)社の書き物は期限があってその時(shí)間內(nèi)にやるしかないけれど、大學(xué)の研究論文は次の人にバトンタッチする意味もあるから、正確性を問(wèn)われるんです。そういう質(zhì)を高めた、もっと自分の納得いくものを書いていきたいです」。

ここには書ききれないが、硬軟合わせて上海の興味深いエピソードを聞いた。社會(huì)のパラダイムシフトが起こっているように見える中國(guó)の現(xiàn)実は、その実もっと複雑化しており、その激動(dòng)の10年を見続けた経験と考察は他に替えがたい。それを形にするために佐々木さんは上海を離れない。そんな印象を受けた。今年、日本のGDPを抜いて世界2位になろうとしている國(guó)の知られざる素顔を、佐々木さんはどんな形で教えてくれるのだろうか。今から楽しみでならない。(取材?文/淺香來(lái))

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