2010年4月5日、北京出身の作家?毛丹青(マオ?タンチン)氏が、「桜はもう散っているのでは？」と題した記事を中國(guó)のブログサイト?新浪博客に発表した。以下はその概略。

【その他の寫真】

桜満開の春は日本人にとって新年度の始まり。入社や入學(xué)といった行事だけでなく、結(jié)婚や離婚といった個(gè)人的なイベントにも春を選ぶ人は多い。小學(xué)生向けの絵本や教科書には入學(xué)式の場(chǎng)面とともに必ず美しい桜が描かれているし、日本人は同級(jí)生を「同期の桜」と呼ぶ。

だが、えんどう豆のように細(xì)長(zhǎng)い島國(guó)?日本では「桜が咲く時(shí)期」も実は北と南で大きく異なる。そのため、5月ごろにようやく満開を迎える青森や新潟辺りの人にとって、新學(xué)期や入學(xué)式が必ずしも「桜」と結(jié)びつくわけではない。3月下旬には桜が咲いてしまう福岡辺りの人にとっても、同じことが言えるだろう。

しかし、日本の子供はみな素直だ。教科書に事実と異なる記述があっても異議を唱える小學(xué)生はいない。そればかりか、「入學(xué)式と桜」の絵を見て「頑張ろう」という気持ちが起こるらしい。実際に桜が咲いているかどうかは問(wèn)題ではないようだ。では、日本全土で新學(xué)期に桜が咲く訳でもないのに、小學(xué)生の教科書にはなぜ「4月は桜の季節(jié)」だと堂々と掲載されているのだろうか？

これに対する文蕓評(píng)論家の斎藤美奈子氏の答えは面白かった。それは、「東京の桜が4月に咲くから」なのだとか。教科書や絵本の編集者は「東京＝日本」という自己中心的な認(rèn)識(shí)に基づいて書いているというもの。このような地方蔑視の傾向は、明治維新後の教育政策から始まったという。これが東京中心主義的な意識(shí)を増長(zhǎng)させ、地方文化を衰退させた、と斎藤氏は述べている。

昨日は天気が良かったので妻と一緒に花見に行ってきた。桜の木の下に人が立っていると、それらがより一層美しく輝いて見えることに気が付いた。（翻訳?編集/NN）

●毛丹青（マオ?タンチン）

北京出身の作家、大學(xué)教授。85年、北京大學(xué)卒業(yè)。中國(guó)社會(huì)科學(xué)院哲學(xué)研究所助手研究員を経て87年に初來(lái)日。三重大學(xué)に學(xué)び、大手商社に勤務(wù)するが「にっぽん蟲の眼紀(jì)行―中國(guó)人青年が見た『日本の心』」で作家に転身。日本語(yǔ)?中國(guó)語(yǔ)の2か國(guó)語(yǔ)で執(zhí)筆し、「狂走日本」「珠玉の中國(guó)語(yǔ)エッセイで學(xué)ぶ 長(zhǎng)文読解の“秘訣”」など著書?訳書多數(shù)。99年、「神戸第28回ブルーメール文學(xué)賞」を受賞。09年4月から神戸國(guó)際大學(xué)で教授として教鞭をとる。日本語(yǔ)ブログ「神戸國(guó)際大學(xué)教授?毛丹青オフィシャルブログ」も展開中。

※本記事は筆者の承諾を得て掲載したものです。