Record China 2010年5月11日(火) 13時58分
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2010年5月、レコードチャイナのライターによる個人ブログ「21世紀(jì)中國ニュース」は、現(xiàn)在の中國を代表する18人のインタビューを集めた本『中國新聲代』の書評を掲載した。寫真は本書に登場する歴史學(xué)者の袁偉時氏。
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2010年5月、レコードチャイナのライターによる個人ブログ「21世紀(jì)中國ニュース」は、現(xiàn)在の中國を代表する18人のインタビューを集めた本『中國新聲代』の書評を掲載した。
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「生の聲」「本當(dāng)の姿」を伝えたい、知りたい。
誰もが思うことながら、しかしその実現(xiàn)はとても難しい。語り手が自分の立場を押しつけようとする。そういったわかりやすいバイアスが邪魔しているケースもあるだろう。しかし問題はもっと本質(zhì)的なところにある。なにかの事柄について論理立てて語ること。その語るという行為自體が、なにかを切り捨てて一つの物語に「加工」することにほかならないからだ。
こんなありがちな問題をなぜ長々と語ったかというと、今回取り上げる本『中國新聲代』が「生の聲を伝える」課題に挑み、ユニークな成果を上げていると感じたためだ。
本書は女優(yōu)、漫畫家、ブロガー、企業(yè)家、経済學(xué)者、ビデオクリエイターなど中國人18人のインタビュー集。中國在住の日本人著者?ふるまいよしこは、「中國で起こる事件、あるいは中國社會の出來事について、日ごろから中國社會に向けて発言している中國人識者の話を、そのまま日本の読者に伝えたい」と動機(jī)を語っている。
「中國人識者の話を、そのまま」という方針は本書で一貫している。つまり日本人読者向けに調(diào)整されることなく、中國の文脈そのままでの発言が記録されている。章ごとに背景の説明はあるとはいえ、日本人になじみのない話題や単語も多く、戸惑う人も多いのではないか。
だが、その戸惑いこそ「生の聲」を理解する糸口なのだ。私たちが考える論點(diǎn)や言葉ではないもの。私たちの想像とはずれた、中國の人々やインタビューが重要だと考えている事柄が浮かび上がってくる。
一例を挙げよう。歴史學(xué)者?袁偉時氏のインタビューには「非制度化文化」という言葉が登場する?!阜侵贫然丹欷课幕趣悉胜螭??」「そもそも制度化された文化なんてあるのか?」と最初は引っかかった。しかし読み進(jìn)めていくと、公権力が介入して統(tǒng)一的に作り上げられるような「制度化された文化」に対置された概念であり、そうした政府の押しつけ文化と市民の選択による文化とを分けていることがわかる。
「なるほど、社會主義の國だけに文化すらも國から強(qiáng)要されるのか」とだけ考えるのは早計だ。袁氏はさらに「非制度化文化」を當(dāng)然のものとしてはならないと話し、人権など世界共通の普遍的な理念を受け入れるべきだと提案している。本書を糸口に調(diào)べていけば、中國ではナショナリズムを背景に、「西洋とは異なった東洋的、すなわち中國的な近代がありうる」という主張が力を持ちつつあることを知るだろう。袁氏の主張は、公権力の押しつけに反対すると同時に、國際標(biāo)準(zhǔn)の理念を拒否しかねないナショナリズムに抗するためのもの。「中國の今」と格闘する知的営為にほかならない。
もう一度繰り返そう?!钢袊俗R者の話を、そのまま」を目指して書かれた本書は、決して読みやすく、さらりと理解できる本ではない。だが、その引っかかりにこそ「生の聲」を、現(xiàn)代中國を理解するカギが隠されている。
ふるまいよしこ『中國新聲代』集広舎、2010年、2300円+稅。
(筆者:chinanews)
■「21世紀(jì)中國ニュース」は中國在住経験を持つ翻訳者によるブログ。サッカーなど中國のスポーツから社會事情、事件、流行など幅広く紹介している。FC2ブログに掲載。
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