2010年7月15日、コラムニストで教育専門家の信力建（シン?リージエン）氏は「中國人が誤解していること」と題した記事を中國のブログサイトに発表した。以下はその抄訳。

【その他の寫真】

2000年來、中國は「世界の中央の國」であり、周囲の他國を「蠻夷の國」と見なしてきた。アヘン戦爭(zhēng)によってこうした態(tài)度は粉々に打ち砕かれたが、しかし中國人の考える「世界」はなお誤解に満ち満ちている。

誤解1：外國とは米英を指す

現(xiàn)代の西洋文明は単一ではなく、古代ギリシャ哲學(xué)と民主主義、中世キリスト教文明、近代工業(yè)文明の3つの要素を持っている。

誤解2：サッカーW杯はサッカーファンのためのイベントだ

実際はというと、金儲(chǔ)けのイベント。南アフリカW杯での國際サッカー連盟(FIFA)の収入は87億ドル（約7520億円）に上る。

誤解3：世界貿(mào)易機(jī)関(WTO)は國単位でメンバーとなり、先進(jìn)國の利益を代表している

実は政府以外に非政府組織(NGO)も參加しており、生活水準(zhǔn)の向上、雇用の確保、関稅障壁の撤廃、貿(mào)易の拡大、途上國の利益確保、持続可能な経済成長(zhǎng)を旨としている。

誤解4：インドは階級(jí)差別が激しく、貧乏で愚かで遅れている

インドは偉大な古代文明を持ち、今や年8％の高成長(zhǎng)を続けている。比較的健全な民主主義制度も備えており、研究者の多くはインドの潛在能力を中國以上と評(píng)価している。

誤解5：自由と平等は同じもの

この西洋政治哲學(xué)の核心的な二つの理念は、しかし深刻な矛盾を抱えている。自由を強(qiáng)調(diào)しすぎれば財(cái)産、地位、チャンスなどの平等が達(dá)成出來ない。平等を強(qiáng)調(diào)しすぎれば強(qiáng)者の優(yōu)位は制限され、「全體主義國家」の誕生を招きかねない。

誤解6：宗教やシャーマニズムは迷信だ

誤解7：中國には5000年の文明史がある

誤解8：対外強(qiáng)硬派は愛國者、外國と妥協(xié)するものは売國奴

明治維新前の日本は列強(qiáng)と不平等條約を結(jié)んだ。これは戦爭(zhēng)を避けるためであり、発展を遂げた日本はわずか25年で不平等條約撤廃に成功、アジアの強(qiáng)國となった。

誤解9：宋明の理學(xué)（儒學(xué)の一派）は人をだました教え

外國人にも理學(xué)は評(píng)価されている。

誤解10：宗教は反科學(xué)

ルネサンス期、科學(xué)はキリスト教の大學(xué)で発展を遂げた。

誤解11：文明は必ず進(jìn)歩する

中國の堯舜の世やギリシャの黃金時(shí)代など、人類は古代楽園で暮らしていたとの考えがあるが、人類學(xué)的に根拠がないわけではない。かつて人類は自由に平等に暮らし、あくせく働くことなく十分な食事を得ていたという。文明の成立が経済と政治の関係を変えたのだ。

誤解12：歐米諸國は恐怖からマルクス主義に反対している

マルクス主義は西洋の學(xué)問が生み出したもので、最も優(yōu)れた思想の一つに數(shù)えられ、今なお信じる人は多い。これこそが思想の自由であり、政府が考えを変えるよう強(qiáng)要することは違法だ。マルクス主義は広く研究され、構(gòu)造主義的マルクス主義やポストマダニズム?マルクス主義など多くの學(xué)派を生み出してきた。これらの新たな研究によってマルクス主義はさらに広まったばかりか、今なお生きた思想として存在している。（翻訳?編集/KT）

●信力建（シン?リージエン）

中國の教育家。信孚教育集団理事長(zhǎng)。広東省広州市生まれ。中山大學(xué)中國文學(xué)部卒。工場(chǎng)、銀行、政府機(jī)関などで働いた後、英國へ留學(xué)。軍人、農(nóng)民、労働者など30以上の職に就いた経歴を持つ。2006年までに幼稚園や小中學(xué)校など20校を建設(shè)、學(xué)生數(shù)は1萬人を超える。