中國各地を歩き回り草の根交流を推進したい=「巨大市場取り込み」へFTA締結を―丹羽新中國大使

Record China    2010年7月30日(金) 6時25分

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戦後初めて民間から中國大使に起用された丹羽宇一郎氏(元伊藤忠商事社長)は7月26日、東京の日本記者クラブで記者會見し、「中國ではできるだけ各地を歩き回り、日本と中國両國民の草の根的な交流を深めたい」と抱負を語った。

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戦後初めて民間から中國大使に起用された丹羽宇一郎氏(元伊藤忠商事社長)は7月26日、東京の日本記者クラブで記者會見し、「中國ではできるだけ各地を歩き回り、日本と中國の國民の間の草の根的な交流を深めたい」と抱負を語った。また、「日本経済の発展の道を考えると少子高齢化など現(xiàn)狀のままでは様々な障害がある」とした上で、「日本の隣に巨大な市場があるのだから、1つの市場と考え取り込む必要がある」と強調、中國との自由貿易協(xié)定(FTA)づくりを早急に推進する必要があるとの考えを示した。発言の要旨は以下の通り。

その他の寫真

日中間は隣人として、100年1000年も続く間柄だ。中國は嫌いだからと言って中近東に移れますか。日本も中國もこれから長く隣人として付き合わなければならない。お互い仲良くやるにこしたことはない。戦爭もあった。これからも紛爭はあるかもしれない。しかし、いざこざが起きて誰が損をしたか。一般の國民が最も被害を受けた。何かいざこざがあった時にリーダーがこれを平和的に解決すべきで、國民の皆さんに被害を與えるようなことがあっては斷じてならない。1000年、2000年を視野に入れて仲良くやらなければいけない。日中がこれからも両國民に大きな被害を與えないで安心してお付き合いできるような外交をする必要があると思う。

利害の衝突は當然あるだろうが、私の信條は「愛國、親中」だ。韓國とも「愛國、親韓」、米國とも「愛國、親米」という精神で外交をする必要がある。どの國にも「愛國」はあり、これとの調整が問題になると思う。外交には「國益」、「関係各國との利害調整」、「國のディグニティ(尊厳)」の3つの原則がある。腕力もお金もないれども周囲から尊敬されている人が世の中には沢山いる。國も同じ。軍事力や経済力だけではない。ディグニティが外交には非常に大事で、尊敬される國になれるかどうかだ。

日中関係をどう考えるか。軍事力において中國は21年間、毎年10%増やしている。2010年は7.5%。実際の軍需費はその2?3倍といわれる。経済力も日本はせいぜい年2%程度の経済成長だが、中國がこのまま10%以上の成長をすれば今後10年間でGDPが日本の2倍になる。腕力、経済力でも圧倒的な差がつく。外交として日本の立場は3番目のディグニティ國家。世界から尊敬されるような國家であり、國民でなければいけない。これこそが日本が生きる姿だと思う。外交において最も重要なポイントだ。

今の日本は以上に挙げた外交の3つのポイントのすべてで沈んでいく方向に動いているのではないかと懸念する。政治でも経済でもリーダーはこれをやったらこうなるということを言うべきではないか。日本がこれから生き殘るためには尊敬され一目置かれるような哲學を持ったリーダーが必要だ。信頼を得るためにはまず裏切らないこと。それが積み重なって信頼が得られる。リーダーが1年とか數(shù)カ月で変わるとかでは世界各國から信頼が得られない。世界のリーダーとして、筋が通っていて言ったことは実行することが重要だ。

中國大使としてやるべきことも見えてくる。一番の基本は両國民の交流だ。いかに幅広く交流していくか。中國の國民にいかに理解していただけるか。日本と中國の國民の草の根的な交流をさらに深められるかだ。形而上學的哲學で話すのではなく目に見える形で交流する必要がある。日中間のスポーツ交流や、アニメをはじめとする文化交流も必要。中國から入って來た文化の中で、日本で大きく発展した文化もある。これを中國民に知らせたい。大相撲、野球、書道などの交流の輪を広げたい。

できるだけ中國國內を歩き回りたい。中國には日本人の顔も見たことがない人が多くいる。日本に來た人は日本が好きになって帰る。多くの中國の人は本當の日本を知らない。足を使ってあちこちで日本の文化というものを知らせていくよう努力したい。日本國民も中國の文化を真に理解する。そこから本當の外交が始まると思う。

草の根的な交流と並んで重要なのは巨大な中國市場の取り込み。日本経済の発展の道を考えると、現(xiàn)狀のままでは、少子高齢化など様々な障害がある。日本の隣に巨大な市場があるのだから、中國との自由貿易協(xié)定(FTA)づくりを進める必要がある。農業(yè)関係者は猛反発するでしょうが、FTAの研究は10年間も行われている。できるだけ早急に巨大な市場を日本の市場の一つだと思えるようにしなければならない。

中國は多くの國とFTAの協(xié)議に入っている。臺灣とも事実上締結したばかりで、韓國とも協(xié)議がスタートした。100年1000年、いやもっと隣國として一緒に生活しなければならないのですから、韓國人も日本人も中國人もないでしょう。中國大使としては一刻も早くFTAの協(xié)議を進めなければならない。中國経済が失墜して日本経済が大きく成長することは金輪際考えにくい。

中國への日本の輸出の割合は今や 20?30%にも達しており、米國はその半分。更に拡大することを考えると、われわれも中國の経済成長とともに成長していかなければならない。「政令経熱」と言われた時代があったが、グローバル革命や情報革命が進展する中で、これから「政熱経熱」時代が到來する。経済の連攜を一層強めていくことが重要だ。

安全保障の面では、北朝鮮、東南アジア情勢など厳しい現(xiàn)実がある。核保有の大國となった中國は昔とは立場が違う。世界の政治、経済に影響を及ぼす國になったのだから、人権問題も含めて重い責任がある。中國の首脳に対しては、大國としての自覚を持って、発言し行動していくよう申し上げるつもりだ。東シナ海が波立てば北東アジアに波が立ち、それが世界全體の平和と安定に傷を付けることになる。大國としての中國の動向に注目していく必要がある。(取材?編集/HY)

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