如月隼人 2018年1月22日(月) 15時(shí)30分
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ジャーナリスト、福島香織氏の最新の著作。中國(guó)はどうなっていくのか。そして日中関係は。そんなことを考えるために格好な1冊(cè)。そして衝撃の1冊(cè)だ。寫(xiě)真は筆者提供。
ジャーナリスト、福島香織氏の最新の著作。2012年に登場(chǎng)した習(xí)近平政権の影の部分を「これでもか!」というように斬りまくる。中國(guó)はどうなっていくのか。そして日中関係は。そんなことを考えるために格好な1冊(cè)。そして衝撃の1冊(cè)だ。
【中國(guó)における「権力闘爭(zhēng)」を徹底的に紹介】
まず、お斷わりしておく。どの國(guó)でも政権上層部の権力闘爭(zhēng)は、なかなか分かりにくいものだ。まして中國(guó)だ。中國(guó)人ジャーナリストが権力者の意向に反することを書(shū)けば、「投獄」される危険もついてまわる。外部の人間が得られる情報(bào)量は少ない。したがって、「事実」と確信できることがらに加えてさまざまな推測(cè)をせねば、全體像を把握することができない。
したがって、本書(shū)が取り上げた政権上層部の動(dòng)きがすべて正しいとの保証はない。しかし、福島氏は中國(guó)や中華圏の取材を続けてきた経験豊富なジャーナリストだ。決して憶測(cè)で書(shū)いているのではない。さまざまな事実を突き合わせ、周辺関係者の発言とも対照した上で、「事実または事実に限りなく近い情報(bào)」を記述しようと努めている。本書(shū)における「推察」は、むしろ「深い洞察」と理解すべきだろう。
さらに福島氏は本書(shū)において、さまざまな情報(bào)について「自らがどの程度確信を持っているか」を分かりやすく記述している。そのあたりをしっかり押さえた上で、読者も自分自身で考えながら読み進(jìn)むことをお?jiǎng)幛幛筏郡ぁ?/p>
本書(shū)においてまず圧倒させられるのが、習(xí)近平とその周辺の「権力闘爭(zhēng)」を紹介した第1章だ?!袱饯长蓼扦浃毪韦工润@いてしまう事例が続く。中國(guó)ウオッチングをしている人にとってはなじみある人物も多く登場(chǎng)する。ただ、慣れない人にとっては人名が多くてややとまどうかもしれない。しかし、是非じっくりと読んでいただきたい部分だ。中國(guó)の政界の雰囲気を「じわじわ」と體感できるはずだ。
【現(xiàn)実味ある「最悪のシナリオ」を容赦なく列記】
第2章の「習(xí)近平思想」についての記述も、要點(diǎn)がしっかりと押さえられている。例えば「法治」という用語(yǔ)ひとつにしても、日本人が一般的に思い浮かべるニュアンスと、中國(guó)の政治シーンにおける「真の意味」には大きな隔たりがあることが分かるだろう。
第3章では中國(guó)が日本を含めた周辺國(guó)や周辺地域と戦爭(zhēng)を起こす可能性、第4章では日本を含めた世界が、習(xí)近平政権にどう対応すべきかについての考えが記述されている。序章から第2章までを読み、自分自身の見(jiàn)方も構(gòu)築しはじめた読者なら、福島氏が「煽り立てるための煽り立て」として最悪のシナリオを展開(kāi)しているわけではないことが、理解できるはずだ。文面からにじむのは常に、「この程度までは想定せねばならない」という危機(jī)感だ。
【中國(guó)社會(huì)の特質(zhì)「大激変の可能性」を念頭に置こう】
習(xí)近平政権発足の前後から現(xiàn)在までの分析、近未來(lái)の予想について、本書(shū)に付け加えることはあまりない。それほどさまざまな角度から書(shū)かれている1冊(cè)だ。仮に私が付け加えるとすれば、中國(guó)社會(huì)では「風(fēng)向き」が一瞬にして変わることが想像以上に多いということだ。
筆者が直接経験した例を挙げるなら、軍を投入して民主化要求を鎮(zhèn)圧した、いわゆる六四天安門(mén)事件がある。発端となったのは1989年4月15日の胡耀邦の死去だった。最初の1、2日に特段の動(dòng)きはなかった。ところが20日をすぎると、北京市內(nèi)では民主化を求める大規(guī)模なデモが発生した。
興味深かったのは北京市民の反応だ。當(dāng)初は「騒ぎを見(jiàn)物する」程度の雰囲気だった。それが、天安門(mén)広場(chǎng)で一部學(xué)生がハンストを始めたとの情報(bào)が伝わったとたんに変化した。人々が「學(xué)生は本當(dāng)に命を懸けているのだ」と強(qiáng)く同情した。北京では5月にもなれば真夏と同様の暑さだ。天安門(mén)広場(chǎng)を目指して行進(jìn)する學(xué)生らに飲料水やアイスキャンデーを配る人も続出した。街には緊張感と開(kāi)放感が同居していた。
そして6月4日未明の武力鎮(zhèn)圧。人々は口を閉ざした。庶民がどう考えているか知ろうと思い、個(gè)人経営の商店主に話を振っても、「自分には関係ない」などと言って応じてくれなくなった。
個(gè)人的な経験の紹介が長(zhǎng)くなってしまったが、中國(guó)社會(huì)の空気は短期間で激変する場(chǎng)合があると指摘しておきたい。だから習(xí)近平政権を巡る今後の動(dòng)きについても、あらゆる可能性を考えておいた方がよいということだ。
【自らの中國(guó)観?世界観?価値観を構(gòu)築すべきだ】
本書(shū)も指摘しているように、習(xí)近平政権は「トウ小平路線」からの脫卻を進(jìn)めている。これは大きな変化だ。巨大隣國(guó)の現(xiàn)政権が「既定方針」としてトウ小平路線から離脫を進(jìn)めれば、日本は大きな影響を受けることになる。逆に、現(xiàn)政権が「既定方針」を変更するような事態(tài)になれば、そのことは権力基盤(pán)が緩んだことを意味するだろう。日本はやはり、大きな影響を受ける可能性が高い。
話は変わるが、ずいぶん前に、長(zhǎng)年にわたり日中友好活動(dòng)に従事してきた人から「日本人にとって中國(guó)の體制がどんなに蟲(chóng)唾が走るような代物でも、日本も中國(guó)も引っ越しはできない。だったら上手く付き合うしかない」との言葉を聞いたことがある。
その人としての結(jié)論は、國(guó)交正?;讼颏堡窟\(yùn)動(dòng)とその後の各種の日中友好活動(dòng)だったわけだが、その相手たる中國(guó)が変質(zhì)しつつある?!干鲜证钉悉Α工长趣取赣押猛七M(jìn)」が、そのまま単純には結(jié)びつかなくなってしまったのではないだろうか。
では、どうすればよいのか。まずは改めて、中國(guó)観や世界観、さらには自らの価値観を構(gòu)築せねばならない。そのための格好の「ツール」となるのが本書(shū)だ。考えながら読み、読了後も改めて考えねばならない。私は本稿を書(shū)き終えた後、本書(shū)を再読?再々読するつもりだ。それだけの価値がある1冊(cè)と考えるからだ。改めて読み終えた後には、日本と中國(guó)の今後について再び考えねばならない。
■筆者プロフィール:如月隼人
日本では數(shù)學(xué)とその他の科學(xué)分野を勉強(qiáng)したが、何を考えたか北京に留學(xué)して民族音楽理論を?qū)煿?。日本に戻ってからは食べるために編集記者を稼業(yè)とするようになり、ついのめりこむ?!钢袊?guó)の空気」を読者の皆様に感じていただきたいとの想いで、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執(zhí)筆。
1958年生まれ、東京出身。東京大學(xué)教養(yǎng)學(xué)部基礎(chǔ)科學(xué)科卒。日本では數(shù)學(xué)とその他の科學(xué)分野を勉強(qiáng)し、その後は北京に留學(xué)して民族音楽理論を?qū)煿?。日本に戻ってからは食べるために編集記者を稼業(yè)とするようになり、ついのめりこむ。毎日せっせとインターネットで記事を発表する?!钢袊?guó)の空気」を読者の皆様に感じていただきたいとの想いで、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執(zhí)筆。中國(guó)については嫌悪でも惑溺でもなく、「言いたいことを言っておくのが自分にとっても相手にとっても結(jié)局は得」が信條。硬軟取り混ぜて幅広く情報(bào)を発信。 Facebookはこちら ※フォローの際はメッセージ付きでお願(yuàn)いいたします。 ブログはこちら
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