2010年8月、レコードチャイナのライターによるブログ「Kinbricks Now」は、警官が警官を毆る集団暴行事件が起きたことを取り上げた。當(dāng)局は単純なミスと説明しているが、その背後には警察の腐敗という闇が見え隠れする。

【その他の寫真】

2010年8月19日、江蘇省泰州市靖江市公安局はインターネット掲示板で話題となっていた「警官同士の暴行事件」について事実と認(rèn)め、事件の発生した同市新區(qū)の派出所責(zé)任者と警官に職務(wù)停止処分を科したと発表した。事件は単なるミスと弁明しているが、その背景には深い闇があるとの疑念もただよう。20日、人民網(wǎng)が伝えた。

ネット掲示板に書かれた事件の推移は以下のとおり。今月7日午前0時前後、靖江市城東派出所は、同市新區(qū)にあるサウナが売春をしているとの匿名の通報を受けた。ただちに警官が出動し、男性4人女性5人を逮捕したという。逮捕者を連れ帰ろうとサウナが入居しているビルを出ようとしたところ、今度は地元?新區(qū)の派出所から警官30人以上が到著した。

新區(qū)の警官は逮捕者を勝手に解放したばかりか、城東區(qū)の警官を囲んで毆り始めた。警察手帳を見せても手を緩めることはなかったという。ぼこぼこにされた城東區(qū)の警官はパトカーに乗せられ連れ去られていった。最終的に市公安局幹部が取りなし、事態(tài)は沈靜化したという。

人民網(wǎng)によると、市公安局は19日、この事件が実際にあったことを認(rèn)めた。サウナ管理者側(cè)が「客がケンカしている」と新區(qū)派出所に電話したこと、また、城東區(qū)の警官が私服だったことが誤解を招いてのミスだったと弁明し、新區(qū)派出所の責(zé)任者と警官に職務(wù)停止処分を科したと発表した。

10日以上も発表が遅れた“事故隠し容疑”はともかくとして、いかに手荒さが売りの中國警察とはいえ、同僚にそこまで暴力を振るうものだろうか。市公安局の説明には疑念が殘る。20日付重慶晨報に掲載されたコラムでは、事件に対する3つの疑問を挙げている。

第一に、城東區(qū)警官はなぜ管轄を超えて新區(qū)のサウナを取り締まったのか。第二に、原因は執(zhí)行権の爭いではなかったのかという點(diǎn)。管轄地域の執(zhí)行権は、ある政府機(jī)関にとっては利益の源泉である。隣の管轄に「ナワバリ」を荒らされるのは許せない。第三に、新區(qū)派出所がサウナを「保護(hù)」し、見逃してきたのではないかという疑惑。近隣區(qū)の派出所が連絡(luò)もせずに踏み込んだことが「暗黙のルール」に反したのではないか。

コラムで挙げられた疑問はいずれも納得するところ。警察と地下産業(yè)との癒著が問題となっているなか、ぜひとも真相を明らかにしてもらいたい一件だが、市公安局が筋書きを発表した以上、もはや解明は難しいように思う。（筆者：chinanews）

■中國在住経験を持つ翻訳者Chinanews氏は、ニュースサイト「Kinbricks Now」「21世紀(jì)中國ニュース」を運(yùn)営。ネットの流行から社會事情、事件、スポーツ、蕓能など中國関連のトピックを幅広く紹介している。