2010年10月4日、北京大學(xué)メディア研究者の王錦思（ワン?ジンスー）氏はブログで、中國がレアアースの対日輸出を止めないのは日本から環(huán)境保全技術(shù)の提供を受けたいという思惑があるからだと指摘した。以下はその概略。

【その他の寫真】

尖閣諸島沖での中國漁船衝突事件をきっかけに中國國內(nèi)ではレアアースの対日輸出差し止めを求める聲が噴出しているが、中國政府は輸出を止めていない。その理由は、中國はレアアースなどの資源と引き換えに、世界最高レベルの日本の環(huán)境保全技術(shù)を手に入れたいと考えているからだ。

中國商務(wù)部の陳徳銘（チェン?ドーミン）部長も「日本の家電リサイクル技術(shù)は素晴らしい」と稱賛し、天津の低炭素経済モデル地區(qū)や河北省唐山市の曹妃甸（そうひでん）工業(yè)區(qū)などの環(huán)境プロジェクトで日本の協(xié)力を仰ぎたいと発言している。中國は、日本から技術(shù)と資金が提供されることを望んでいるのだ。

レアアースの輸出が滯っている問題でも「政府はいかなる禁止令も出していない」とし、あくまでも企業(yè)レベルの判斷だと強調(diào)した。だが、いずれにしろ今回の措置が日本を苦境に追い込むことが目的だったとすれば、それを達成するのは難しいだろう。そればかりか、かえって日本から技術(shù)と資金を引き出せなくなる恐れが生じてきた。

中國はレアアース大國ではあるが、唯一の産出國ではない。一方、日本の環(huán)境保全技術(shù)は唯一といって良いほどの最高レベルを誇る。中國が日本の技術(shù)を必要としている度合いは、日本が中國のレアアースを必要としている度合いを上回っていることが、中國政府がレアアースの対日輸出を止めない最大の理由だと筆者は考える。（翻訳?編集/NN）

●王錦思（ワン?ジンスー）

吉林省出身、北京在住のジャーナリスト。北京大學(xué)でメディア學(xué)を?qū)煿?。日中歴史問題や抗日戦爭史を研究課題としている。著書に「日本行、中國更行」。

※本記事は筆者の承諾を得て掲載したものです。