2010年11月29日、中國社會(huì)科學(xué)院が発表した報(bào)告書「世界の安全と政治」によると、中國は世界最大の移民輩出國になりつつある。中國にはこれまでも70年代末?80年代にかけて留學(xué)ブームが、90年代には技術(shù)専門職従事者の海外移民ブームがあったが、現(xiàn)在の移民ブームはやや様相が異なる。當(dāng)代の移民ブームにおいては、その多くの目的は「海外居住」にはない。外國籍を取得したうえで中國に殘留するケースが顕著に増加しており、その申請(qǐng)者は主に新富裕層やキャリア成功組など、社會(huì)の上層部に集中しているのだ。英紙フィナンシャル?タイムズ電子版(中國語版)の報(bào)道。

【その他の寫真】

米國土安全保障省によると、同國のEB-5(投資移民)ビザの申請(qǐng)件數(shù)は増加の一途をたどっている。06年に744人、08年に1300人、09年に4128人、そして今年は前年比50％増の6300人が見込まれている。中國籍の申請(qǐng)者は08年を境に急増。これは、中國國內(nèi)で不動(dòng)産投資に成功した実業(yè)家が続出した時(shí)期と重なる。

中國で複數(shù)の移民申請(qǐng)代行エージェントを取材したところ、投資移民の申請(qǐng)者は年収1000萬元(約1億2600萬円)以上の実業(yè)家が圧倒的に多く、人気の移民先は米國、カナダ、オーストラリア。一般的に大國を好む傾向にあり、法制度や社會(huì)福祉制度が充実し、すでに多くの中國系移民がコミュニティを形成している國が多い。

彼らの移民の目的はずばり、「子の教育のため」。35?55歳の、學(xué)齢期の子を持つ世代が多いことからもそれが見て取れる。たとえ彼らの子女が米國の大學(xué)を卒業(yè)しても、そのまま現(xiàn)地で就職先を決め、就業(yè)ビザの取得にすんなり移行できるケースはそれほど多くはない。08年の金融危機(jī)後はこの傾向がさらに顕著だ。そのため、學(xué)業(yè)を終えても米國に滯在できる手段として選ばれるのがこの投資移民というわけだ。

また、自らの子女をふつうに留學(xué)させてしまっては、その渡航費(fèi)や學(xué)費(fèi)、生活費(fèi)は「決して返ってこない支出」となる。しかし、投資移民ビザで入國すれば、現(xiàn)地で費(fèi)やすそれらの費(fèi)用は數(shù)年後になって自らの財(cái)布に返ってくるかもしれないのだ。もちろん、それは彼らの子女の才覚にもよるのだが。

投資移民のほとんどが、ビザを取得しても引き続いて中國を本拠地とする原因について、ある移民エージェントの責(zé)任者は、「彼らは祖國にビジネスチャンスを、海外に生活の安定を求めている」とズバリ指摘した。経済発展著しい中國。ビジネスを行うにはこれほど理想的なマーケットはない。おまけに彼らには“ホーム?アドバンテージ”―つまり、中國市場(chǎng)におけるコネクションや経済基盤を持っている。このチャンスを海外移住によってみすみす手放すわけにはいかない。一方、高度な社會(huì)福祉や教育機(jī)會(huì)など、生活環(huán)境として安定した海外の先進(jìn)國にもいつでも足場(chǎng)を移すことができる。投資移民ビザの人気が高まる一方なのは無理もない。(翻訳?編集/愛玉)