中國メディアの重慶商報は17日、重慶市內(nèi)のトンネルで銃撃戦が発生したとのデマが広まったことを受け、偽情報を発信した場合には処罰などの対象になると、実例を挙げて紹介する啓発記事を発表した。トンネル內(nèi)で発生したのは、実際にはこん棒を使ったけんかだったという。

「銃撃戦」のデマが広まったのは16日午後。重慶市內(nèi)の嘉華橋トンネルで銃撃戦が発生し、銃で武裝した特殊警察官も出動したとの「情報」だった。事実はドライバー同士のけんかだった。一方のドライバーがこん棒狀の物體を取り出して攻撃した。攻撃を受けたドライバーが警察に「相手が銃を持っている」と通報したことで騒ぎが大きくなった。

重慶市江北區(qū)公安分局（江北區(qū)警察）は同日午後11時38分、SNSを通じてデマを流したり拡散した場合には刑執(zhí)行の対象になるとして、デマをねつ造してはならないと同時に、由來が不明な情報に接した場合には十分に検討して、安直に拡散しないよう呼び掛けた。

重慶商報は、デマの実例3件を紹介した。最初に取り上げたのは2016年1月の「ガソリン爆弾」騒ぎだ。湖北省に住む男が、不具合を起こした農(nóng)業(yè)用機械の交換をメーカーに求めたが応じてもらえなかったため、「圧力をかけよう」と思い、大型爆竹を複數(shù)持って出かけた。途中、同省漢口駅で「市長ホットライン」に電話をかけ「ガソリン爆弾を持っている。メーカーが交換に応じないなら、ここで爆発させてやる」と告げた。警察官がただちに駆けつけて男を拘束した。所持品に爆竹はあったが「ガソリン爆弾」は見つからなかった。男は虛偽テロ情報ねつ造罪により懲役6カ月の刑となった。

2015年には、安徽省の農(nóng)村部に住む一家7人が、「強制立ち退きに抵抗して全員殺された。地元政府は情報を封鎖した」とする情報が動畫付きでSNSで大規(guī)模に拡散した。警察が調(diào)べたところ、動畫は河南省で発生した、10人が死傷した交通事故現(xiàn)場を撮影したものだった。動畫を配信したのは広東省のインターネット関連會社の職員で、虛偽情報故意拡散罪により懲役2年の刑となった。

デマが民事訴訟の対象になったこともある。中國でも多くの店舗を展開しているケンタッキーフライドチキンが、デマを流され損害を受けたとして中國企業(yè)3社を相手に起こしていた訴訟で、上海市徐匯區(qū)法院（裁判所）は2016年2月、被告?zhèn)趣?0萬元（約1000萬円）の損害賠償の支払いと、主要ポータルサイトでの謝罪広告掲載を命ずる判決を言い渡した。

被告は「羽が6本、足が8本ある鶏を使っている」「調(diào)理済みの鳥肉の中に生きたウジ蟲がいる」といったデマを、合成寫真などと共に流していた。

重慶商報は、2015年の刑法改正で、伝染病、事故や災(zāi)害、事件について虛偽情報をつくって流したり、虛偽情報と知りつつ拡散した場合には、最大で懲役7年の刑になるなどと、デマに対する処罰が強化されていると紹介した。

中國ではインターネット、特に攜帯電話やSNS利用が普及してから、地位や身分の高い人物の不正や犯罪行為が暴露されるケースが散発するようになった。當(dāng)局が調(diào)査に乗り出し、対象人物が処分や処罰の対象になったこともある。

一方で、「偽情報」が広まることも増えた?！府?dāng)局側(cè)に不正」とする偽情報も多い。當(dāng)局側(cè)は取り締まりに力を入れている。（翻訳?編集/如月隼人）