中國(guó)では3000年以上の歴史を誇る甲骨文字をモチーフにした微信（Wechat）の動(dòng)くステッカーが今、90後（1990年代生まれ）や00後（2000年以降生まれ）の間で大人気になっている。そのステッカーを見(jiàn)て、ネットユーザーらはミステリアスで魅力あふれる古代文字を楽しむことができる。それらのステッカーのクリエイターである清華大學(xué)美術(shù)學(xué)院の博士課程の教師を務(wù)める、中國(guó)古文字蕓術(shù)研究センターの常務(wù)副主任?陳楠（チェン?ナン）氏（46）は、甲骨文字をより多くの人たちに広める方法はないかとずっと模索していたといい、「甲骨文字はとっつきにくい存在のように感じるかもしれないが、本當(dāng)はとてもかわいい。皮肉るような要素もあり、今の人々の表現(xiàn)方法にもマッチしている」と説明した。新民晩報(bào)が伝えた。

【その他の寫(xiě)真】

■甲骨文字を「かわいい」デザインに

陳氏は若者に甲骨文字を好きになってもらいたいとずっと考えていた。甲骨文字の動(dòng)くスタンプ「醉了（酔っ払った）」を見(jiàn)ると、「醉」の甲骨文字が「了」という漢字の中に斜めに倒れ込んでおり、それを見(jiàn)ていると、お酒の匂いが漂ってきそうだ。また、「激動(dòng)（興奮している）」という甲骨文字は、興奮している様子がユニークに表現(xiàn)されている。紫色の「鶏」という甲骨文字は頭を振りながら鳴いており、水色の「凍」という甲骨文字は、白い目で傍観している（「激動(dòng)」と「鶏凍」は中國(guó)語(yǔ)で同じ発音）。古代の甲骨文字は、形を少し変えて、色を付け、さらに、ネット上の人気ワードとコラボさせると、たちまち90後や00後の心をわし摑みにしてしまった。

陳氏はうまくデザインできればそこに息を吹き込み、甲骨文字を多くの人の生活に溶け込ませることができると考えた。文字という機(jī)能を殘しながらも、それを多くの人が受け入れられるデザインにするのだ。幾何學(xué)?図案學(xué)の原理に従い、陳氏は四角形と円形からなる格子狀のベースを作成し、格子のつなぎ目となる線と甲骨文字を結(jié)ぶことで、新しい「文字」を作った。業(yè)界內(nèi)で好評(píng)を博し自信を持った陳氏は、「陳體甲骨文字」をフォントに盛り込んだ。そして、2016年に「漢儀陳體甲骨文字」というフォントが登場(chǎng)した。

■膨大な作業(yè)量

現(xiàn)在、フォントには3500文字が盛り込まれているものの、まだ膨大な作業(yè)が殘されている。

古代の甲骨文字は発見(jiàn)されてまだ120年で、その研究は続いている。陳氏は、古代文獻(xiàn)や関連の學(xué)術(shù)著作を研究したり、文字學(xué)専門家を訪ねて正しい字形を確認(rèn)したり、できる限りフォント中に正しい甲骨文字を盛り込むように努めている?，F(xiàn)在、識(shí)別されている甲骨文字の數(shù)には限りがあるため、対応する漢字がない場(chǎng)合は、「甲骨文字書(shū)法」の伝統(tǒng)的な方式に基づき、金文から派生した複雑な書(shū)體?金文大篆體も使い、さらに、形聲文字なども組み合わせてフォントの內(nèi)容を増やしている。

陳氏にとって、甲骨文字のデザインを変えるというのは、単にデザイン學(xué)と文字學(xué)を組み合わせるというものではない?！讣坠俏淖证?、『祖先級(jí)』の文字で、民族文化の遺伝子が含まれており、造字體系がそこにある。そこに息を吹き込んで、活気を與えようと思えば、それをしっかりと理解し、その論理に従い、整理してから作成しなければ信頼性がなくなってしまう」と話した。軽々しくデザインを変えるのではなく、新しいアイデアを取り入れた革新が必要となる。そして、王陽(yáng)明の心理學(xué)、社會(huì)學(xué)における実証法を研究したほか、ホームズの論理演繹的推論を參考にし、甲骨文字のデザインコンセプトを系統(tǒng)化させている。

その他、陳氏は甲骨文字の要素を文化教育産業(yè)やゲームの開(kāi)発、アプリなどとコラボさせる計(jì)畫(huà)?！脯F(xiàn)在では、文字には書(shū)く以外にも様々な表現(xiàn)方法があり、知らず知らずのうちに生活に溶け込んでいる。大きな視點(diǎn)で見(jiàn)ると、文字は民族全體の思考パターンに影響を及ぼしている。漢字は終始強(qiáng)い生命力に満ちているということを証明している」。

陳氏はトンパ文字や女書(shū)など、中國(guó)の他の種類の文字の保護(hù)にも関心を抱いている。それに當(dāng)たり、甲骨文字のリニューアルをしたことは役に立っており、「中國(guó)の伝統(tǒng)文化を生き生きした姿で生活に溶け込ませ、世界に進(jìn)出させたい」と意気込んでいる。（提供/人民網(wǎng)日本語(yǔ)版?編集/KN）