1949年10月1日、毛沢東は北京市中央部の天安門(mén)上で、中華人共和國(guó)の成立を宣言した。日本が第二次大戦に敗北した直後の1945年10月に本格化した國(guó)共內(nèi)戦（第2次）での中國(guó)共産黨の勝利はほぼ確定していたが、同時(shí)點(diǎn)で國(guó)民黨勢(shì)力が大陸から完全に駆逐されたわけではなかった。

日本との戦爭(zhēng)に勝利した結(jié)果、國(guó)民黨と共産黨の間での內(nèi)戦勃発を懸念する聲が高まった。米國(guó)が仲介して蔣介石と毛沢東が重慶市內(nèi)で會(huì)談し、1945年10月10日に協(xié)定を結(jié)んだ。いわゆる「雙十協(xié)定」で、あくまでも內(nèi)戦を避ける両黨の意志が確認(rèn)された。

しかし、すでに発生していた局所的な戦闘は激化?拡大する一方だった。米國(guó)は國(guó)民黨の腐敗しきった?jī)?nèi)部事情をよく知っており、國(guó)民黨側(cè)の戦爭(zhēng)遂行能力に疑問(wèn)を持っていた。また、逆に共産黨が軍事的に追いつめられると、中國(guó)の內(nèi)戦が米ソの代理戦爭(zhēng)になりかねないと危懼していた。

そのため、米國(guó)はしばしば國(guó)民黨と共産黨を調(diào)停しようとした。國(guó)民黨と共産黨も複數(shù)回にわたり自軍に対して停戦令を出したが、內(nèi)戦はとまらなかった。交渉も繰り返されたが、まとまらなかった。

當(dāng)初の戦力は國(guó)民黨側(cè)が約430萬(wàn)人で、共産黨側(cè)は約120萬(wàn)人だった。戦力で國(guó)民黨は共産黨を圧倒しており、1947年3月には共産黨が根拠地にしていた延安を攻撃。共産黨は延安を放棄した。しかし、毛沢東は國(guó)民黨軍を山岳部に誘導(dǎo)し、5月から6月にかけて國(guó)民黨軍8萬(wàn)3000人を殲滅した。

共産黨軍は、國(guó)共內(nèi)戦の三大戦役と呼ばれる遼瀋戦役（東北地方）、淮海戦役（山東省南部、江蘇省、安徽省北部）、平津戦役（北京、天津）などにいずれも大勝した。1949年6月には、國(guó)民黨側(cè)の兵力は約149萬(wàn)人にまで減少し、共産黨の兵力は400萬(wàn)人にまで膨らんでいた。

共産黨軍は49年4月23日には南京、5月16日には漢口、同月20日には上海、6月12日には青島と、主要都市を次々に占領(lǐng)していった。また、1947年7月には最初の少數(shù)民族自治區(qū)として內(nèi)モンゴル自治區(qū)を成立させていた。

毛沢東が1949年10月1日に中華人民共和國(guó)の成立を宣言した時(shí)點(diǎn)で、國(guó)民黨は華南地方と內(nèi)陸地方である西南地方をまだ支配していた。しかし、共産黨の「雪崩式大勝利」を押しとどめるのは、不可能な情勢(shì)だった。

49年10月14日には広州が、11月30日には重慶が、12月27日には成都が陥落した。共産黨側(cè)は1950年春までには新疆の全域を占領(lǐng)。さらに50年4月7日には現(xiàn)在の四川省西部の西昌を支配下に置いた。これで、中國(guó)大陸部から國(guó)民黨勢(shì)力はほぼ駆逐された。國(guó)民黨は1949年12月7日付で、臺(tái)北を臨時(shí)首都とした。

ただし雲(yún)南省とビルマ?ラオスの國(guó)境地帯では1960年ごろまでゲリラ戦が発生した。國(guó)民黨元兵士の一部はタイ北部に移動(dòng)して麻薬の製造や密輸を財(cái)源としていたが、1972年にはタイ王國(guó)軍に帰順して共産ゲリラの掃討作戦に參加するようになった。ゲリラ掃討作戦の終了後は武裝解除され、タイ政府から居住権を與えられ、観光業(yè)や農(nóng)業(yè)に従事するようになったという。

島嶼部については、海南島が1950年5月1日には中華人民共和國(guó)の支配下に入った。また、同年5月16日には舟山諸島が、8月4日には萬(wàn)山諸島が共産黨軍に占領(lǐng)された。また、人民解放軍は1950年から51年にかけてチベットに侵攻し、ガンデンポタン（チベット政府）関係者に17カ條を締結(jié)させることで、現(xiàn)在のチベット自治區(qū)を中華人民共和國(guó)の一部に組み込んだ。ただしガンデンポタンは同時(shí)點(diǎn)では機(jī)能を維持し、チベット人による「獨(dú)立的自治」はしばらく存続することになった。

中國(guó)の周辺では、1950年6月に北朝鮮軍の侵攻により朝鮮戦爭(zhēng)が始まった。米軍を中心とする國(guó)連軍の參戦で北朝鮮が著しく劣勢(shì)になると、中國(guó)は同年10月19日に「中國(guó)人民志願(yuàn)軍」の名義で參戦した。

米國(guó)は臺(tái)灣に逃れた國(guó)民黨政権を見(jiàn)放すつもりでいた。トルーマン米大統(tǒng)領(lǐng)は1950年1月、「臺(tái)灣不干渉聲明」を発表した。中國(guó)人民解放軍が臺(tái)灣に侵攻しても米國(guó)は介入しないとの意思表示だった。

しかし朝鮮戦爭(zhēng)が勃発すると米國(guó)はただちに第7艦隊(duì)を臺(tái)灣海峽に派遣した。米國(guó)は朝鮮戦爭(zhēng)で共産主義勢(shì)力の脅威を改めて痛感し、「臺(tái)灣防衛(wèi)は自國(guó)にとって不可欠」と考え方を転換した。このことが、臺(tái)灣海峽両岸の「政治地図」を長(zhǎng)く固定することにつながった。

【1949年のその他の出來(lái)事】

?法隆寺金堂の壁畫(huà)が焼失（1月）

?中國(guó)人民解放軍が北京に入城（1月）

?大阪で「スポーツニッポン」が創(chuàng)刊（2月）

?學(xué)制改革により?yáng)|京物理學(xué)校が東京理科大學(xué)になる（4月）

?中國(guó)人民解放軍が中華民國(guó)首都の南京を占領(lǐng)（4月）

?中華民國(guó)が臺(tái)灣全體に戒厳を施行（5月）

?ドイツ連邦共和國(guó)（西ドイツ）政府が発足（5月）

?北朝鮮労働が南朝鮮労働黨を事実上の吸収、朝鮮労働黨に（6月）

?英國(guó)で映畫(huà)「第三の男」を公開(kāi)（9月）

?ソ連がカザフスタンのセミパラチンスクで初の原爆実験（8月）

?ドイツ民主共和國(guó)（東ドイツ）が発足（10月）

?京都市內(nèi)で和江商事株式會(huì)社（現(xiàn)、ワコール）創(chuàng)立（10月）

?お年玉付き年賀はがきが登場(chǎng)（12月）

?湯川秀樹(shù)が日本人として初めてノーベル賞（物理學(xué)賞）を受賞（12月）

?韓國(guó)軍が共産勢(shì)力に協(xié)力したなどとして非武裝の住人88人を殺害（聞慶虐殺事件）（12月）

■筆者プロフィール：如月隼人

1958年生まれ、東京出身。東京大學(xué)教養(yǎng)學(xué)部基礎(chǔ)科學(xué)科卒。日本では數(shù)學(xué)とその他の科學(xué)分野を勉強(qiáng)し、その後は北京に留學(xué)して民族音楽理論を?qū)煿?。日本に戻ってからは食べるために編集記者を稼業(yè)とするようになり、ついのめりこむ。毎日せっせとインターネットで記事を発表する。「中國(guó)の空気」を読者の皆様に感じていただきたいとの想いで、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執(zhí)筆。中國(guó)については嫌悪でも惑溺でもなく、「言いたいことを言っておくのが自分にとっても相手にとっても結(jié)局は得」が信條。硬軟取り混ぜて幅広く情報(bào)を発信。

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