過(guò)去の長(zhǎng)い時(shí)期にわたり、「メイド?イン?ジャパン」は誠(chéng)実で、確かで、信頼できることの代名詞だった。日本企業(yè)のイメージを語(yǔ)る時(shí)には、「磨きに磨きをかける」とか「匠の精神」とかいった言葉がしばしば使われていた。だが2017年になると、相次ぐ有名企業(yè)の不祥事により、「メイド?イン?ジャパン」には暗い影が差すようになった。一體、「メイド?イン?ジャパン」神話にどのように向き合えばよいのだろうか。北京日?qǐng)?bào)が伝えた。（文：袁堂軍?復(fù)旦大學(xué)経済學(xué)院教授、同大アジア経済研究センター長(zhǎng)）

現(xiàn)代の企業(yè)の不正行為は大まかにいって製品の技術(shù)指標(biāo)の改ざんと財(cái)務(wù)報(bào)告データのねつ造の2種類に分けられ、社會(huì)経済學(xué)的な2つの基本知識(shí)に基づいて解説すると、まず企業(yè)とは利益の最大化を追求するエコノミーであり、利己的な性質(zhì)を有しているものだといえる。また、監(jiān)督管理制度が不備で、市場(chǎng)に関する情が不透明であるという狀況の中では、売り手は情報(bào)の非対稱性を利用したり、非対稱性を自ら生み出したりして、自身の利益の最大化を追求する傾向があるといえる。

企業(yè)が不正行為を働くかどうかは、経営陣の価値観や道徳レベルによって決まるだけでなく、企業(yè)文化とガバナンス制度が整っているかどうかも影響する。そこで取引の公平性を保ち消費(fèi)者の利益を保護(hù)しようとするなら、企業(yè)の自律性と覚悟に期待するだけではだめだ。

ここ數(shù)年間に起きた日本企業(yè)の一連の不正事件を詳しくみていくと、3つの特徴があることがわかる。1つ目は不正があった企業(yè)のほとんどが技術(shù)指標(biāo)の改ざんを行っていること。2つ目は企業(yè)內(nèi)部の人および関係者の告発によって不正が明らかになったケースが多いこと。3つ目は不正は06年以降に集中的に発生していることだ。こうした特徴の背後に、日本企業(yè)が直面する経営環(huán)境の変化がうかがえ、日本の企業(yè)文化や企業(yè)のガバナンスモデルに存在する構(gòu)造的問(wèn)題が浮かび上がってくる。

1960年代後半以降、日本政府の産業(yè)政策においても企業(yè)の自主的な発展プランにおいても、海外市場(chǎng)を開(kāi)拓して外需を拡大するために、革新と品質(zhì)の重要性が認(rèn)識(shí)されるようになった?！改脕?lái)主義」（海外のよいものは取り入れて自國(guó)の発展に役立てようとする考え方）を基礎(chǔ)に、科學(xué)技術(shù)への投資を増やし、「匠の精神」を存分に発揮して、磨きに磨きをかけた高い標(biāo)準(zhǔn)の日本製品を作り出し、かくて「メイド?イン?ジャパン」は世界で高く評(píng)価されるようになった。だが経済の一層の発展にともない、日本では人件費(fèi)が高騰し、企業(yè)はよりよい業(yè)績(jī)を上げるため、品質(zhì)向上と品質(zhì)管理をとことんまで追求するようになった。これと同時(shí)に、企業(yè)は長(zhǎng)らく相対的に安定した取引関係を保っていたため、國(guó)際競(jìng)爭(zhēng)環(huán)境の変化への対応や新しい科學(xué)技術(shù)ツールを運(yùn)用した経営モデルの改善への反応が鈍かった。

90年代初期になると、バブル経済が崩壊し、日本経済は成長(zhǎng)力が不足し、「失われた20年」に突入した。大企業(yè)はコストを引き下げ、市場(chǎng)を獲得するため、海外直接投資へと次々にかじを切り、供給チェーンにある関連企業(yè)は大企業(yè)の後を追って海外に進(jìn)出し、國(guó)際分業(yè)競(jìng)爭(zhēng)に乗り出すか、あるいは日本にとどまって製造業(yè)の空洞化の進(jìn)行に直面し、モデル転換?バージョンアップを図るか、どちらかになった。だがどちらを選択するにせよ、企業(yè)はそれまでの生産?経営モデルを改善して新しい競(jìng)爭(zhēng)環(huán)境や新ルールに適応せざるを得なくなった。特に00年以降は、新興國(guó)の勃興にともない、グローバル分業(yè)モデルがバリューチェーン分業(yè)時(shí)代に突入した。バリューチェーンの中にいる企業(yè)は世界中の大勢(shì)のライバルたちと戦わざるを得なくなり、最も優(yōu)れた製品しか最終的に市場(chǎng)の評(píng)価を得られなくなった。そこで日本企業(yè)の経営者も管理職も従業(yè)員も、より質(zhì)の高い製品を求めて極限まで努力したため、過(guò)労?jiǎn)栴}や不正行為がしばしば発生するようになった。

日本社會(huì)や企業(yè)文化について語(yǔ)る時(shí)、「集団主義」ということがよく言われる。集団主義のプラスの側(cè)面として、企業(yè)內(nèi)部の人々が協(xié)力して一致団結(jié)し、相対的に獨(dú)立した供給チェーンによる経営モデルの下、企業(yè)內(nèi)部と関連企業(yè)の資源を統(tǒng)合し、その優(yōu)位性を存分に発揮するということがある。だが同時(shí)に、日本社會(huì)には「イエ文化」の伝統(tǒng)が根付いており、これが企業(yè)文化にもしみこんで、「ムラ文化」などと言われてもいる?！竷?nèi)と外は別」で閉鎖性が強(qiáng)く、これに年功序列の職場(chǎng)の慣習(xí)が加わり、日本企業(yè)獨(dú)特の「身內(nèi)の恥は外に漏らすな」という企業(yè)統(tǒng)治の傾向が生まれた。企業(yè)に不正行為があっても、それは「內(nèi)輪の出來(lái)事」とみなされ、隠蔽され、企業(yè)は外部の目から庇護(hù)される。品質(zhì)改良や管理の取り組みに限界がある中、利益の最大化を追求する一連の企業(yè)が行き詰まって不正に手を染めても、告発されることはまれだ。

日本の企業(yè)管理制度と社會(huì)制度は受け身であれ、主體的であれ、今や自分で自分を否定するしかない段階に近づいたか到達(dá)している。

これまでの自己完結(jié)の閉鎖型日本企業(yè)文化は、新しい科學(xué)技術(shù)の波に押されて徐々に崩壊している。モノのインターネット（IoT）やセンサーといった新技術(shù)が普及し、人と人、企業(yè)と企業(yè)との情報(bào)のやりとりがますます便利になり、部品の調(diào)達(dá)ルートもますます多様化し、國(guó)境を越えた企業(yè)間の提攜や協(xié)力がますます頻繁に行われるようになり、こうした動(dòng)きにともなって製品の指標(biāo)や故障の検査測(cè)定もこれまでよりずっと容易になった。ビッグデータと人工知能（AI）の時(shí)代が到來(lái)して、改ざんなどの不正行為が検出されやすくなり、これまでにないほど世界規(guī)模での問(wèn)題拡散ペースが速まり、問(wèn)題が可視化されるようになったということだ。不正行為の発覚が企業(yè)に與えるマイナス影響も今後ますます大きくなるとみられる。

確かなことは、情報(bào)がますます可視化される未來(lái)の環(huán)境の中、危機(jī)管理モデルでは內(nèi)側(cè)を向いた閉鎖的な隠蔽モデルに別れを告げ、時(shí)代の変化に主體的に順応し、十分な信用を保障するシステムと製品の欠陥を警告するメカニズムを再構(gòu)築するというのが、企業(yè)が國(guó)際競(jìng)爭(zhēng)力をつける上でますます欠かせない取り組みになっているということだ。日本の有名企業(yè)の不正問(wèn)題が明らかになるにつれ、「メイド?イン?ジャパン」の輝きが全體として薄れてきており、これは「メイド?イン?チャイナ」にとってはまたとないチャンスだ。だが中國(guó)が制度の構(gòu)築や進(jìn)歩を積極的に探求せず、日本企業(yè)が思い切った方法でこれまでの企業(yè)文化の悪習(xí)に別れを告げ、國(guó)際的企業(yè)文化を身につけた企業(yè)への転身に成功し、國(guó)際標(biāo)準(zhǔn)の企業(yè)統(tǒng)治モデルを?qū)g現(xiàn)させたなら、中國(guó)の製造業(yè)企業(yè)はこれまでよりもっと大きな課題に直面することになる。（提供/人民網(wǎng)日本語(yǔ)版?編集/KS）