月刊中國ニュース 2018年3月8日(木) 18時50分
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アジアインフラ投資銀行発足にイギリスのEU離脫決定、米國にトランプ政権誕生…と、世界に大きな動きが続く時代。そんななか、日本と中國が共存共栄していくためには一體何が重要なのか?寫真は田中哲二氏。
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アジアインフラ投資銀行発足にイギリスのEU離脫決定、米國にトランプ政権誕生…と、世界に大きな動きが続く時代。そんななか、日本と中國が共存共栄していくためには一體何が重要なのか?日中國交正?;贬幛榻鹑?経済交流に攜わってきた日銀マンで、後にキルギス共和國大統(tǒng)領(lǐng)経済顧問に就任?,F(xiàn)在も中央アジア諸國で政府顧問?大臣顧問として活躍する金融経済學(xué)者?田中哲二先生(兼中國研究所會長)に、日本と中國の理想的な未來について語っていただいた。
【その他の寫真】
■初めて中國に行かれたのはいつだったのでしょう?
1973年の初夏に、日銀が派遣した第1回正式訪中団のメンバー5人の最若手として參加したのが最初。戦後すぐの頃から日中経済交流推進に盡力し、國交正?;螌g現(xiàn)にも多大な貢獻をされた岡崎嘉平太さんが日銀出身という縁もあって、中國人民銀行と日銀の交流が始まりました。この交流は後に2年に一度の実務(wù)代表団の相互派遣という形になり永続しており、そちらでも何度も訪中しました。
■印象深い出來事はありましたか?
初期の交流內(nèi)容は、中國が社會主義計畫経済から市場経済へ大きく舵を切るときに必要となる中央銀行の役割と金融政策のノウハウを伝えること。もし日銀のような中央銀行にするなら、留意した方がいい點や必要な法律などを議論したりすることでした。ところが、最初に會った人民銀行の信貸計畫局長に「金融の話をする前に私たちは國民生活を考えなければいけません。まず、7億人(當(dāng)時の中國の人口)×3食の食事を提供するのが私たちの責(zé)任です」と言われ、それがとても印象に殘っています。中國は大きく深い、金融だけでなく常に國民経済全體の大枠を考えないといけないのだと感じさせた一言でした。
■周恩來さんに會ったこともあるそうですね。
日銀の大先輩?岡崎嘉平太さん、前川?三重野両総裁、大蔵省元財務(wù)官等の隨行で、歴代の人民銀行行長、廖承志、汪道涵、周恩來、姚依林、田紀(jì)雲(yún)といった方々にお目に掛かっています。中國の大人とはこういうものかという強い印象を持ちました。特に、周恩來さんは、巨大なカリスマ性を持った懐の深い老練な外交官という印象?!?a target='_blank' href='http://www.wenhuatang.com/search.php?filter=中日'>中日両國は子々孫々まで互いに引っ越しできない間柄、中日友誼の確立?継続には若い世代の責(zé)任は大きい」といった內(nèi)容の話をされたという記憶があります。多感な若い頃にこうした方々の直接の謦咳(けいがい)に接したことは非常に大きな経験でした。
■近年の日本では、中國の急速な國力拡大を危懼する聲もあるように思います。田中先生はどう感じておられますか?
確かに、日本が中國の大きな経済発展と軍事力の強化に対してある種の危懼を抱き始めていることは事実です。しかし、日中が相手を警戒し合っていたのでは東アジアの平和は成り立ちません。地政學(xué)的に隣接しているだけに紛爭が起きやすい要素が多分にあるからこそ、お互いの文化や歴史を?qū)Wび合い、平和実現(xiàn)のためには、日中間には共通の部分も多く、平和の実現(xiàn)は日中雙方の利益に資するのだという確信を持って活動できる政治家や経済人を育成することが必要。かつての岡崎さんと周恩來さんのように、両國間で摩擦や問題が起きてもよく話し合い穏便に処理していけるような人間関係?パイプをもっと育成することが必要だと思います。
■中國の「一帯一路構(gòu)想」と「AIIB」設(shè)立に関して、先生はどう思われますか。また、それによって、これから世界はどう変わり、中國と日本はどうあるべきだとお考えでしょうか?
あくまで一つの可能性ですが、今世界は大航海時代に始まるヨーロッパ主導(dǎo)の「海の時代」からユーラシア大陸を陸路で人?物?金が往來する「陸の時代」へ移行しようとしている。その具體的な動きが「一帯一路」で、例えば、重慶?ドイツ?デュイスブルク間を結(jié)ぶ鉄道をはじめ、ユーラシア大陸全土が鉄道網(wǎng)とハイウェイで結(jié)ばれ、新しい経済圏形成に向かっている。その中心にいるのが中國です。日本はこれまで島國としてより多く海の恩恵を受けてきましたが、この政治経済の新しい動きに対し協(xié)力できる分野を明確にしてできる限り早く參加していく必要があります。
一方、「陸の時代」の中心となる中國にとって重要なのは、まずは「海の時代」のリーダー國が陥りつつある「自國優(yōu)先主義」のような自國の利益ばかりを求めるのではなく、周辺の國々や民族にも利益になるシステムを作り上げること。また、大國は「國際公共財」を提供しその活動を擔(dān)保していく責(zé)務(wù)があります?!窤IIB」はこれに當(dāng)たりますが、日本は國際金融機関の健全かつ効率的運営の視點から協(xié)力していくことが必要です。大國には盛衰があります。數(shù)百年後に振り返ったとき「陸の時代を擔(dān)った大國は、他の民族のことも考えて大國としての責(zé)任を果たした」と言われるような、大國としての矜持を持ってほしいと思います。また、古代ローマのような本當(dāng)の意味での世界帝國になるには、文化や哲學(xué)といったものを含め、周辺と共存できるような新中國文明を発信することが大切です。
繰り返しになりますが、日本が新経済圏に參加する上でも、中國が周辺諸國を受け入れる上でも必要不可欠なのが、アジア的なものを含め相互の文化的?歴史的理解の姿勢です。以上が、シンパシーを持ちながら長年日中問題を見続けてきたサイエンティスト?エコノミストとしての私の意見です。(提供/月刊中國ニュース)
田中哲二(たなか?てつじ)
1942年埼玉県生れ、東京外國語大學(xué)中國語學(xué)科卒。1967年日本銀行入行、約30年間勤務(wù)。1993年日銀參事?考査役からIMF?日銀の派遣でキルギス中央銀行最高顧問、同大統(tǒng)領(lǐng)経済顧問およびカザフスタン経済?予算大臣顧問を務(wù)める。帰國後、東芝?常勤顧問、三井化學(xué)社外取締役の傍ら、國連大學(xué)學(xué)長上級顧問?,F(xiàn)在、(一社)中國研究所會長、(NPO)中央アジア?コーカサス研究所所長、國士館大學(xué)大學(xué)院客員教授など多彩な活動を続ける。専攻は日本金融論、國際金融論、開発経済論、著書として「お金の履歴書」、「キルギス大統(tǒng)領(lǐng)顧問日記」など。
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