2012年1月16日、中國(guó)経済に詳しい柯隆?富士通総研上席主任研究員は日本記者クラブで記者會(huì)見(jiàn)し、2012年の中國(guó)の経済見(jiàn)通しについて、「物価の落ち著きとともに経済を刺激する方向に政策が動(dòng)き、高い成長(zhǎng)率を維持する」との見(jiàn)通しを明らかにした。懸念材料として、依然くすぶるバブルと格差拡大などを列挙。1960年代の文化大革命の10年間、（儒教など）古典を教えなかった後遺癥で拝金主義がまん延し「信用秩序」が混亂、このままではサステナビリティ（持続可能性）の問(wèn)題に直結(jié)する可能性もあるとの見(jiàn)方を示した。発言の要旨は次の通り。

【その他の寫真】

中國(guó)経済の2011年のGDPの伸び（9．2％）は前年（10．3％）より1％程度下がったが、潛在的な経済成長(zhǎng)率は約9％なので評(píng)価できる。一番の強(qiáng)みは52％という貯蓄率の高さで、これが投資を支え、経済をけん引している。ギリシャ、スペイン、イタリア、米國(guó)など信用危機(jī)に直面している國(guó)は軒並みマイナスとなっている。米國(guó)ウォール街で米國(guó)の基幹産業(yè)は何かと聞いたら「消費(fèi)」との答えが多く驚いた。

歐米の景気後退の中國(guó)への影響は予想より少ない。歐州の購(gòu)買力減退から高級(jí)品は落ち込むが、中國(guó)の輸出品は安価な生活必需品が多く大きく落ち込まない。中國(guó)からの投資資金引き揚(yáng)げは1000億?2000億ドルにとどまっており、3兆ドルの外貨準(zhǔn)備から見(jiàn)れば微々たるものだ。

中國(guó)政府は「安定の中で成長(zhǎng)を推進(jìn)する」とのスローガンを掲げており、物価の落ち著きとともに金融緩和など経済を刺激する方向に政策が動(dòng)くことになる。2月から年金受給者への支給額を一人當(dāng)たり10％増やすことも寄與しよう。今年秋の胡錦濤國(guó)家主席、溫家寶首相の退任に花道をつくる意味でも、高い成長(zhǎng)率を維持する見(jiàn)通しだ。

リスクと課題はバブルとインフレ。住宅価格は中級(jí)物件は下がっているものの、需要の強(qiáng)い低所得者向けと富裕層の投資が多い高級(jí)物件はほとんど下落していない。物価水準(zhǔn)は食品は一般物価は小康狀態(tài)にあり、高かった食品価格も収穫期後との季節(jié)的要因もあり沈靜化している。家電、自動(dòng)車など工業(yè)製品はむしろデフレ狀態(tài)だ。ただ中國(guó)では物流システムが大幅に遅れており、合理化が急務(wù)である。

問(wèn)題は拡大する格差。極端に低い労働分配率の向上が急務(wù)で、（1）労働組合活動(dòng)の認(rèn)可、（2）農(nóng)民組織の再構(gòu)築（3）賃金所得に限定されている累進(jìn)課稅の拡大強(qiáng)化、（4）相続稅の導(dǎo)入―などが考えられている。

中國(guó)政府は「社會(huì)主義體制下での市場(chǎng)資本主義」を繰り返し強(qiáng)調(diào)しているが、制度や社會(huì)基盤が整わず、「信用秩序」が混亂。1960年代の文化大革命の10年間、（儒教など）古典を教えなかった後遺癥で拝金主義がまん延している。このままではサステナビリティ（持続可能性）の問(wèn)題に直結(jié)しよう。

中國(guó)のものづくりの力は産業(yè)機(jī)械や金型などが目に見(jiàn)えて成長(zhǎng)。中核的な自動(dòng)車や半導(dǎo)體などは依然先進(jìn)國(guó)とギャップがあるが、工業(yè)製品も相當(dāng)力をつけてきている。中國(guó)には日本企業(yè)が2萬(wàn)5千社、関連企業(yè)も含めれば4萬(wàn)社も進(jìn)出しており、世界の成長(zhǎng)センターの中國(guó)市場(chǎng)は重要だ。日本企業(yè)は価格競(jìng)爭(zhēng)力や単なる機(jī)能だけで中國(guó)企業(yè)と張り合ってはいけない。技術(shù)革新のさらなる強(qiáng)化はもちろん、ブランド力向上とサービス強(qiáng)化が必要だ。10萬(wàn)円以上の高額で売っているスイスのブランド時(shí)計(jì)を見(jiàn)習(xí)う必要がある。（取材?編集HY）