今年のゴールデンウイークに私が香港へ行った際、ホテルでよく香港のフェニックステレビ（鳳凰衛(wèi)視）を見(jiàn)ていた。私が好きなテレビ局である。內(nèi)容と表現(xiàn)力が豊かで、アバンギャルドである。

そして、日本のテレビ番組と比べて明らかに違う點(diǎn)を見(jiàn)つけた。まず、フェニックステレビでは情報(bào)番組が多く、対談形式の番組を多く扱い、ニュースキャスターが鋭い観點(diǎn)を持って、ニュースを伝えている。

日本のテレビにはバラエティー番組が多く、情報(bào)番組の中でも大勢(shì)の蕓能人が笑いながらコメントを言い合う。情報(bào)を伝えるより、番組を盛り上げるのが目的のようだ。実際の日本人の多くが靜かなのに対し、テレビの中の蕓能人が居酒屋のような雰囲気を作り上げているのはなぜだろうか。

そう言えば、日本のテレビには蕓能人のコメンテーターが多い。どんな分野のことでも蕓能人の意見(jiàn)を求める。中國(guó)のテレビ局でも香港のテレビ局でも、蕓能人がコメンテーターになるのは極めて少ない。

さらに、フェニックステレビは國(guó)際報(bào)道が豊富で、世界各地で現(xiàn)地記者を採(cǎi)用し、中國(guó)語(yǔ)が上手ではなくても、記者たちが現(xiàn)場(chǎng)でマイクを握って生々しく最前線の報(bào)道を懸命に伝える。つまり、世界各地の「今」が伝えられている。

日本のテレビに関する國(guó)際ニュースの伝え方と言えば、あくまでも日本と関係ある情報(bào)を優(yōu)先している。例えば、世界的な分野別のランキングの中で、日本の順位はどうなっているのか、ということがよく報(bào)道されている。また、海外で事件が起きた際は、日本人が巻き込まれていうるかどうか、「乗客に日本人はいませんでした」と、日本人の安否に関する情報(bào)を冒頭で伝えることが多い。

4年前に南シナ海の上空で、乗員乗客239人を乗せた「マレーシア航空370便」が姿を消した事故があった。當(dāng)時(shí)、日本では「乗客に日本人はいませんでした」程度の情報(bào)しか伝えない報(bào)道が目立った。この報(bào)道の仕方から、テレビ局などマスコミから露呈された「無(wú)関心さ」は明らかであった。マレーシア、中國(guó)、ベトナム、アメリカなど関係國(guó)に駐在している日本の記者たちが、このように重大な事故を伝える姿は見(jiàn)られなかった。

1998年、歌手の中島みゆきさんが「4．2．3．」という歌を歌った。この曲は、1997年のペルー日本國(guó)大使公邸占拠事件をモチーフとしている。以下は歌詞の一部である。

「この國(guó)は危い 何度でも同じあやまちを繰り返すだろう 平和を望むといいながらも日本と名の付いていないものにならばいくらだって冷たくなれるのだろう」

1996年12月、在ペルー日本大使公邸占拠事件が発生。多數(shù)の日本人が人質(zhì)となった。そして事件は年を越え1997年4月22日、時(shí)のフジモリ大統(tǒng)領(lǐng)の指示で突撃したペルーの兵士により鎮(zhèn)圧された。テロ組織のメンバーは全員射殺。日本人は全員無(wú)事であることをテレビ局生中継でレポーターは叫んでいた。

「4．2．3．」という歌、現(xiàn)在でも日本と世界の繋がり方について啓示する意味がある。自國(guó)民さえ無(wú)事なら、他の國(guó)の人などどうでもいい。日本だけ良ければ良い。日本だけ美しさを保てれば良い。世界中に何かあっても、日本に損がなければ良い。そういう考え方はすでに時(shí)代に遅れているのではないか。海も空も簡(jiǎn)単に超える世の中になっている。

テレビ局の國(guó)際報(bào)道の話に戻る。狹い土地である香港にあるフェニックステレビはグローバルな視點(diǎn)で國(guó)際報(bào)道をしている。中國(guó)のテレビ局でも國(guó)際報(bào)道チャンネルを設(shè)け「外向き」の姿勢(shì)を示している。日本のテレビ番組が海外取材に出ても、主に海外で暮らす日本人を探す。つまり、「內(nèi)向き」の報(bào)道スタイルである。あえて言えば、日本では報(bào)道は自由だけど、國(guó)際的な視野が欠けている。

余談だが、今、朝鮮半島問(wèn)題の中、日本の立場(chǎng)が微妙である。蚊帳の外に置かれることを否定しても、韓國(guó)を通して北朝鮮の意思が伝えられてきたのは事実であった。

4月27日の南北首脳會(huì)談で、韓國(guó)の文在寅（ムン?ジェイン）大統(tǒng)領(lǐng)が、北朝鮮の金正恩（キム?ジョンウン）委員長(zhǎng)に日本人の拉致問(wèn)題を提起した際、金委員長(zhǎng)が「なぜ、日本は直接言ってこないのか」と語(yǔ)っていたという。日本は言いたくないのではなく、言えないのだろう。広い視野の國(guó)際報(bào)道が求められると共に、政治?外交でも島國(guó)根性を超える度胸を見(jiàn)せる時(shí)代がやってきたのかもしれない。

■筆者プロフィール：黃 文葦

在日中國(guó)人作家。日中の大學(xué)でマスコミを?qū)煿イ贰I國(guó)のマスコミに従事。十?dāng)?shù)年間マスコミの現(xiàn)場(chǎng)を経験した後、2009年から留學(xué)生教育に攜わる仕事に従事。2015年日本のある學(xué)校法人の理事に就任?，F(xiàn)在、教育?社會(huì)?文化領(lǐng)域の課題を中心に、関連のコラムを執(zhí)筆中。2000年の來(lái)日以降、中國(guó)語(yǔ)と日本語(yǔ)の言語(yǔ)で執(zhí)筆すること及び両國(guó)の「真実」を相手國(guó)に伝えることを模索している。

■筆者プロフィール：黃 文葦

在日中國(guó)人作家。日中の大學(xué)でマスコミを?qū)煿イ?、両國(guó)のマスコミに従事。十?dāng)?shù)年間マスコミの現(xiàn)場(chǎng)を経験した後、2009年から留學(xué)生教育に攜わる仕事に従事。2015年日本のある學(xué)校法人の理事に就任?，F(xiàn)在、教育?社會(huì)?文化領(lǐng)域の課題を中心に、関連のコラムを執(zhí)筆中。2000年の來(lái)日以降、中國(guó)語(yǔ)と日本語(yǔ)の言語(yǔ)で執(zhí)筆すること及び両國(guó)の「真実」を相手國(guó)に伝えることを模索している。

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