近年の中國(guó)海軍の圧倒的な艦船建造能力などと比べ、現(xiàn)狀を悲観的に見(jiàn)るアメリカ海軍関係者の発言について書(shū)かれた2018年4月23日付のニューズウィーク（英語(yǔ)版）の記事が、多くの中國(guó)語(yǔ)メディアで紹介されている。

ニューズウィークの記事では、中國(guó)の1隻目の空母遼寧と、2隻目の空母001A型を比べて「空母遼寧のような古いソ連の空母の改裝と、リバースエンジニアリングの助けを借りているとしても、完全に最初から建造するのはまったく別のことだ」とワシントンD．C．のシンクタンクCSIS研究員マシュー?ファニオリの発言を掲載し、中國(guó)の空母建造技術(shù)が著実に進(jìn)歩していることを伝え、一流の艦船ではないにせよ中國(guó)はおおよそ6?10隻の空母を配備したがっているようだとしている。

同記事では、テレンス?エドワード?マックナイト海軍少將（退役）が、アメリカは中國(guó)より強(qiáng)力な海軍を持っているが、その差は日々縮まっているとし、「アメリカは今では中國(guó)の建造速度に追いつけなくなった」とする発言を掲載している。さらにマックナイトは、（より遠(yuǎn)い所への）戦力の投射は自國(guó)付近で戦うより難しいとして、中國(guó)はカリフォルニア沿岸では米海軍に決して勝てないであろうことは知っているが、（アメリカが）南シナ海で中國(guó)の大量の戦力と戦うのには大きな問(wèn)題があるとしている。

ニューズウィークの記事では、中國(guó)の戦力の伸張と既成事実形成の絶望的な狀況を「中國(guó)の裏庭（南シナ海のこと）で中國(guó)に挑戦するのはすでに遅い」と表現(xiàn)し、抗議したにもかかわらず係爭(zhēng)中の南シナ海の人工島を中國(guó)が効果的に要塞化することを止めることも遅らせることもできなかったとして、「この10年中東でアメリカ軍の若い兵士たちが激しく戦って死んだが、中國(guó)は1人の兵士も失うことなく南シナ海を支配している」とするマックナイト少將（退役）の発言を載せている。

今年3月、南シナ海で空母遼寧を含む40隻以上の中國(guó)海軍艦艇が二列に隊(duì)列を組んで航行する衛(wèi)星寫(xiě)真が報(bào)道された。南シナ海で行われた海軍閲兵式では習(xí)近平が強(qiáng)固な海軍の建造が急務(wù)だと強(qiáng)調(diào)している。

4月18日には中國(guó)海軍が臺(tái)灣海峽で実弾演習(xí)を行ったと人民網(wǎng)が伝えており、さらに空母遼寧を含む中國(guó)艦隊(duì)は南シナ海、東シナ海、西太平洋に展開(kāi)し訓(xùn)練を行っている。ただし空母遼寧は臺(tái)灣海峽の演習(xí)には參加していない。これについて中國(guó)新聞網(wǎng)（4月25日付）では北京シンクタンク遠(yuǎn)望（Foresight）の研究員?王強(qiáng)の発言として、「臺(tái)灣海峽の幅はわずか200キロメートル前後しかなく、中國(guó)本土沿岸の陸上基地からの航空部隊(duì)によってすぐに制空権を奪取できる」「臺(tái)灣海峽の狹い水域では空母は自由に活動(dòng)することができず、たやすく潛水艦の待ち伏せ攻撃に遭遇する」としている。

中國(guó)は驚異的な速度で艦船の建造を進(jìn)めている。22型ミサイル艇（紅稗型）をはじめ、052C型駆逐艦（蘭州級(jí)）、054A型ミサイル?フリゲート（江凱II型）の建造速度は世界を驚かせた。

中國(guó)の造船所に休日はない。日曜も祝日も8時(shí)間シフトの三交代制で作業(yè)が進(jìn)められており、休業(yè)を要求するような組合もない。中國(guó)の大型船の大部分の建造にはモジュールが使用され、複數(shù)の造船所で建造されたモジュールを1カ所に集めて船の基本構(gòu)造を造る。そのため建造に必要となる膨大な時(shí)間を短縮できる。

中國(guó)は長(zhǎng)期的な海軍艦船建造計(jì)畫(huà)を公表していないが、アンドリュー?エリクソン編集『中國(guó)海軍艦船建造』によれば、現(xiàn)在の動(dòng)向が維持されるなら、最大見(jiàn)積もりで中國(guó)海軍は2030年までに432隻の水上艦と99隻の潛水艦を持つことになるとしている。これに対するアメリカ海軍の艦船は350隻程度である。

現(xiàn)在、中國(guó)で就役している空母は遼寧の1隻だけだ。遼寧は元はソ連の未完成空母であり、ソ連が崩壊した後ウクライナで放置されていたもので、中國(guó)が手を加え空母として使用できる狀態(tài)にまでした?，F(xiàn)在中國(guó)では遼寧に続き2隻目の空母である001A型の建造が終わろうとしている。001A型空母は艦橋や格納庫(kù)の配置などが違っているが、基本的な形は遼寧を踏襲しており、スキージャンプ式通常動(dòng)力空母となる。

001A型が遼寧と決定的に違っているのが、中國(guó)が一から建造している點(diǎn)であり、中國(guó)が著実に空母の建造技術(shù)を進(jìn)歩させていることがわかる。ここ數(shù)日で、多くのメディアが001A型空母の公試運(yùn)転が近いであろうことを報(bào)道している。

さらに中國(guó)は2017年から上海造船所で3隻目の空母002型の建造を始めているとされる。この空母は噂によればカタパルトを採(cǎi)用した通常動(dòng)力型空母と言われており、もしも事実ならスキージャンプ式よりはるかに能力の高い有力な空母となるだろう。

人民網(wǎng)（4月25日付）の記事では、軍事専門(mén)家杜文龍の発言として、中國(guó)海軍は成長(zhǎng)しているが、一流海軍と比べるとまだ多くの面での迅速な飛躍が必要で、たとえば空母の數(shù)や大きさ（排水量）にはまだ増大する余地があり、海上補(bǔ)給能力と調(diào)和した進(jìn)歩があってはじめて遠(yuǎn)く離れた海域の支配能力を大きく伸ばせるとしている。中國(guó)の2018年度の國(guó)防予算は前年度に比べて8．1%増えている。

■筆者プロフィール：洲良はるき

大阪在住のアマチュア軍事研究家。翻訳家やライターとして活動(dòng)する一方で、ブログやツイッターで英語(yǔ)?中國(guó)語(yǔ)の軍事関係の報(bào)道や論文?レポートなどの紹介と解説をしている。月刊『軍事研究』に最新型ステルス爆撃機(jī)「B-21レイダー」の記事を投稿。これまで主に取り扱ってきたのは最新軍用航空機(jī)関連。

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