<日本人が見た中國>憎しみや爭いからは何も生まれない

Record China    2012年2月22日(水) 12時2分

拡大

中國では毎年、歴史を題材とした映畫、ドラマが多く公開されている。つい先ごろも、舊日本軍侵略下の南京を題材にした映畫が中國で話題になった。寫真は文中で觸れられている映畫「ザ?フラワーズ?オブ?ウォー」のスチール。

(1 / 4 枚)

※中國に渡って10年。現(xiàn)在、「中國で最も有名な日本人俳優(yōu)」と稱される矢野浩二氏によるコラム。

その他の寫真

中國では毎年、歴史を題材とした映畫、ドラマが多く公開されている。つい先ごろも、舊日本軍侵略下の南京を題材にした映畫が中國で話題になった。この作品は、興行収入も5億元(約63億円)という數(shù)字を叩き出している。

國によって歴史に対する認識?思想は違うし、さまざまな世界観や思想を持った監(jiān)督がいる。その表現(xiàn)の自由を批判することはできない。ただし、ある種の作品を見た観客が當時の敵國(=日本)に対する過剰な憎しみを持ち、それが高じて、今を生きる人々の心中に憎悪の感情が生まれることは、平和的観念から見れば良いわけではない。実際、中國のある有名歌手がこの映畫を見たあと、マイクロブログ(中國版ツイッター)を通じて日本人に対する憎悪の言葉をつぶやき、賛否両論を巻き起こしている。

スクリーンの中で、中國の少女が日本兵に強姦されるシーンが殘酷に描かれていれば、冷靜さを失うのは當然であろう。決して少なくないと言える人々がこの作品を見ることで、現(xiàn)在の日本人に対する憎悪の感情を増幅させたとしたら、たいへん殘念に思う。このような戦爭映畫が、日中の未來にとって本當に必要なのか疑問を感じている。

憎しみ、爭いからは何も生まれない。そうであると思いたい?!皻埮挨蕬闋幮袨椁饯韦猡巍堡蛟鳏?、人々を恨むことをしない、これが大事だと思う。これこそ、映畫やドラマの観衆(zhòng)や視聴者に対するメッセージであるべきではないか?そうでなければ、日中の真の友好などいつになっても築けはしない。長年に渡る民間レベルでの交流も、意味をなさないだろう。

今後、戦爭を題材に制作される作品は、末尾に平和へのメッセージ文をテロップにして加えることを望む。例えば、「未來の子供たちのためにも、二度と戦爭を起こしてはならない。憎しみ、爭いからは何も生まれない」のように。日本と中國、戦爭時代の立場は違う両國ではあるが、戦爭によって受けた“悲しみ”はお互い同じであるはずだ。

日中間で、互いに歩み寄った意見交換が出來ればと願う。経済関係で協(xié)力しあうことはもちろん大事だが、その前に最もデリケートで大事なことが置き去りにされているように思う。未來の両國の子供たちのためにも、「憎しみや爭いからは何も生まれない」という當たり前のことを、我々は常に伝えることが必要ではないのか、そのように思う。

●矢野浩二(やの?こうじ)

バーテンダー、俳優(yōu)の運転手兼付き人を経てTVドラマのエキストラに。2000年、中國ドラマ「永遠の戀人(原題:永恒戀人)」に出演し、翌年に渡中。中國現(xiàn)地のドラマや映畫に多數(shù)出演するほか、トップ人気のバラエティー番組「天天向上」レギュラーを務める。現(xiàn)在、中國で最も有名な日本人俳優(yōu)。2011年、中國共産黨機関紙?人民日報傘下の「環(huán)球時報」主催「2010 Awards of the year」で最優(yōu)秀外國人俳優(yōu)賞を日本人として初受賞。中國での活動10年となる同年10月、自敘伝「大陸俳優(yōu) 中國に愛された男」(ヨシモトブックス)を出版。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China?記事へのご意見?お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業(yè)務提攜

Record Chinaへの業(yè)務提攜に関するお問い合わせはこちら

業(yè)務提攜